羊毛フェルトの比重 の商品レビュー
青森を中心に素敵な作品を書いている高森美由紀さん。津軽塗とか菱刺しとかの郷土の伝統工芸を扱った作品にときめいたのですけど今作は羊毛フェルト、八戸が舞台です。 地名がでてくる小説ってすごく好きなんですよね。具体的な位置情報まではわからなくてもその土地の持つ風土や気候、景観を思い浮か...
青森を中心に素敵な作品を書いている高森美由紀さん。津軽塗とか菱刺しとかの郷土の伝統工芸を扱った作品にときめいたのですけど今作は羊毛フェルト、八戸が舞台です。 地名がでてくる小説ってすごく好きなんですよね。具体的な位置情報まではわからなくてもその土地の持つ風土や気候、景観を思い浮かべながら地図広げたりするのもわりと好きで近ければ青森も訪ねてみたいところなんですけどね。 八戸の手芸店に10年務める紬。 幼少期、子犬を拾ってきたけど母に叱られ公園に返しに行く紬。家庭を少しでも明るくしようと考えたのにかえって母のイライラを募らせてしまった。 駄々をこねる訳でもなく自分の考えを上手く言語化できないまま懐柔され気づけば30歳。 紬のまわりには職場の理不尽な先輩と、身勝手な彼氏とか、実家にはズバズバものをゆう母親とか 都合よく利用されやすい性格の紬にとっては趣味の羊毛フェルトだけが無心で打ち込めるストレス発散放方法のようです。針でチクチクやるのが気持ちいいのかなぁ?丑三つ時に藁人形に釘打つよりかは健全ですね。 私にとっては登山や読書にあたるのがライナスの安心毛布だったりです。 行き場のない感情に蓋をして流れに任せて生きてきた紬に変化をもたらしたのは。羊毛フェルトに興味をもってくれた少年や、義理の妹、行きつけの喫茶店の人々、紬の羊毛フェルトに好感持ってくれる人たちとの交わりでした。 趣味の話に興味持ってくれる人がいて情報交換とかできたら素敵ですよね。私の場合はリアルな世界では読書家はいないから、お友達とは、もっぱら山の話で盛り上がってしまうのですが、まさに四方山話です。 趣味を本業にできるとか理想ですよね。私も山小屋で働きたいww そうそう、羊毛フェルトといったらもう一つ、青山美智子さんの作品にでてくる司書の小町さんですよね。
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羊毛フェルトに少し興味がわきました。もともと手作りの柔らかい雰囲気が好きなので自分でも何か手作りのものを作ってみたいなって思いました。 その反面、彼氏さんはどんな気持ちであんな想像も付かない行動をとったのかが腑に落ちませんでした。
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なんかこう憂鬱な気持ちとか鬱憤とかすごい共感できた。 うまくいかないことが多い、中途半端な30代。 羊毛フェルトっていう趣味のおかげで人生変わっていく姿に元気もらった。 ほっこり。他の本も読んでみたい。
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手芸店で働き、羊毛フェルトでぬいぐるみを作ることが趣味の紬。モラハラな恋人、職場のイヤな上司、ステレオタイプの母親に挟まれ、我慢してしまいがちである。そんな紬が羊毛フェルトや人との関わりの中で少しずつ変わっていく。 自分にとっての幸せ、好きなこと、好きな人。自分と対話して決めて...
手芸店で働き、羊毛フェルトでぬいぐるみを作ることが趣味の紬。モラハラな恋人、職場のイヤな上司、ステレオタイプの母親に挟まれ、我慢してしまいがちである。そんな紬が羊毛フェルトや人との関わりの中で少しずつ変わっていく。 自分にとっての幸せ、好きなこと、好きな人。自分と対話して決めていく。 常連であるカフェの「アフォガード」の食べ物が美味しそうで美味しそうで。行ってみたくなった。
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まだ読んでいる途中だけど、どうにも我慢ならん。 主人公にイライラする。 親が親だから我慢して飲み込んでしまう、のは分かるけれど 改めて言葉にされるとものすごいムカムカしてくる。 私も主人公側の人間だから尚更苛立つ。 販売が始まったところをもっと詳しく知りたかったし 30年も母親...
まだ読んでいる途中だけど、どうにも我慢ならん。 主人公にイライラする。 親が親だから我慢して飲み込んでしまう、のは分かるけれど 改めて言葉にされるとものすごいムカムカしてくる。 私も主人公側の人間だから尚更苛立つ。 販売が始まったところをもっと詳しく知りたかったし 30年も母親は母親なのに、弟の一言でそんなに急に考えを変えられるとは思えないし 社員の人や慎也ともっとバトルがあるかと思いきやあっさりしたものだし 盛り上がりがいまいち欠ける。 主人公だってそんな急に変えられないでしょ、と思うけど感情移入しすぎなんだろうか。 好きなことがあって、それを黙々とやり続けていると急激な変化にも耐えられるのかなあ。 なんだかしっくりこないお話でした。 前半がとてつもなく見に覚えがある風景だったから、後半の展開に納得がいかない。 バリバリハッピーエンド、ていうわけでもないしね。
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モヤモヤ×2。 主人公は手芸店・八戸クラフトに勤めて10年の根城紬・30歳。 職場では先輩社員の豊崎さんに日々理不尽な要求をされ、ダメンズ彼氏には良いように利用される。 特にこの彼氏の傍若無人ぶりには怒りがMax。 とっとと別れれば良いのにと思うが、紬は言いたいことも言わず...
モヤモヤ×2。 主人公は手芸店・八戸クラフトに勤めて10年の根城紬・30歳。 職場では先輩社員の豊崎さんに日々理不尽な要求をされ、ダメンズ彼氏には良いように利用される。 特にこの彼氏の傍若無人ぶりには怒りがMax。 とっとと別れれば良いのにと思うが、紬は言いたいことも言わず彼の言うがまま。 まるでそれが美徳だと言わんばかりに。 モヤモヤとした感情を抱え、毎日をやり過ごす主人公に私がモヤモヤする。 心優しい義妹や大好きな羊毛フェルトがきっかけで風向きが変化した時はようやくホッとした。 いつかこの彼氏に天罰が下りますように。
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読み終えて初めに思ったことが「ああ、よかったよね」だった。 もちろん、こうなる前にいろいろ片がつけばよかったんだろうけど、ここまで来たからこそってこともあるよね、と思った。 読み初めは、まさに八方塞がりな主人公にどんよりもしてしまったけれど、彼女の心がほんの少しだけ変わることで...
読み終えて初めに思ったことが「ああ、よかったよね」だった。 もちろん、こうなる前にいろいろ片がつけばよかったんだろうけど、ここまで来たからこそってこともあるよね、と思った。 読み初めは、まさに八方塞がりな主人公にどんよりもしてしまったけれど、彼女の心がほんの少しだけ変わることで世界がひっくり返っていく。 なんだか昔からよくある都合良すぎの物語感も否めないけど、それよりは現実味があるかな…。最後はほっと胸を撫で下ろせてよかった。 自分を取り戻すスタート地点に立つまでの物語。自分も含めて、世の中を応援したくなるような、温かい気持ちが溢れた。
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はじめは地味めな主人公のお話だなぁと思ったし、仕事や家族との関係や恋愛関係もなんだかうまくあってない。。 でもある出来事をきっかけに話しが進んでいき、周りの色んな人たちに影響を受けながら、段々と変わっていく主人公を追いかけていくとペースをめくるのが止まらなくなってきました。 うま...
はじめは地味めな主人公のお話だなぁと思ったし、仕事や家族との関係や恋愛関係もなんだかうまくあってない。。 でもある出来事をきっかけに話しが進んでいき、周りの色んな人たちに影響を受けながら、段々と変わっていく主人公を追いかけていくとペースをめくるのが止まらなくなってきました。 うまくいかないところはいくつか共感できる部分があったり、変化していく主人公の様子を読みながら元気をもらえたり。初めての作家さんでしたが、作品に出会えてよかったです。
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クソみたいな彼氏?とパワハラ上司に囲まれていいように使われている主人公にイライラしてくる。バッサリ言ってくれる義妹がいなかったら途中で投げてた。羊毛フェルトを作ることに生き甲斐を求め、後半から光を求めて進んでいく様は気持ちが良い。じゃなきゃ、報われないよ紬ちゃん!言わなきゃいけな...
クソみたいな彼氏?とパワハラ上司に囲まれていいように使われている主人公にイライラしてくる。バッサリ言ってくれる義妹がいなかったら途中で投げてた。羊毛フェルトを作ることに生き甲斐を求め、後半から光を求めて進んでいく様は気持ちが良い。じゃなきゃ、報われないよ紬ちゃん!言わなきゃいけないことは伝えなきゃ伝わらない。無心になれるほど何かが好きっていいなあ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自身の感情や思いを抑圧して生きてきた主人公が、羊毛フェルトを通じて自己開示できるようになるお話。 職場や親、パートナーに抱える30代ならではのもやもや。特に、職場の人間関係や会社に対するもやもやには痛いほど共感してしまう。「仕事とはそんなもの」と主人公の母親は割り切るが、そうはできない主人公。しかし、繊細な主人公は自分の思いをまわりに打ち明けられない。 それが羊毛フェルトを通して少し自信がついてからは、母親やパートナーに対しても、自分の思いを打ち明けることができるようになる。主人公は自分にとってかけがえのないものはなにかに気づき、それを1番大事にして生きていこうと決めることができたのだ。同じ年代で、同じもやもやを抱える私も勇気をもらえるお話だった。
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