我々は、みな孤独である の商品レビュー
貴志さんの小説は、様々なテーマがあり毎回ワクワクさせられる。同時にあらゆる観点と切り口から「人間を人間たらしめるものとは何か」を問いかけられているような気がする。 今回は入口が【前世】で、貴志さんの新しいアプローチにやはりワクワクさせられた。 蓋を開けると前世に加えて、記憶・意識...
貴志さんの小説は、様々なテーマがあり毎回ワクワクさせられる。同時にあらゆる観点と切り口から「人間を人間たらしめるものとは何か」を問いかけられているような気がする。 今回は入口が【前世】で、貴志さんの新しいアプローチにやはりワクワクさせられた。 蓋を開けると前世に加えて、記憶・意識・個と全、そういった切り口で問いかけられている。 私はこの類のテーマが好きなのでなおさら惹き込まれたし、ラストは自然と涙が溢れた。まるで自分も記憶や意識を共に辿ったかのようなちょっとした追体験のような。 今回の着地はきっと賛否別れるんだろうと思う。 でもそれこそが私たちを私たちたらしめている証ともいえるのでは?
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7年ぶりの長編小説なのだが、投げっぱなし感が残る。 探偵小説を読んでいたら、いつの間にか宇宙の真理になっていた。 「誰が自分を殺したのかを調べてほしい」 月々の家賃にも困っている探偵事務所の茶畑に、そんな依頼が持ち込まれた。 相手は一代でのし上がった巨大自動車メーカー...
7年ぶりの長編小説なのだが、投げっぱなし感が残る。 探偵小説を読んでいたら、いつの間にか宇宙の真理になっていた。 「誰が自分を殺したのかを調べてほしい」 月々の家賃にも困っている探偵事務所の茶畑に、そんな依頼が持ち込まれた。 相手は一代でのし上がった巨大自動車メーカーの社長。 金払いはいい。 しかし、前世の記憶が蘇り、過去に自分は誰かに殺されたのだという。 江戸時代頃の事件を調べているうち、茶畑自身も知りえない記憶が蘇る。 並行して、従業員の金の持ち逃げから、旧知のヤクザからも目を付けられることになり、さらに麻薬カルテルからも狙われる。 そして、2011年3月11日、最愛の人を飲み込んだ海に、彼女がどうして向かっていったのか。 謎が乱立しながらもノンストップで物語は進む。
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ハードボイルド・ミステリ・SF・ホラーのジャンルてんこ盛りが楽しく嫌いではなかった。ただ、後半はどうも魂の仕掛けが優先してしまって足元の出来事に綺麗にオチがつかなかった印象。ストーリー半ばで加茂禮子が結構決定的なヒントを出すので、そこで察しがついた読者は特にそうなんじゃないかな。
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わたしは貴志祐介さんの作品が「大好き」か「はまらないか」の両極端になってしまうような気がする。 ちなみに好きなのは「新世界より」「クリムゾンの迷宮」
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そういう考え方もあるんだな〜と納得しました。 全ての人間が、自分であり、過去であり、未来である。 他人に対して優しくなれそうな感じ。
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設定は面白かったけど…… 宇宙には意識というものが既にあって、その意識が分裂して人間の脳みそに宿ってる。 だから、本当は皆んなは一つで、他者が存在しない故に、我々は皆孤独である。 という設定は斬新に感じたし、面白かった。 この設定を、前世を思い出した。 という所から展開するのも、頭が良いし、読んでて意外性を感じられるので良かった。 暴力は愚かな事と作中では繰り返されるが、この言葉の真意が分かった時、納得した。 なのに、なんで星2かというと、読んでいて楽しくなかったから。 貴志さんといえば、息もつかせぬ衝撃的な展開や、読んでいて身動きできなくなる程の不気味な予感、おぞましい真実を明らかにした時の虚脱感。 など、読んでいてジェットコースターに乗っている様な気持ちになれるのが良い所だと思う。 だけど、本作はずっとそんなに心を掴まれなかったし、最後に明らかになる設定も、ダラダラと開示していくから段々察してきてしまって、あまりカタルシスを産まなかったように思う。 最後の昔の彼女の死の真相もモヤっとしている様に感じた。 悪い意味で恩田陸みたいだった。
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2023-12-06 エンゼルハート、かと思いきや、とんでもなく壮大。その辺はさすが貴志祐介。期待通りだが、他作品に比べると期待以上ではなかった。 丹野のキャラクターが最高。いや最低。
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久々の貴志先生ってだけで満点なんですがww ホラーでこそなかったけれども、ほぼほぼホラーな血生臭さでしんどいシーンもありつつ。。。随分深い難解なお話でした。 ただ、やっぱり 貴志先生だなーってのは、こんだけ重くて痛くてしんどくて。。。ってお話でも最終的には謎かけというかファンタジーというか、ミステリーというか?そういう「読み物としての楽しみ」にまとめ上げるところが本当に素晴らしい。 「え?何が言いたいの??」みたいなことはなくて、なるほどね〜って思わせられるその決着が素晴らしい。 あとがきのインタビューにあったように、雑誌連載の時にはそこまでまとまっていなかったってお話だから、単行本派で良かったっす。
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最初は面白かったですが、途中から非現実的な要素が途端に増えてから読み進める気がなくなってしまいました。 私には非現実感溢れるホラーはあまり合わなかったようです。 我々は、みな孤独である。とはそういう意味か、と納得できました。
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貴志祐介さんのホラーも面白いですが、こちらも面白かったです。 ミスメリやハードボイルド、スピリチュアル的な要素もあり、なかなか楽しめました。。
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