パパイヤ・ママイヤ の商品レビュー
たしか中学生くらいの頃に買ったウルフルズのなんかのシングルのカップリング曲にパパイヤママイヤという同名のタイトル曲があって、普段あんましB面なんて聴かなかったけど、この曲はなんか緩めのノリが好きでよく聴いていた。 そんなこともあり、気になって手に取った。 まずこのハードカバーの...
たしか中学生くらいの頃に買ったウルフルズのなんかのシングルのカップリング曲にパパイヤママイヤという同名のタイトル曲があって、普段あんましB面なんて聴かなかったけど、この曲はなんか緩めのノリが好きでよく聴いていた。 そんなこともあり、気になって手に取った。 まずこのハードカバーの装丁が好き。きいれえ本。文庫だとデザインが変わってるようで残念。この作品は、電子書籍でも文庫でもなく、このきいれえ単行本で読むのが良いと思う。 超淡々としたストーリーなのに退屈しない。二人の会話の温度感が好きすぎる。何気ないやりとりの中にハッとさせられる言葉がいくつもあったりして。著書の思惑なのか、ホントにどうでも良さそうな会話の中に、よくよく考えると大事なコトとか人生のヒントとか金言を潜ませてあって。その隠し方が上手いのか、もしくはコーティングの仕方が上手いのか。他の作品も読んでみたい。
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相変わらず自然描写が素晴らしい。 目の前に干潟が広がって見える。 ほぼ女子高生ふたりの会話で話が進んで行く。漫画「セトウツミ」の女子版の印象。 二人の背景が徐々にわかってきて、引き込まれました。
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どんどん読める。何も起こらない。パパイヤちゃんとママイヤちゃんが出会って、友達したある夏の「思い出」。 それは「確かに起こったことだ」ということが、多分、70歳を目前にしたおじいさん読者が一気に読んでしまって、なんともいえないしみじみした気分になった理由なのでしょうね。 書...
どんどん読める。何も起こらない。パパイヤちゃんとママイヤちゃんが出会って、友達したある夏の「思い出」。 それは「確かに起こったことだ」ということが、多分、70歳を目前にしたおじいさん読者が一気に読んでしまって、なんともいえないしみじみした気分になった理由なのでしょうね。 書いている、だから、今、彼女は何歳なのかわからないけど、目の前に写真があるようなのですよね。そのシチュエーションは最後まで明かされないけど、そこが面白いんだろうな。 あほブログには、あれこれ、この作品の書かれかたについて書きました。覗いてみてくださいね(笑)。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202403040000/
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パパが嫌いなパパイヤと、ママが嫌いなママイヤの一夏の青春。 ミステリーとか読みすぎて、もっと最悪な家庭環境を想像しちゃったけど、等身大の女子高生な2人に爽やかさしか感じられずサクッと読めました。 表紙の色も素敵。
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『最高の任務』で好きになった著者の作品は定期的に読んでいて、これもショッキングな装丁を含めて気になっていたので読んだ。期せずして一夏の思い出の話であり、夏の読書としてはバッチリ。女子高生2人の甘酸っぱい思い出というおじさんから最も距離のある話だけど楽しめた。 タイトルのパパイヤ、ママイヤはそれぞれSNS上のハンドルネームでありネットで知り合った2人の女子高生が川のほとりで駄弁っているのが大筋。カントリーサイドの河口付近というのは著者の作品だと『旅する練習』と似たような舞台なんだけども、そこから感じる本当の意味での匂い立つような日本らしさが印象的。冒頭に顕著な普通の人なら何気なく見過ごしてしまうような川や周辺の自然の描写が丁寧で見ている世界のレイヤーの違いに毎回驚く。そんな中で2人が異なる境遇を少しずつ共有しながら友情を深めていく過程がとてもオモシロかった。大袈裟な事件は起こらないのだけども、当人たちにとっては大ごとである、というのは思春期そのもので愛らしい。ウイスキーの大ボトルであれだけ一喜一憂させられるのは愉快すぎた。友情が深まる中で己の理解が深まり、それぞれが自分の将来に対して明るい兆しを見つけていく点も好きだった。見つかる人生と見つからない人生では雲泥の差だから。 著者の最大の特徴は過去作から一貫して会話のリアリティにあると思う。物語に直接的に寄与しない会話こそが物語を豊かにする。神は細部に宿るとはまさにこのこと。その中でたまに芯を食ったパンチラインがありグッときた。一部引用。 *「なんかなりたい自分だって気がするんだよね。あんたといる時だけ」* 「*探すとかじゃなくて、忘れちゃダメなんだと思うよ。自分が自分だってこと。」* *「でも、やっぱ決めてる子はもうバシッと決めててさ。なんか、よくない?道が続いている感じ。あとは、今がんばって、その道をちゃんと進めるかどうかだけじゃん。ウチだってがんばってないわけじゃないけど、そのがんばりって学校の中で比べてるだけで、どこにも続いていない感じして」* エンディングとして2人の関係は友達、親友となっているのだけど、恋愛関係とも解釈できる気がする。ときめきの萌芽に思える場面がいくつかあったし、作者も友達以上恋人未満のギリギリを狙っているような…これとか友情よりも愛情の方が近い気がする。 *わたしは、わたしのことを、私の知らないところで、わたし以上に考えたり汗を流してくれたりする人がこの世にいるなんて、やっぱり夢にも思えなかったのだろう。* まだ読んでいない作品があるので少しずつ楽しみたい。
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六月の終わり、私たちは現実で出会った 父親が嫌いなパパイヤと母親に愛憎半ばする感情を持つママイヤのひと夏のガールミーツガール物語 すごくどうでもいい!ことに一生懸命なのが羨ましかったー!!どうでもいいことで朝からあちこち行ってみたい(いや、本人にとっては大切なことなんですが)。パパイヤがすごくいい子でママイヤはパパイヤに出会えて一生の宝物になったと思う。 小櫃川の干潟が舞台で地元の人が読むとまた全然違った感想になりそうです。SNSで知り合ってから現実で初めまして、というのは今の女子にはよくあること?読み始めは少しヒヤッとしましたが、後からおおよその住所が分かるということ以外は昔の文通と似てるかな(笑)
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初めの方は、セリフがどちらのセリフなのか分からず戸惑いました。 こういう文章に慣れていなかったからかも知れません。話をつかむのに苦労しました。 中盤以降、ママイヤとパパイヤの背景が分かり、関係性が深まっていく様子は見ていて嬉しかったです。ママイヤが受け入れられて支えられているのかな?と思っていたら、まさかのラストでした。 海辺でのダンスは、美しい情景とパパイヤの躍動感が目に浮かぶようでした。
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いまここにいる相手が、自分と一緒にいない時の姿を想像する。 もしくは、 いまここにいない相手が、自分と一緒にいる時の姿を想像する。 または、 かつてはいて、いまはもういなくて、おそらくこれから先も会うことのない相手の姿を想像する。
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読後、序盤に海の近くで絵を描く男の子とパパイヤ、ママイヤの3人のシーンをもう一度読見返した。 (以下情景描写あり) 砂浜を描いたのに、潮が満ちてきて 砂を海が覆ってしまい 絵と現実は違うことなってしまったと 戸惑う男の子。 パパイヤが言う、そんなの当たり前じゃん 絵ってそうい...
読後、序盤に海の近くで絵を描く男の子とパパイヤ、ママイヤの3人のシーンをもう一度読見返した。 (以下情景描写あり) 砂浜を描いたのに、潮が満ちてきて 砂を海が覆ってしまい 絵と現実は違うことなってしまったと 戸惑う男の子。 パパイヤが言う、そんなの当たり前じゃん 絵ってそういうものだから。 そして 出来上がった絵、空が黄色。 見たままに描いたと男の子。 黄色に塗られた空に戸惑うパパイヤ。 黄色く空を描くことは別に間違いではないんだよとママイヤが言う。 この会話をしていた序盤からパパイヤ、ママイヤ2人がどう変わっていくか。 自分らしい自分をお互い認め合っているパパイヤとママイヤ、2人が出会えてよかったなと思う。
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SNSで知り合ったパパイヤとママイヤという17歳の2人の女の子が過ごした一夏を描いた物語。 17歳っていうキラキラした青春真っ只中の一夏を、最初から最後までほぼ2人だけのやり取りで丁寧に描いてあって、すごくよかった。
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