ハックされる民主主義 の商品レビュー
本書は、デジタル空間を通じた選挙への干渉は、自由で開かれた民主主義国家の在り方に多大な影響を及ぼすおそれがあるとの問題意識の下、土屋大洋慶應大学教授を中心とする「選挙干渉研究会」における研究成果を踏まえて、広く問題提起を行うことを目的に編まれたものである。 選挙アクターの...
本書は、デジタル空間を通じた選挙への干渉は、自由で開かれた民主主義国家の在り方に多大な影響を及ぼすおそれがあるとの問題意識の下、土屋大洋慶應大学教授を中心とする「選挙干渉研究会」における研究成果を踏まえて、広く問題提起を行うことを目的に編まれたものである。 選挙アクターの意図が、①特定候補の当落・特定政策の誘導、②民主主義・選挙への不信を高めることにあること、2016年、2020年米国大統領選挙を始め、ヨーロッパやアジアの選挙でも干渉、介入が見られること、ソーシャルメディアを用いたディスインフーメーション等について、具体例とともに論じられる。 日本においても、憲法改正の国民投票が実施されるような重大な争点がある場合などを考えると、決して対岸の火事ではないとする。 そうした分析、検討を踏まえて、第8章では、「日本での選挙介入への備え」として、政府がとるべき対策、国会がとるべき対策、メディアとソーシャルメディアプラットフォーマー等がとるべき対策、有権者・国民がとるべき対策等、それぞれについて具体的な提言がなされている。
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