早朝始発の殺風景 の商品レビュー
表紙のほのぼのとした雰囲気に誘われて手にした一冊。 早朝の始発電車に居合わせた同級生のお話を皮切りに、短編集か続く。全体として、話に無駄がないという印象を持ちました。最終的に、伏線が回収されていく様は読んていて気持ちが良いなと感じました。 また登場人物たちの最終的な動機や行動も、...
表紙のほのぼのとした雰囲気に誘われて手にした一冊。 早朝の始発電車に居合わせた同級生のお話を皮切りに、短編集か続く。全体として、話に無駄がないという印象を持ちました。最終的に、伏線が回収されていく様は読んていて気持ちが良いなと感じました。 また登場人物たちの最終的な動機や行動も、想定内のものから想定外のものまで。 最初の始発電車の話も好きでしたが、三月四日午後ニ時半の密室の謎がかわいい理由で、スッキリと読むことができました。
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普段はミステリー系難しいイメージあってあんまり読まないけど、これは短編で話もわかりやすく、伏線が回収されていく度に「ああ、そういうことか!」と楽しく読めました。 エピローグでそれぞれの登場人物が交わり、主人公たちのその後もわかって面白かった!
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5つの短編が収録された青春ミステリ―。青春小説としてもミステリー小説としても巧みで、伏線の散らし方と回収の鮮やかさも見事な作品でした。特に表題作は素晴らしかったです。大好きな短編集でした。
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なんとなく表紙買いした本作でしたが、題材がほっこりしつつもミステリーとして成立しており、終始楽しみながら読むことが出来ました。 本作を見ると、世の中はミステリーに満ち溢れているのだなぁとしみじみ思いました。
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青崎有吾さんといえばガチガチの本格ミステリのイメージが強かったけど、そのイメージが少し変わりました。日常の謎&青春小説のこの短編集は、高校生だからこその心情や距離感、日常が巧く織り込まれた佳作ぞろいの作品集です。 高校生ならではの謎が設定がまず良かった。なぜか始発電車に乗ってい...
青崎有吾さんといえばガチガチの本格ミステリのイメージが強かったけど、そのイメージが少し変わりました。日常の謎&青春小説のこの短編集は、高校生だからこその心情や距離感、日常が巧く織り込まれた佳作ぞろいの作品集です。 高校生ならではの謎が設定がまず良かった。なぜか始発電車に乗っていたクラスメートの目的を推理する表題作『早朝始発の殺風景』や、仲良しの女子がなぜか文化祭のクラスTシャツのデザインには頑なに反対する「メロンソーダ・ファクトリー」など、高校生のどこかにありそうな日常と、ミステリのかけ合わせがとにかく見事! 「早朝始発の殺風景」のラスト一行で思わぬ伏線が明らかになるところも、ミステリ作家のにくさを感じます。 この年代ならではの甘酸っぱさやほろ苦さも感じられる短編も多くて、そこも良かった。特に「三月四日、午後二時半の密室」なんかはそれの最たるものという感じがします。 卒業式の日、熱を出し休んでしまった特に仲の良くないクラスメートに、卒業証書を渡しに行く話なのですが、距離感や気まずさにまず強く共感し、 その距離感、気まずさが鮮やかに反転すると、卒業というシチュエーションも手伝って、一気にエモさが爆発する。解説でもこの短編について面白いエピソードが載っているのだけど、それも納得の作品の雰囲気。 本格ミステリ作家らしい緻密な構成と、青春要素が巧くミックスされた、とても感じのいい短編集でした。
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5つの短編とエピローグからなる物語。大きな事件ではなく登場人物も少なく会話劇のような展開。何気ない状況のなかに感じる違和感とか相手との関係性からくる気まずさとその気まずさが一瞬晴れる嬉しさとかそういうものと、数々の伏線と違和感の正体とが上手く繋がっていく。ミステリーの鮮やかさと青...
5つの短編とエピローグからなる物語。大きな事件ではなく登場人物も少なく会話劇のような展開。何気ない状況のなかに感じる違和感とか相手との関係性からくる気まずさとその気まずさが一瞬晴れる嬉しさとかそういうものと、数々の伏線と違和感の正体とが上手く繋がっていく。ミステリーの鮮やかさと青春小説の空気が合わさった読み応えのある作品。
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【購入きっかけ】 連作短編かつ青春ミステリが読みたいとおもい購入。 【感想】 非常によかった。 人が死ぬミステリではなく日常系のミステリで、ほっこりとした気分で読むことができた。論理展開もそこそこ納得できたし、なによりミステリよりも青春要素(恋、友情、兄妹愛)がよかった。 とあ...
【購入きっかけ】 連作短編かつ青春ミステリが読みたいとおもい購入。 【感想】 非常によかった。 人が死ぬミステリではなく日常系のミステリで、ほっこりとした気分で読むことができた。論理展開もそこそこ納得できたし、なによりミステリよりも青春要素(恋、友情、兄妹愛)がよかった。 とある地域に住む高校生たちの物語。時系列的には最初の物語からちょっとずつ時間がすすんでいるっていう設定なのかな。最後のエピローグで各話の主人公たちがこっそりと登場していて、さらに彼ら彼女らの「その後」を想像すると微笑ましい気持ちになった。こういう気持ちにさせてくれる連作短編は「いい作品」だと自分はおもっている。 一番よかったのは表題作の「早朝始発の殺風景」。 クラスメイトの女子、殺風景さんのキャラクターが魅力的だったし、主人公と殺風景さん、お互いのかかえる「秘密」を始発電車の中でそれぞれ推理していくという勝負形式がおもしろかった。 あと目的地の駅に近づくにつれて二人の距離がすこしずつ縮まっているのも微笑ましい。 【どういった人におすすめできるか】 ミステリが読みたいけど人がばんばん死ぬのは苦手という人にはおすすめ。
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表題作は始発電車に乗り合わせた加藤木くんと殺風景さんがお互いの目的を探り合う会話劇。 このミステリを支えているものはなんだろうって考えて、ロジックでも意外性でもなくて “よくは知らない”仲という距離感由来の煮え切らなさ、歯痒さが晴れたときの爽快感かなーと思った。 そう考えると自...
表題作は始発電車に乗り合わせた加藤木くんと殺風景さんがお互いの目的を探り合う会話劇。 このミステリを支えているものはなんだろうって考えて、ロジックでも意外性でもなくて “よくは知らない”仲という距離感由来の煮え切らなさ、歯痒さが晴れたときの爽快感かなーと思った。 そう考えると自分の平凡な歴史にもミステリの種はたくさんあったのかも。拾えてなかっただけで。 知らないことには、ひとたびその存在を認識した途端に吸い寄せられるような引力がある。
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青崎有吾『早朝始発の殺風景』読了。 いろんな意味で"信頼できる"青崎先生だけれども、「三月四日、午後二時半の密室」は青崎作品でいちばん好きかも。 例によって丁寧に張り巡らされた伏線で謎解き自体は容易だけれども、そこから開かれる"密室"という...
青崎有吾『早朝始発の殺風景』読了。 いろんな意味で"信頼できる"青崎先生だけれども、「三月四日、午後二時半の密室」は青崎作品でいちばん好きかも。 例によって丁寧に張り巡らされた伏線で謎解き自体は容易だけれども、そこから開かれる"密室"というドラマの妙よ!こういう不器用なクール系のエモい話をもっと読ませてくれ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『早朝始発の殺風景』 いつもは乗車することのない始発電車。眠気を抑えて加藤木はいつもと違う場所から乗車する。そこにはあまり接触したことのないクラスの女子・殺風景が乗車していた。 学校が開門する時刻は7時半。学校までの時間はあまりにも早すぎる。 互いにその理由を探りあうのだが~。 『メロンソーダー・ファクトリー』 学園祭に着るクラスのTシャツを決めるためにファミレスに来た三人の女子高生。 いつもメロンソーダを頼む詩子に、彼女とは小学生からの付き合いの真田。そして、初めて同じクラスになったノギの三人組。 その三人でクラTを決めるために集まったのだが、案は二つ。一つはクラスの人気者の石川が出したもの。もう一つは中学の時に美術部だった真田が出した案。 昔から仲が良かった詩子は真田の案に賛成してくれると思ったのだが、彼女が選んだのは石川が出したものだった。それは何故なのか。 『夢の国には観覧車がない』 フォークソング部の引退日。男同士で観覧車に乗ることになった先輩と後輩。 後輩には何か企みがあるようで。 『捨て猫と兄妹喧嘩』 捨て猫を拾ってしまった妹。彼女は猫アレルギーのため猫を飼うことができない。だが、そのまま放置することもできずに、両親が離婚して、父親に引き取られた兄に預かってもらえないかと相談するのだが。 兄は引き取ることはできないと喧嘩となってしまう。彼が猫を飼えないわけは? そして、拾った猫はどうなるのか? 『三月四日、午後二時半の密室』 卒業式の日、休んだクラスメイトの家に卒業証書とアルバムを届けることになった草間。 相手はクラスで孤高の人物で、悪く言えば空気の読めない人物だった。 頼まれた荷物がポストに入らなかったために、自宅へと招き入れられた草間だったのだが……。 以上5編の短編にエピローグが付きます。 読んでいて、どこに謎があると思うような話ばかりで、その謎がまた秀逸で、面白かったです。 とくに最後の『三月四日、午後二時半の密室』はただ休んだクラスメイトの家に卒業証書とアルバムを届けるだけで、謎となるのが素晴らしい あー、こんなことあったとか思ったり、あの時代にしかないものがあり、読んでいて思い浮かぶ黒歴史(◎_◎;)
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