うつの人のリワークガイド の商品レビュー
p.88 家族の役割 患者さんの家族から一番よく質問されることは「(患者さんに)どう接すればよいですか?」ということです。そばにいて、家族として心配なのだと思います。憂うつそうに見えるけれど、果たしてどんな言葉をかけてよいのかわからない、という場合もあるでしょう。 以前は「頑張...
p.88 家族の役割 患者さんの家族から一番よく質問されることは「(患者さんに)どう接すればよいですか?」ということです。そばにいて、家族として心配なのだと思います。憂うつそうに見えるけれど、果たしてどんな言葉をかけてよいのかわからない、という場合もあるでしょう。 以前は「頑張れ」と声をかけてはいけないとよく言いました。励ましたいあまりに「頑張れ」と言いたくなりますが、うつの人は憂うつな気分のなかですでに頑張っているのだから、さらに「頑張れ」と言われても、何を頑張ればよいのかがわからないのです。 そういうときに「頑張れ」と声をかけられたら気分がさらに沈んでいき、追い込まれるような気持ちになることもあるでしょう。家族であっても、本人の気持ちを理解するのはなかなか難しいものです。 うつの人の気持ちを推し量るときには、「普段と違って表情が暗い」「言葉が少ない」「元気が感じられない」といったことを観察します。うつの症状自体を言葉で表すことは難しく、診察でも医師のほうから質問しないと、症状が確認できないことが多いのです。精神科医はいろいろと質問して患者さんから症状を聞き出し、診断を下していきます。患者さん自身が、特に質問もされていないのに自分から「憂うつだ」と述べることは、むしろ少ないのです。 私が患者さんの家族に特にお願いしたいことは、「聴き上手」になることです。家族として、まわりで見ていて心配なこともいろいろとあるでしょう。「早く元気になってほしい」という気持ちもあると思います。状況によっては、経済的に苦しくなることもあります。放っておくと回復が遅れるのでは、と気が気でないという場合もあるかもしれません。 家族としては焦りを感じると思いますが、そのとき、患者さん本人もうつの症状のために苦しい状況にあります。そこに思いを寄せることが大事です。 診察時に患者さんに「希死念慮」に関して質問すると、8割程度の人が「少なくとも一度は考えたことがある」と答えます。また、うつの症状には「頭がうまく働かない」という症状もあります。家族には、患者さんがそのような苦しみのなかにいることを理解し、本人の話に耳を貸すようにしてほしいのです。本人が「とりとめのない話でも家族が聴いてくれる」という実感を持つようになることが大事です。それが患者さんの支えになります。 患者さんは、本当に大事なことは、普段から話をよく聴いてくれる人にしか話しません。うつの人で自殺が多い時期としては、病状が少しよくなってからだと昔から言われています。それはまわりの人から見ると、「だいぶよくなってきた」と感じる時期です。 そのような時期に患者さんが重大な悩みを打ち明けられるのは、普段から悩みをよく聴いてくれる人です。 うつの患者さんは家族やまわりの人を頼りながら、そういった危機を乗り越えて、本当の回復を果たしていきます。
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・印象に残ったところ →段階的に進んでいくプログラムを医療スタッフが見守っている。スタッフが患者の回復度を確認し、評価できる仕組みも組み込まれている →WAP職場の疑似体験 うまくいかない場面 そのような体験を積み重ねて復職の準備 作業がうまくいかなくても、ストレスがたまっても帰宅後にしっかりケアをして翌日のプログラムに予定通り参加できた、次の機会にはうまくできるように対策を考えるようになったというような自分なりの対処法をみにつけることが大切。その際自己分析レポートが役立つ、CBTによって考え方や行動の見直しを行うことも有効 ・リワークに参加し休職した理由を分析してレポートを作成知った人は「休んだ理由をしっかりと理解したので今後は何かあっても対策を確実に取れると」主治医に説明できる。
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通院、休職、リワークと目まぐるしい変化に戸惑っている時に病院にあったのでまず手に取った1冊。通う前にスタッフから軽い説明は受けたもののリワークが何なのか理解していなかったので、自分にとってタイトル通り説明書のようなものでした。 「会社にこれ以上迷惑かけちゃいけない、最短で復職し...
通院、休職、リワークと目まぐるしい変化に戸惑っている時に病院にあったのでまず手に取った1冊。通う前にスタッフから軽い説明は受けたもののリワークが何なのか理解していなかったので、自分にとってタイトル通り説明書のようなものでした。 「会社にこれ以上迷惑かけちゃいけない、最短で復職してやる!」と前のめりになってましたが、読んでいて決まったプログラムを受ける期間もあるし全く焦る必要がないと感じてす〜〜〜っと肩の力が抜けました。 リワークは復職が一番の目的ですが、日々ちょっとした目標や楽しみを見つけて自分のペースで出来る事を少しずつ。自分自身のちょっとした変化を感じて、自信を取り戻したいなと思いました。
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休職してうつから回復したら仕事復帰と思ったら復職前にリワークをやる時代なんですね。 リワークの内容と必要性がよく分かります。 病院だけでなく障害者職業センターでも雇用保険を使って無料でリワークを受けられます。
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プログラムに通える人じゃないと、ポジティブになれる内容はなかったかなあという印象。 再発しやすいので、慎重になるのはよくわかった。
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うつになった人への接し方を、骨折した人への接し方と似たようなものと捉えるとよいとのアドバイスは参考になる。それにしても最近、適応障害になる人が増えているのが不思議だ。
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序章「会社を休んだほうがいい」と言われて 第1章 なぜ「うつ」で仕事を休むのか ●「うつ」の症状をどう考えるか ●なぜ仕事を休むことが重要なのか 第2章 休職中にできること ●復職をあせらない、再休職を防ぐ ●復職を準備するための「リワークプログラム」 ●リワークプログラムの進め...
序章「会社を休んだほうがいい」と言われて 第1章 なぜ「うつ」で仕事を休むのか ●「うつ」の症状をどう考えるか ●なぜ仕事を休むことが重要なのか 第2章 休職中にできること ●復職をあせらない、再休職を防ぐ ●復職を準備するための「リワークプログラム」 ●リワークプログラムの進め方 具体的なプログラムの例 第3章 復職するときにできること ●復職のタイミング ●復職への手続き 第4章 復職後にできること ●悪化・再発リスクを減らすために コラム:うつと読書療法 第5章 知っておくと役立つこと ●リワークに関連する制度や法律を知っておこう
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