嘘の木 の商品レビュー
父の死の真相と嘘の木の解明をめぐるミステリー。 YA向きです。もっと若いとき、できれば主人公と同じ年頃で読みたかったと思います。歳をとって読んでもこれだけ面白いのですから。 ダーウィンの『種の起源』が発表された頃、まだ女性が自由ではなかった時代の話。 女性たちとひとくくりにされ...
父の死の真相と嘘の木の解明をめぐるミステリー。 YA向きです。もっと若いとき、できれば主人公と同じ年頃で読みたかったと思います。歳をとって読んでもこれだけ面白いのですから。 ダーウィンの『種の起源』が発表された頃、まだ女性が自由ではなかった時代の話。 女性たちとひとくくりにされながらも、登場人物たちがそれぞれの個性を活かしてしたたかなところがグッときました。 自分にもし娘がいたら、読んでみて、と薦めたくなる本でした。
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ミステリ。ファンタジー。 初めて読む作家。 イギリスでは児童書だったらしい。 背表紙のあらすじ的にはSF要素もありそうだったが、実際はほぼなし。ファンタジー。 全体としては、主人公フェイスの頑張る姿を応援する作品、という印象。 中盤の実験と捜査と工作、終盤の解決、どちらも面白いが...
ミステリ。ファンタジー。 初めて読む作家。 イギリスでは児童書だったらしい。 背表紙のあらすじ的にはSF要素もありそうだったが、実際はほぼなし。ファンタジー。 全体としては、主人公フェイスの頑張る姿を応援する作品、という印象。 中盤の実験と捜査と工作、終盤の解決、どちらも面白いが、個人的に一番良かったのは序盤。 ミステリとは関係なく、19世紀のイギリス・小さな島という環境によって主人公が置かれた立場が興味深い。 特にジェンダー論に関して、かなり考えさせられる。 児童文学としては難しい気もするが、面白いのは間違いなし。
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ファンタジー的なアプローチとミステリを融合させた意欲作だが、推理部分が弱く凡庸としか思えなかった。自分とは合わなかった作品。
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ファンタジー要素は少なく 40%くらいまで現実的なミステリーです。 後半は中々のトリップ感があります。 種の起源の発表後のキリスト教世界と 嘘で膨張する植物を絡ませた物語は、いつもながら児童文学とは思えないですね。
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【嘘の木】という不気味で謎な植物が謎を解くキーとなっていてダークな雰囲気が漂う物語。 女性は表舞台に立てず、知識を持っていると奇異な目で見られた時代。好奇心旺盛で知識もある少女・フェイスは鬱屈としていた。そんな彼女だからこそ秘密裏に行動して真相に辿り着けたのだから胸がすく。 少...
【嘘の木】という不気味で謎な植物が謎を解くキーとなっていてダークな雰囲気が漂う物語。 女性は表舞台に立てず、知識を持っていると奇異な目で見られた時代。好奇心旺盛で知識もある少女・フェイスは鬱屈としていた。そんな彼女だからこそ秘密裏に行動して真相に辿り着けたのだから胸がすく。 少女が大人の目を掻い潜って謎に迫るハラハラ感が面白くて彼女の成長する姿がYA文学ならではでとても良い。 フランシス・ハーディングの他の作品も読んでみたい。
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児童文学とは思えぬダークミステリー。 これはファンタジーとされているが ミステリー要素が最初から散りばめられ 学者の父が犯した捏造の噂から逃れる為 一家はある島に逃げる様に移住する。 そして、父親の不審死から謎の植物の存在 が発覚する。 それは人間の吐く嘘を養分にして大きく 実が...
児童文学とは思えぬダークミステリー。 これはファンタジーとされているが ミステリー要素が最初から散りばめられ 学者の父が犯した捏造の噂から逃れる為 一家はある島に逃げる様に移住する。 そして、父親の不審死から謎の植物の存在 が発覚する。 それは人間の吐く嘘を養分にして大きく 実がなり、それを食すと世の中の理や真実が ビジョンとして頭の中に映し出される と言う不思議な力をもった植物だった。 この時代の女性達は男性に従ってしか 生きられず、娘は父の死の謎を解き明かす 為に今までの抑圧された生活から 一歩踏み出し、嘘の木と父親の死の謎を 解き明かす。 抑圧されたこの物語の全ての女性達は 最後の最後に嘘の木の消滅と共に 全ての鎧を脱ぎ捨て、力強く生きるのだ。
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登場人物はみんな名前で呼ばれるので、最初の方は誰が誰の父で母で子なのか混乱するが、読み進めていくと意図的にそうしていることがわかってくる。みんな父や母や子である前に一人の人間で、独立した考えを持っているし、必ずしも「正しい」面ばかりではない。 大人や社会が押し付けてくる「こうある...
登場人物はみんな名前で呼ばれるので、最初の方は誰が誰の父で母で子なのか混乱するが、読み進めていくと意図的にそうしていることがわかってくる。みんな父や母や子である前に一人の人間で、独立した考えを持っているし、必ずしも「正しい」面ばかりではない。 大人や社会が押し付けてくる「こうあるべき」に疑問を持った思春期の女の子が、危うい橋を渡りながら、自分の生き方を探っていく話。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やはり私には海外作品は難しい…。色々とイメージするのが…。 最初から、ずっと陰鬱な雰囲気で話は進んでいく。主人公フェイスの奮闘のかいあって真実にたどり着くのだが、最後のフェイスと母との会話が印象に残った。
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こんなに贅沢な児童文学もないものだと感じ入りながら、読み応えのある物語を堪能しました。文学小説家としてもフランシス・ハーディングさんは天性の才能を持っている方だな思っております。
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んー。取り敢えず、読むのに体力のいる本ではあったかなぁ。前半から中盤にかけてては陰鬱な感じで中々話が進んでいる感じはしなかったし。19世紀イギリスの歴史、文化的背景に私の無知も相まって一体どういうこと?そんなに過剰に反応するところ?のような、キャラクターの反応が理解しづらい場面が...
んー。取り敢えず、読むのに体力のいる本ではあったかなぁ。前半から中盤にかけてては陰鬱な感じで中々話が進んでいる感じはしなかったし。19世紀イギリスの歴史、文化的背景に私の無知も相まって一体どういうこと?そんなに過剰に反応するところ?のような、キャラクターの反応が理解しづらい場面が所々あった。宗教的価値観もうっすら根底にあるのが前提の作品であると感じたし、理解出来ないところも結構あった。読んでいて好きになれたキャラがいなかったのが、あまり好感もてなかった所以かも。 帯の評判で買ってみたけど、私にはあんまり刺さらなかった作品かも。。。。 ※あくまでも個人の意見です
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