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爆発物処理班の遭遇したスピン の商品レビュー

4

97件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2022/07/22

前作で直木賞を受賞した著者の新刊。表題にもなっている1話目がいきなり物理学をゴリゴリに参照したストーリーで面食らうが、ハードSFで押し切るわけではなく(個人的には量子エンタングルメントが出てきた辺りで最高にワクワクしたので少し残念ではあったが…ただ、あの第1話だけで元は取れた)全...

前作で直木賞を受賞した著者の新刊。表題にもなっている1話目がいきなり物理学をゴリゴリに参照したストーリーで面食らうが、ハードSFで押し切るわけではなく(個人的には量子エンタングルメントが出てきた辺りで最高にワクワクしたので少し残念ではあったが…ただ、あの第1話だけで元は取れた)全体的なテイストはホラー。手を替え品を替えゾッとさせてくれる。グロテスク描写は割と容赦ないので苦手な方はご注意を。

Posted byブクログ

2022/07/21

やはり佐藤究作品は凄い。度肝抜かれる異次元短編集。表題作(このネーミングも秀逸)の量子力学を利用した爆発物で既に心を鷲掴みにされ、「ジェリーウォーカー」「猿人マグラ」「スマイルヘッズ」と続く各々の持つ不思議な気色悪さに魅了され、読書が止まらない。この4編の完成度は素晴らしく、長編...

やはり佐藤究作品は凄い。度肝抜かれる異次元短編集。表題作(このネーミングも秀逸)の量子力学を利用した爆発物で既に心を鷲掴みにされ、「ジェリーウォーカー」「猿人マグラ」「スマイルヘッズ」と続く各々の持つ不思議な気色悪さに魅了され、読書が止まらない。この4編の完成度は素晴らしく、長編だけでなく中短編でもワンアンドオンリーの存在であることを痛感させられた。今後の上梓作品も楽しみ。

Posted byブクログ

2022/07/16

短編集。 長編を期待してたので肩透かしくらった気分で読み始めたし、ちょっと難しいのもあったけど、どれも面白かった!! ラストの『くぎ』が好みだったな。 やっぱ、佐藤究さんいいわぁ〜!!!

Posted byブクログ

2022/07/12

Amazonの紹介より 「ミステリ×SF×怪物」が開くのは「世界」の扉 小説の最前線、ここから前人未到、読み逃し厳禁 きっとアナタも究中毒になる― 爆発物処理班の遭遇したスピン…鹿児島県の小学校に、爆破予告が入る。急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。処理を無事終...

Amazonの紹介より 「ミステリ×SF×怪物」が開くのは「世界」の扉 小説の最前線、ここから前人未到、読み逃し厳禁 きっとアナタも究中毒になる― 爆発物処理班の遭遇したスピン…鹿児島県の小学校に、爆破予告が入る。急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。処理を無事終えたと安心した刹那、爆発が起き駒沢は大けがを負ってしまう。事態の収拾もつかぬまま、今度は、鹿児島市の繁華街にあるホテルで酸素カプセルにも爆弾を設置したとの連絡が入った。カプセルの中には睡眠中の官僚がいて、カバーを開ければ即爆発するという。さらに同時刻、全く同じ爆弾が沖縄の米軍基地にも仕掛けられていることが判明。事件のカギとなるのは量子力学!? 他に、日本推理作家協会賞短編部門候補「くぎ」、「ジェリーウォーカー」「シヴィル・ライツ」「猿人マグラ」「スマイルヘッズ」「ボイルド・オクトパス」「九三式」を収録。 あなたは、物語の転換点に立たされる どの作品もエッジが効いていて、ただただ呆然となるくらいの衝撃がありました。同じ人間なのに登場人物たちの考える発想が突飛すぎて、異次元の世界に迷い込んでいる感覚がありました。 佐藤さんというと、直木賞受賞作「テスカポトリカ」が思い浮かびます。スタイリッシュでありながらも凄惨な殺しが印象的だったのですが、この作品でも似たような描写があります。 それは「シヴィル・ライツ」。ヤクザを舞台にした物語ですが、そこで繰り広げられる殺しの描写が、まぁ目を背きたくなるようなリアルな描写で、恐怖心を掻き立てられました。 どの短編も、ゾワリと怖いながらも、意外な展開で面白く、その発想はどこから来ているんだろう?とただただ佐藤さんには脱帽するばかりでした。 どれが一番でもおかしくないくらい、濃厚な作品で甲乙つけがたいラインナップでした。 ただし、最初の表題作は、量子力学について触れられて、途中から頭が混乱して躊躇してしまうのですが、そこで諦めずに最後まで読んでいただきたいです。 人間の「悪」をこれでもかとバイオレンスに表現しており、段々とそれらが中毒?と思えるくらい、普通の感覚が麻痺してきて、なんとも言えない読後感がありました。

Posted byブクログ

2022/07/09

「テスカトリポカ」で直木賞を獲得した佐藤究さんによる短篇集。帯に「ミステリ×SF×怪物」とあるがまさにそんな感じで、ミクスチャーバンドの曲ような感じで、いろんなジャンルの要素が交じり合っていて唯一無二の世界観が最高。すべての作品に圧倒的な暴力性が感じられ、各話にとんでもない狂った...

「テスカトリポカ」で直木賞を獲得した佐藤究さんによる短篇集。帯に「ミステリ×SF×怪物」とあるがまさにそんな感じで、ミクスチャーバンドの曲ような感じで、いろんなジャンルの要素が交じり合っていて唯一無二の世界観が最高。すべての作品に圧倒的な暴力性が感じられ、各話にとんでもない狂った奴がいて、常に血の匂いがするいつものドロドロしい佐藤作品。「テスカトリポカ」を溶かして製氷機で凍らせた氷一個一個が本作品の短編のような感じ。

Posted byブクログ

2022/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやはやまいった、こりゃ困った、どうしようどうしよう。 超弩級の『テスカトリポカ』のあとに、怒涛の短編が押し寄せてくるとは思いもせずにうろたえる。 いや、最初短編集だと知らずに読み始めたそこつものですみません。だって、この第一章を読んで、まさかこれが短編だなんて思うだろうか、イヤ思わない。 しかし濃い。佐藤さんの御姿と同じくらい濃い。濃厚、黒い、なのにすこーしだけニヤリとしちゃったりなんかする自分が怖い。 人間の中にあるどす黒い部分をずるりずるりと引きずり出す、見たくないのに目がそらせない。そして読み終わった後「面白かった」と思う自分の黒さに向き合わずにいられない。あぁ、佐藤究、憎し。

Posted byブクログ

2022/06/04

佐藤究初読みです。そうです究極、探究、追究した短編集です。 佐藤究を読むならこの短編集から初めましょう。 虜になること間違いなし。

Posted byブクログ