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名もなき子 の商品レビュー

3.2

17件のお客様レビュー

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2022/07/22

老人の残った機能は出来るだけ使わせた方が良いが、面倒なのでついこちらがやってしまう、というのは考えさせられる。

Posted byブクログ

2022/07/18

Amazonの紹介より テレビ局に在籍し、ドキュメンタリー番組の制作を手がける美貴。ある日、高齢者施設で不審死が相次いでいるとの週刊誌の記事が目に留まる。その後、主要メディアや官邸に犯行声明が届く。書面には「何も生み出さない高齢者は『社会悪』だ」などと書かれていた。取材を進める美...

Amazonの紹介より テレビ局に在籍し、ドキュメンタリー番組の制作を手がける美貴。ある日、高齢者施設で不審死が相次いでいるとの週刊誌の記事が目に留まる。その後、主要メディアや官邸に犯行声明が届く。書面には「何も生み出さない高齢者は『社会悪』だ」などと書かれていた。取材を進める美貴は、偶然の出来事から悟と名乗る青年とかかわるようになる。悟の生きてきた道程を知った美貴は、この国が抱える深い闇の存在に強い衝撃を受ける----。 ドキュメンタリー番組を手がけたこともある水野さん。前作「蝶の眠る場所」に続く第2弾。 今回のテーマは、無戸籍や高齢者といった問題を扱っています。「普通」であることのありがたみや「命とは何なのか?」深く心に突き刺さりました。 自分の知らない所で起きている現実に、大人の身勝手さも相まって、衝撃の連続でした。 いつも思うのは、子供に罪はありません。なぜこのようなことが起きてしまうのか?「親」としての責任が問われているようで、重厚感のある作品でした。 個人的には美貴率いるドキュメンタリー班の活躍をもう少し描いていてほしかったなと思いました。個性が強い面々が面白く、前作では番組を作るために奔走する描写が好きでした。 今回はそういった番組制作は控えめで、社会問題の方に重点を置いていたため、ちょっと物足りなさがありました。 ミステリーなので、犯人は明らかになるのですが、それよりも犯人の背景にある社会問題が印象的でした。 犯人逮捕したから、それで終わりではなく、なぜ起きたのか?防ぐには、どうしたらいいのか?小説を通して、色んな方に考えてほしいなと思いました。 そういったメッセージ性もあり、考えさせられる終わり方かなと思いましたが、最後のひとつ前の章では美貴率いるドキュメンタリー班のその後の展開が描かれています。ほっこりとした会話に笑みがこぼれ、心が救われました。 最後の章では、今までの暗い話とは逆に明るい話として、ある人物の誕生が描かれています。 そもそもここがスタート地点であり、新たなる人生が始まります。その子のためにも、立派な大人になっていただきたいです。

Posted byブクログ

2022/07/13

「蝶の眠る場所」シリーズ2作目。 無戸籍児、高齢者医療を軸に、生産性と絡めて語られる命の問題に切り込む社会派小説。 前作もそうだったけど、主人公の美貴がどうしても好きになれない。作者の問いかけたいことはわかるんだけど、作品に漂う「ジャーナリストの問題提起」感が鼻につく。 時系列...

「蝶の眠る場所」シリーズ2作目。 無戸籍児、高齢者医療を軸に、生産性と絡めて語られる命の問題に切り込む社会派小説。 前作もそうだったけど、主人公の美貴がどうしても好きになれない。作者の問いかけたいことはわかるんだけど、作品に漂う「ジャーナリストの問題提起」感が鼻につく。 時系列や語り目線が飛んだりして読みにくいし、なくてもいい描写が多い割に悟やハルの内面の掘り下げも不十分で小説にする意味が見出せない。報道記者ならノンフィクションで書けばいいのにと思ってしまう。 小説としてもドキュメンタリーとしても中途半端な感じで途中で飽きてしまった。 もうこの作者の小説はいいかな。

Posted byブクログ

2022/07/09

昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか ニーチェ 僕たちの生きている社会は、どのみち公平ではない。生まれながらにして貧富や家庭環境やIQや美醜など様々「格差」があって、そこから抜け出すのは容易じゃない。 だったら、生産性の有無で人を仕分けるのはもっとも公平なやり方だ。 人間には...

昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか ニーチェ 僕たちの生きている社会は、どのみち公平ではない。生まれながらにして貧富や家庭環境やIQや美醜など様々「格差」があって、そこから抜け出すのは容易じゃない。 だったら、生産性の有無で人を仕分けるのはもっとも公平なやり方だ。 人間には誰一人無駄な者などいないのだ。 生まれてこないほうがいい命など、一つもない。 すべての命は等しく尊いのだ。

Posted byブクログ

2022/06/20

前作『蝶の眠る場所』でデビューした水野さんの新作。本作は続篇というよりシリーズ2作目といったほうがしっくりくる。 今回、美貴が追うのは、高齢者施設で相次ぐ不審死だ。首相官邸と衆参議長公邸には犯行声明が届き、社会部は独占取材に成功するが、殺人の実行犯ではないらしい。さらに無戸籍、育...

前作『蝶の眠る場所』でデビューした水野さんの新作。本作は続篇というよりシリーズ2作目といったほうがしっくりくる。 今回、美貴が追うのは、高齢者施設で相次ぐ不審死だ。首相官邸と衆参議長公邸には犯行声明が届き、社会部は独占取材に成功するが、殺人の実行犯ではないらしい。さらに無戸籍、育児放棄、性的虐待などを絡めながら物語は進む。 早々に犯人の目星はついてしまってミステリーとしては弱いが、この国の抱えている問題が詳らかにされていく過程はさすがの一言だ。ただ、あまりに重苦しい背景に、(おもしろかった)と小さく書きたい。

Posted byブクログ

2022/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

毎日の普段の生活の中では、眼に入ってこないこと。 でも、過去も、今も、そして多分未来も、私たちのすぐそばにあり続けること。 人として生まれてきたこと。人として生きること。そして人として生きてきたこと。その線がまっすぐであると思える人生の、なんと幸運なことか。 多くの人が当たり前に持っている(と思われている)戸籍。それを持たない人が、いかに多いか。まずはそのことをもっと私たちは知ることから始めなければ。 戸籍がない、この国では存在しないとされる人たち。彼らを取り巻く問題と、たくさんの手を借りてただただ生きている命の問題。 全く別の問題のように思われるその二つの線は、この国が蓋をしてきれいに飾り付けている「幸福」の裏側から始まっているのだ。 何かが起こらなければ気にもしない「命」というものの、その意味。 誰かに必要とされ、誰かの役に立ち、誰かに愛される。それは価値のある人生。 じゃぁ、誰にも必要とされず、誰の役にも立たず、誰にも愛されない人生は?存在する意味はないのか? 家族を、身近な人を、看取った経験のある多くの人なら思う、「どんな形であっても生きていてほしかった」という願い。でも、その願いはエゴなのか。 役に立たないだけじゃなく、誰かの手を借りなければ生きていけない人は、生きている価値がないのか。 幸福の裏側から始まる二本の線が再び交わる瞬間の、その衝撃に耐えながら読んだ。 知らないうちに受けた傷の、その乾いたカサブタをはがしながら読む。 感動したとか号泣したとか、そういう感想など出てこない。読んでしまったら、もう逃れられない。この先抱えて生きていくしかない傷の、その新しいカサブタをそっと撫ぜて本を閉じた。

Posted byブクログ

2022/05/11

感動しました。ミステリーあり、高齢者社会の提言あり、親子の絆あり、盛り沢山の感動作でした。こんなにも悲惨な子供達がいるのかと考えさせる一面もありそれに反してスキバァの「人間には、誰一人無駄な者などいない」名言です。ラストの章はとても考せられました。謎です。あなたも読んで感動して...

感動しました。ミステリーあり、高齢者社会の提言あり、親子の絆あり、盛り沢山の感動作でした。こんなにも悲惨な子供達がいるのかと考えさせる一面もありそれに反してスキバァの「人間には、誰一人無駄な者などいない」名言です。ラストの章はとても考せられました。謎です。あなたも読んで感動して下さい。涙して下さい。

Posted byブクログ