生者のポエトリー の商品レビュー
この作品は詩をテーマにした連作短編集になります。この作品では様々な人たちが自らの思いの丈を、詩に込めて聴衆を前に披露します。詩を披露することで、それぞれの中で何かが変わっていきます。 「テレパスくそくらえ」場面緘黙症の青年 「夜更けのラテ蘭」浮気性な彼に悩まされる女子大生 「...
この作品は詩をテーマにした連作短編集になります。この作品では様々な人たちが自らの思いの丈を、詩に込めて聴衆を前に披露します。詩を披露することで、それぞれの中で何かが変わっていきます。 「テレパスくそくらえ」場面緘黙症の青年 「夜更けのラテ蘭」浮気性な彼に悩まされる女子大生 「最初から行き止まりだった」犯罪の前科のある青年 「幻の月」妻に先立たれた初老の男性 「あしたになったら」ブラジルから来日した女の子 「街角の詩」詩を集めた企画を取りまとめる非正規職員 言葉を吐き出すことって難しいですよね…。私にとっては難しくって、ほとんど詩を作ったことがないんですよね…。でも、この作品を読むと詩ってそんなに構えなくともいいのかなって!ちょっと作ってみたくもなります。多分できないでしょうけど(^-^;
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やっぱりこの作者の作品は熱量がある。思いが胸に迫る。一人でも多くの人に読んでもらうにはどうしたら良いんだろうね?
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読書備忘録778号。 ★★★★★。 素晴らしい物語でした。 これまで生きてきて、最も遠いところにあった詩というモノの持つ力を感じることが出来ました。 詩の持つ力で前を向いて生きていこうと藻掻く6人の物語から構成され、物語から物語へタスキのように魂の力が伝わっていきます。 顔...
読書備忘録778号。 ★★★★★。 素晴らしい物語でした。 これまで生きてきて、最も遠いところにあった詩というモノの持つ力を感じることが出来ました。 詩の持つ力で前を向いて生きていこうと藻掻く6人の物語から構成され、物語から物語へタスキのように魂の力が伝わっていきます。 顔面緘黙症の青年はコミュニケーションで苦しんできた思いをライブハウスでぶつける。 女子大学生は人を見下すことしか出来ない彼氏との決別をコミュニティFMでぶつける。 犯罪を犯した青年は暴力と犯罪でしか自己表現できなかった地区で育った思いを街頭ライブでぶつける。 妻に先立たれた高齢男性は妻に対する感謝を朗読会でぶつける。 外国にルーツを持つ少女は、日本も故郷もどちらも大切だということを母親にぶつける。 自治体の企画「街角の詩」。非正規公務員の青年は事務的に企画の担当をしているうちに自分の中に変化を感じる。この企画は絶対に成功させる!しかし企画は中止になった。青年は企画を引き取り、詩を世界にネット発信することにした。 ライブハウスで収録、コミュニティFMで収録、朗読会で収録、そして収録会を開催して収録。そして発信。 地球の裏側。内戦が続く街で、ネット越しに外国語で語られる詩を聴いた少女。内容は分からない。でもわかる。絶対に死んでたまるか! 胸をうたれました・・・。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
“詩”は人をつよくする――。 トラウマを抱え言葉をうまく発することができない青年・悠平が、急きょ舞台で詩を披露することになり……。(「テレパスくそくらえ」) 最愛の妻を亡くした元気象庁技官・公伸は、喪失の日々のなかで一編の詩に出会う。(「幻の月」) 学習支援教室の指導員・聡美と、ブラジル出身の少女・ジュリアの心を繋いだのは、初めて日本語で挑戦した詩だった。(「あしたになったら」) (アマゾンより引用)
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表現すること、言葉を語ることは何も特別なことではなく、生きていくことそのもの何だと感じました。 引き込まれて一気に読んでしまいました。 とても良い本でした。
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6つの短編 年齢もさまざまな人達 誰もが自分の置かれた環境に悩んでいる。 悩みもそれぞれ 自分な心を見つめて吐き出す。 まさに吐き出すと言う表現が相応しい。 詩は難しいと思っていた… 思いすぎていたかもしれないと思った。 われわれが生きていくのに 詩を叫ぶ以外の理由があるか...
6つの短編 年齢もさまざまな人達 誰もが自分の置かれた環境に悩んでいる。 悩みもそれぞれ 自分な心を見つめて吐き出す。 まさに吐き出すと言う表現が相応しい。 詩は難しいと思っていた… 思いすぎていたかもしれないと思った。 われわれが生きていくのに 詩を叫ぶ以外の理由があるかい? 「詩」に対する熱い思いが込められた そんな一冊でした♪
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図書館で「予約」していた 何冊かの一冊 随分前の予約だったので 「お手元」に来た時には この「生者のポエトリー」がどんな 本なのかは すっかり忘れていました。 そして 読み始めて、あっ そうそう (うろ覚えですが) 「詩が中心に据えられて、 人が人らしくなっていく物語集」 と...
図書館で「予約」していた 何冊かの一冊 随分前の予約だったので 「お手元」に来た時には この「生者のポエトリー」がどんな 本なのかは すっかり忘れていました。 そして 読み始めて、あっ そうそう (うろ覚えですが) 「詩が中心に据えられて、 人が人らしくなっていく物語集」 という感じの書評のことを思い出しました 確かに 見事に 「詩」が「人」と関わっていく短編集 でありました 「言葉」の「力」を 感じさせてくれる、 信じさせてくれる、 連作短編集の秀作ですね。
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カテゴリを「詩」としたが、間違ってはいない...と思う。 詩集は読んだことないし興味もない。だけど、この本を読むと詩も悪くないなぁと思える。一遍一遍は短編だけど、次の一遍に登場する人物と何かしらですれ違い、それを詩が回遊するがごとくつなげていく。本文に出てくる詩の意味は分からない...
カテゴリを「詩」としたが、間違ってはいない...と思う。 詩集は読んだことないし興味もない。だけど、この本を読むと詩も悪くないなぁと思える。一遍一遍は短編だけど、次の一遍に登場する人物と何かしらですれ違い、それを詩が回遊するがごとくつなげていく。本文に出てくる詩の意味は分からないし、それを深読みするスキルもない(つまりは興味はない)んだが、物語として自然で嫌味もなく素直にいいなと思えた。 興味はないと言いながら、自分も若かりし時、ノートに詩のような歌のような心の表現文を書いたことがある。詩はいいものなのかもしれない。そして朗読会なるものに一度は参加してみたいなという気持ちにさせてくれた。
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「テレパスくそくらえ」「夜更けのラテ欄」「最初から行き止まりだった」 「幻の月」「あしたになったら」「街角の詩」 詩をモチーフにした6話収録の連作短編集。 自分自身、言葉の力で幾度も救われて来たけれど、詩というものに対してどこかナルシシズム的なものを感じ苦手意識を持っている。 ...
「テレパスくそくらえ」「夜更けのラテ欄」「最初から行き止まりだった」 「幻の月」「あしたになったら」「街角の詩」 詩をモチーフにした6話収録の連作短編集。 自分自身、言葉の力で幾度も救われて来たけれど、詩というものに対してどこかナルシシズム的なものを感じ苦手意識を持っている。 隠していた恥部を曝け出し、公衆の面前に晒される様な感覚だ。 物語は同じ街で暮らす接点のない老若男女が自身の心の丈を言葉にし紡いでいく。 彼らが哀しみや怒りを真っ直ぐに言葉にし閉じていた心が解放されていく姿に安堵した。 言葉の力を信じたくなる一冊。
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詩を詠むという事を題材にした連作短編6話。短編だけど、どれもとてもじんわりと心に沁みる。それぞれの話の主人公たちが、日頃から胸に留めていた想いを詩に託して、何らかのキッカケで外に発信する瞬間が清々しくて良かった。老若男女、不器用だったり、愚かだったり、頑張り屋だったり、みんな普通...
詩を詠むという事を題材にした連作短編6話。短編だけど、どれもとてもじんわりと心に沁みる。それぞれの話の主人公たちが、日頃から胸に留めていた想いを詩に託して、何らかのキッカケで外に発信する瞬間が清々しくて良かった。老若男女、不器用だったり、愚かだったり、頑張り屋だったり、みんな普通の人たちで、その詩も上手かどうかは分からないけど、その姿にエールを送りたくなった。
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