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いえ の商品レビュー

3.8

145件のお客様レビュー

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    26

  2. 4つ

    61

  3. 3つ

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2024/08/23

妹の事故から起きてしまっている家族のギクシャクがこれからどう展開していくのか、気になります。「5月花」の章を読書中。家族の幸せを考えるきっかけになりそう。

Posted byブクログ

2024/08/20

P101いや、前向きなのはいいのだ。それは認める。いつまでも過去を引きずるやつと話してると確かにうんざりする。気が滅入ってくる。 P117人が自分とはちがう相手と接するのは難しい。普通に接するのが一番。そんなことはわかってる。が、普通に接しようとする、というそのこと自体がもう普通...

P101いや、前向きなのはいいのだ。それは認める。いつまでも過去を引きずるやつと話してると確かにうんざりする。気が滅入ってくる。 P117人が自分とはちがう相手と接するのは難しい。普通に接するのが一番。そんなことはわかってる。が、普通に接しようとする、というそのこと自体がもう普通ではないのだ。それもまたわかってる。そんなふうに考えていくときりがない。自分はどう考えたらいいのか。何は考えるべきで何は考えなくていいのか。それすらわからなくなる。 P118「広い意味での圧迫面接だったんだろうね。わざと意地悪な質問をしてみるっていう。でもうまいやり方ではあるよ。その二週間、わたしが自分自身を何も更新してないことがわかったわけだから」 P121「最近ではあるよ。直近ではないだけで」 「それは通らないよ。うそはダメ。いい悪いの問題じゃなくて、あとあと自分が縛られるから。うそにまたうそを重ねて、みたいになっちゃう」 P155「確かに、タダで本を借りられるのはいいよね。わたしもあれから何度か借りてるよ。常に更新更新、と思って」 P207「塾とか予備校とか。行ってもどうせ授業は聞かないです。普段からそうだし。だから学校も、ほんとは行かなくていいと思ってますよ。別に学校自体に意味がないとかいうことではなくて。勉強って、自分でやらないとダメじゃないですか。読書みたいに自分で言葉を拾いにいくというか。授業を聞いただけで全部頭に入るなんてことは、ないですよね?」 P211楽しくないこともあるからこそ、楽しくやる努力をするべきなのだろう。仕事は楽しむためにやるものではない。それはそう。でも楽しくやれるなら、それに越したことはない。 P259お客様が相手だから詫びただけ。こちらは大して悪くないようなので、あくまでも形としてやんわり詫びただけ。むしろカッコ悪い。 大人になると、こんなことがたまにある。カッコ悪い行動をしてるのがカッコよく見える、なんてことが。それをカッコいいと言われることがまたカッコ悪い。でもカッコいいとか悪いとか、そういうものはもういい。結果オーライ。とにかくよかった。 P267役者か、と思う。それこそ、やってみなければ始まらない。やってみて初めて、自分に能力があるかわかるのだろう。それは逆につらい。でも考えてみれば、何だってそうだ。例えば消防士だって。例えばスーパーの店員だって。 P291事故から一年で就活に臨み、乗りきった。志望してたIT会社から内定を得た。それだけで充分気合いは入ってると思うが。若緒は超えてきた。そこで立ち止まらず、さらにその先へ行った。妹ながら、すごい。 P297おれが許すも許さないもないのだ。そのことがやっとわかった。一年八ヶ月をかけて。 今自分で言ったとおり。おれはいやなやつだ。人の好き嫌いも、たぶん多い。それはもう認めるしかない。この先もそんなには変わらないだろう。ただ、嫌いな人がいやな目に遭えばいいとは思わない。幸い、そう思うようにはできていない。それだけが救いだ。 安いテレビドラマなんかで、人は変われますよ、とよく言ったりする。おれは変えられないと思う。変えられる部分もあるというだけ。そこを端折って人は変われると言っちゃうのはダメだろう。 人間、ものの感じ方は変えられない。これはちょっといやだな、と感じてしまうのはしかたない。でも感じたあとの行動を変えることはできる。こうは動くまいと努めることはできる。その意味でのみ、人は変われる。ただし、とても難しい。それは、生きてるあいだずっと自分を律しつづけるということだから。 P299道はどちらへも延びてる。左は上流側へ。右は下流側へ。 そのどちらへ行くのが前向きなことなのか。 考えてもいないのに、結論が出る。行く方向ではない。行くときの気持ちだ。 P302歩けるだけいい。そんなこと、自分が足を引きずるようになってから言え。 何ヶ月か前にそう思ったことを思いだす。 今のおれはこう思う。 歩けるだけいい。本人がそう言えるのなら、それでいい。

Posted byブクログ

2024/07/25

「タクジョ」が良かったので手にとってみたけど…。 なんでもない日常を切り取って1冊の本にしあげるのは、すごいと思うけど、なんだかのめりこめなかった。時間が経たないとわからないこともある、全ては気の持ちよう!そんな思いで読み進めていたら、違う読後感となったかな。

Posted byブクログ

2024/08/11

「ひと」「まち」に続く物語。家族や友人関係、仕事、そこで生まれるやりきれない想いの行き先を探す物語。懐かしい人物の再登場もあったり、「ホケツ!」の本も出てきたり、続けて読んでいると分かることも多く楽しく読めた。 特に大きな山場があるわけではないけれど、生きていく上で生まれる悩みや...

「ひと」「まち」に続く物語。家族や友人関係、仕事、そこで生まれるやりきれない想いの行き先を探す物語。懐かしい人物の再登場もあったり、「ホケツ!」の本も出てきたり、続けて読んでいると分かることも多く楽しく読めた。 特に大きな山場があるわけではないけれど、生きていく上で生まれる悩みや妬みなど、共感できる内容が多く、すらすら読めた。最後には主人公も色々と抱えていた人間関係のあれこれを、一歩踏み出して精算していく姿も心地よかった。

Posted byブクログ

2024/07/08

ひともまちももっと面白かった。この主人公には寄り添えない。 こっちが歳を重ねたせいか? 妹の自己から家族をみるっていうことに普遍性がないように思った。 好きな作家だが少し残念。

Posted byブクログ

2024/07/02

人間らしさが要所要所に散りばめられている1冊。 それぞれの登場人物の関係性に変化があるのが嬉しいね。

Posted byブクログ

2024/06/09

ひと、まち、と来てのこの本。 一番考えさせられた。 妹が、自分の十年来の友達とクルマに乗っていて、事故に遭う。 そして、少し後を引く後遺症が残る。 冒頭から、自分の身に置き換えた。 自分の家族がそうだったら、どう思うだろう。どう行動するかな、と。 主人公が勤務しているスーパー...

ひと、まち、と来てのこの本。 一番考えさせられた。 妹が、自分の十年来の友達とクルマに乗っていて、事故に遭う。 そして、少し後を引く後遺症が残る。 冒頭から、自分の身に置き換えた。 自分の家族がそうだったら、どう思うだろう。どう行動するかな、と。 主人公が勤務しているスーパーでのパートさん達との関係も。 どこにでもありそうだけど、一番身近で悩むことが多そうだし。 解決の仕方は、あぁ良い方に転んだな、と喜べた。 事故が起きてから、連絡が途絶えていた友達との再会も。

Posted byブクログ

2024/06/04

バイトが結託して新人社員をシカトかよ。 いい大人が何やってんだよ。 もらい事故で障害が残って家庭崩壊かよ。 救いがないよ。いい加減にしてくれよ。 で終わる訳がなかった小野寺ワールド。 なかった事には出来ない現実を受け入れるには、 家族であっても個人差がある。 時間もやり方も。...

バイトが結託して新人社員をシカトかよ。 いい大人が何やってんだよ。 もらい事故で障害が残って家庭崩壊かよ。 救いがないよ。いい加減にしてくれよ。 で終わる訳がなかった小野寺ワールド。 なかった事には出来ない現実を受け入れるには、 家族であっても個人差がある。 時間もやり方も。 あんな事さえ起こらなかったら、というタラレバを繰り返しても仕方ないって理屈では分かっていても納得出来ない時には、家族に八つ当たりしてしまう事もあるだろうし、でも、先に現実を受け入れた家族だって、八つ当たりされて楽しいはずもなく、空気が悪くなる、ギクシャクする。 私なら逃げてしまうかもしれない状況を、こんな納得いく形で収めてくれるとは思ってなかった。事故はなかった事にはできないし、障害が消えた訳でもないのに、家族それぞれが現実を受け入れたラストに、大団円、という言葉を思い浮かべました。 田野倉のコロッケや、江藤くん、郡くん、懐かしい面々が出て来て、みつばの町のお話を読んでた時の様な感覚。片見里にも連なる様な懐かしさ。

Posted byブクログ

2024/06/07

「ひと」「まち」に続く下町荒川青春譚の第3弾。 町が、登場人物が重なっていてなんだか読んでいて嬉しかった。 「いえ」は、やりきれない想いを抱えた人たちの物語。 人それぞれ想いは違い、人それぞれに解決方法も違う。 だから、自分の想いを誰かに押し付けるのは違う。 時間はかかってもや...

「ひと」「まち」に続く下町荒川青春譚の第3弾。 町が、登場人物が重なっていてなんだか読んでいて嬉しかった。 「いえ」は、やりきれない想いを抱えた人たちの物語。 人それぞれ想いは違い、人それぞれに解決方法も違う。 だから、自分の想いを誰かに押し付けるのは違う。 時間はかかってもやりきれない想いを消化し、再生していけるんだ。 人間ってやっぱり素晴らしい。

Posted byブクログ

2024/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『ひと』が面白かったので手に取った1冊。 途中までクサクサしてて、家族も仕事も、彼女とも、うまくいかなくなってしまうのではないかと、嫌な予感を常に抱いていたが、後半はそれらをスッキリ回収していき、気分良く終われた。 主人公は、決して「できる人」ではないのかもしれないけど、素直に自分と向き合ことのできる人。そして妹と彼女は彼よりもちょっと強い人。 『まち』も読んでみたい。あと作中に出てきた『ホケツ!』も。

Posted byブクログ