ザ・ウェルキン の商品レビュー
これはすごい。 昨年吉田羊リジーで観る機会があり、その時も大号泣。劇場を後にしながら泣き続けました。 読み始めは、さすがに泣かないかな、と思っていたのです。ホントにクライマックスにさしかかり、え!やっぱり泣くのか!(笑)しかも号泣しそうではないの!と本を閉じたところです… そ...
これはすごい。 昨年吉田羊リジーで観る機会があり、その時も大号泣。劇場を後にしながら泣き続けました。 読み始めは、さすがに泣かないかな、と思っていたのです。ホントにクライマックスにさしかかり、え!やっぱり泣くのか!(笑)しかも号泣しそうではないの!と本を閉じたところです… そして、読み終わりました。上演時に購入したパンフレットと共に復習しています。 キーワードの1つが「12」。 陪審員。サリーがラスト近くで受けた暴行の数。ヘレンが流産した回数。 さまざまなレイプの影。家族内や親戚、雇用主やその友人たちなど、加害者はいろいろ。みんな知っているが口を閉ざす。 日和見な印象のエマがナイフを持つ理由も同じ。 そして、女たちは徒党を組み異端を排除したり、その一方で、そっと共犯者になったりする、でも、共犯であることは、互いに口をつぐむ。そうして大きな相手に静かに抵抗する。さらに、別の場所では共犯者を裏切ったりもする。 ペグのように、自分の配偶者のため、本当は大事にしたい相手=リジーの手を離す。 ラストシーン間際まで、エマはイヤなひとでした。 でも本当は、いろいろな何かを抱え、それに負けないようにガードしているように感じました。 ラストシーンにかかるエマのセリフをきっかけに、読みながら号泣するのでした。 キツい1冊でした。 でも、読んで良かった。 もう一度お芝居で観たいなあと思います。
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7月に吉田羊&大原櫻子主演の芝居を観たので戯曲を読んでみた。 訳者が書いているように、中世(18世紀)英国女性の家事労働についての知識があると本作品をより深く理解できるのだろう。 「12人の怒れる男」に着想を得たと思われる陪審員もの。陪審員の女性それぞれが抱える事情が...
7月に吉田羊&大原櫻子主演の芝居を観たので戯曲を読んでみた。 訳者が書いているように、中世(18世紀)英国女性の家事労働についての知識があると本作品をより深く理解できるのだろう。 「12人の怒れる男」に着想を得たと思われる陪審員もの。陪審員の女性それぞれが抱える事情が明らかになる第一幕、リズとサリーの関係が明らかになるとともに衝撃的なラストを逢える第二幕。演劇的な面白さが詰まった作品であるが、訴えるものは性差を含むさまざまな差別であり、そうした差別は次にハーレー彗星が来る時にはなくなっているのだろうか?と問う重い内容。 正直なところ、内容を充分に咀嚼できたとは言えない。
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