ブラックボックス の商品レビュー
怒りやそれに依る衝動を濃密に描いた作品は珍しいけれど、終始なんの感情も揺らがない。共感もできずにただただ文字を追い掛けただけで終わってしまった。主人公の人格が起と結でまったく違う印象を受ける。しっかりとプロットを決めて創作したのだろうか。 あと個人的に作者の読点の使い方が気に入ら...
怒りやそれに依る衝動を濃密に描いた作品は珍しいけれど、終始なんの感情も揺らがない。共感もできずにただただ文字を追い掛けただけで終わってしまった。主人公の人格が起と結でまったく違う印象を受ける。しっかりとプロットを決めて創作したのだろうか。 あと個人的に作者の読点の使い方が気に入らず、そこばかり気になってしまう始末。 芥川賞……中々残念。
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自由な生活と制限のある生活について書いてあると、感じました。 自由な生活とは、気が楽で、好きなことが出来て、生きがいを感じられます。 一方、制限のある生活とは、気が重く、生きがいを見失います。 では、自由な生活ばかりが良いのかと問われると、必ずしもそうとは言い切れません。 自由な生活は、先が見通せないため、不安定です。 一方、制限のある生活は、決まったことをするので先が見通せて、安定しています。 この本は、主人公の自由な生活と制限のある生活について、それぞれ描かれています。 しかし、どの生き方がいいかは書かれていないので、私の考えをここに書きます。 まず、自由に好きなことをして特技を見つけます。次に、それを活かした仕事に就き(制限のある生活に移行して)、生活に必要なお金と適度な労働時間で生活の基盤を作ります。 そして、余暇と余分なお金を使って、新たに特技を見つけます。その特技が仕事の選択肢を拡げさせ、制限のある生活を柔軟にさせるという考えです。 このように自由な生活と制限のある生活のバランスが重要だと考えています。
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結構過激な内容で芥川賞受賞作ってこういう作品もあるんだ、と驚いた。 暴力を認める内容ではないけど、そういう人は現実にも多くいて捕まってしまう。 この内容の狙いではないけど、服役してる全ての人が完全に極悪のような人間性ではないのかもと感じた。
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怒りの衝動を抑えられない主人公には全く共感できないが、昨今の事件の加害者たちはこんな感情や気性を備えているのかもしれないなぁと思いながら読んだ。理解はできないけど、知ることはできる。そういう意味では、読んでよかったと思える作品。
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30歳目前の非正規雇用のメッセンジャーが主役。職を転々とする時期にコンビニで知り合った彼女と格安のボロ家で同棲をしている。 サクマは家でも学校でも居場所がないと思って生きてきた。突然暴発する感情をコントロール出来ずに暴力事件を起こしてしまう事で、環境を変えざるを得ない、もしくは決められてしまう人生だ。 彼女の妊娠を機に変わっていけるのかと思っていた矢先に税務官と警察官に対し暴行事件を起こし逮捕、収監される。短絡的に他人と衝突し仕事場を失い、挙げ句の果ての刑務所暮らし。 こんな人生は嫌だなぁこの思考回路も信じられない、、と全く感情移入出来ない。 しかしこういう人もいるというのは理解できるからこそ、光明を見出したいので読み進める。 現実に目を背けていたサクマが彼女からの手紙に目を移すラストシーンにほっとする。 底まで堕ちてしまった者がいかにして這い上がるのか、刑期を終えて社会に出た時に色んな壁にぶち当たるだろうが差し伸べられる優しい手があることを願う。
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芥川賞受賞作品と云うことで読んだが、やはり私に芥川賞は合わないんなあ… 芥川龍之介自体は嫌いじゃないんだけど。作品の内容だが、主人公のような人間が現代社会に溢れていそうで怖い。嫌な話
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ロードバイクの描写に惹かれて購入。当然ながらそれは前段であり、そのあとは鬱屈した暴力志向の青年の話だった。おかれている立場や社会への言葉にならない反発は誰にでもあるものだと思うし、理由はわからないが実家から1日も早く出たく両親とは距離感がある主人公の思いはほとんど同じ感情を持って...
ロードバイクの描写に惹かれて購入。当然ながらそれは前段であり、そのあとは鬱屈した暴力志向の青年の話だった。おかれている立場や社会への言葉にならない反発は誰にでもあるものだと思うし、理由はわからないが実家から1日も早く出たく両親とは距離感がある主人公の思いはほとんど同じ感情を持っていて実際にそのように生きてきた私からすると十分納得することができたのに、突如として現れる暴力性にはまったく共感できなかった。ある種、病的な反応であり、診察を勧めたくなるような危険性が感じられたからだ。そういう意味ではサクマにとって刑務所の生活が精神的な治療だったのかもしれない。ロードバイクの描写はもう少し欲しかったと思うが。
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自分をコントロール出来ない主人公。この先どうなるのだろう。先が見えないブラックボックスなのか、大切なものを守るブラックボックスなのか?
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芥川賞受賞時のインタビューで「みんなに好かれる物語じゃないだろうけど、自分の中にある怒りを表現した」みたいなことを砂川さんが仰ってて気になってた本。 「怒り」って普段気弱だけど、心の底に持ってる衝動とかそういう切り口かと思ったら、ガチ暴力でビックリした笑 最後の"変...
芥川賞受賞時のインタビューで「みんなに好かれる物語じゃないだろうけど、自分の中にある怒りを表現した」みたいなことを砂川さんが仰ってて気になってた本。 「怒り」って普段気弱だけど、心の底に持ってる衝動とかそういう切り口かと思ったら、ガチ暴力でビックリした笑 最後の"変わることは認めること"っていう結論がよかった。「ちゃんとしなきゃ」「どこか遠くに」と変わりたいと願っても、今の自分を否定して何者かになるんじゃなくて、今の自分を認めてはじめて変われるんだな、と。 あと兄がサクマみたいに急にブチ切れちゃうタイプなんだけど、あ〜もしかしたらこんな感じなのかもな、と思った。
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☆殴りそうな気分/本を読んで刑務所収監後一段落し考える時間があるときの心理を想像 初出「群像」2021年8月号 サクマ 自転車便・メッセンジャー コロナ 非正規雇用(委託された個人事業主) P58 タイムラインを一通り眺めた後、Yahoo!ニュースの見出しを目で追った。運送業...
☆殴りそうな気分/本を読んで刑務所収監後一段落し考える時間があるときの心理を想像 初出「群像」2021年8月号 サクマ 自転車便・メッセンジャー コロナ 非正規雇用(委託された個人事業主) P58 タイムラインを一通り眺めた後、Yahoo!ニュースの見出しを目で追った。運送業の男が解雇されたのを恨み、包丁で元同僚を刺し殺したというニュースがあった。☆コロナ後の実話か?自分が良いニュースになり、小説中に登場するのは面白い!P72緊急事態宣言後で人手が戻った時期 圧迫感のあった家を出るため就職→自衛隊→トラブル、転職→不動産屋の営業… 同棲相手 自分は部屋でゲーム… P82 一日が終わった。部屋にはサクマを含めて六人の男がいる。☆シーンの急変化 P103 …尊大な態度を配達員に示す巨大資本のビルの警備員、コンビニ店員を怒鳴り散らす勤め人、食べ物を運ぶ自転車便をこき下ろすバイシクルメッセンジャー。得意先からなじられた時の彼らの変わり身の早さには舌を巻く。罵詈雑言を吐き出していた口からはおべんちゃらが飛び出し、一転平身低頭する姿はとても同じ人間とは思えない。この憎悪感を捨てろ、と自分の一部は常々命じる。四面の仏像みたいに変わる表情を手に入れろ、とも。でもこういう手合いに上手に加わったことは一度もない。これを誉れとするのか欠陥とするのか、未だによく分からない。ただ一つ言えることは、加わらないことで職場の人間関係が円滑になったことは一度もないということだ。この時もそうだった。わざとじゃない。 税務署職員 …見間違いだろうか。刹那のうちに寺門氏、答えはすぐに出た。ああ見間違いだ、絶対にそうだ、と。大体笑ったにしてもなんで笑ったかは分からないし、おれを笑ったのか円佳を見て笑ったのか、はたまた彼自身にあったなにがしかを不意に思い出して笑ったのかもしれず、そんなことは結局訊いてみないことにははじまらない。でももしかしたら、本当におれと円佳の境遇を見て笑ったのかもしれない。 やめろよ、ろくなことにならないぞ、とようやく戻り始めた自分が自分に言い聞かせる。 …ああもうだめだ。サクマは思った。捕まったことに対してではなく、視線とは別に、頭の中の見通しが霞がかかったみたいに悪くなって、自分の声が自分に届かないことに対してだった。 P136 コンビニバイト時代 客 …すれ違いざまに舌打ちをするようなやつと同じで、自分に何かが降りかかるとはまず考えていない。男がいつまでもねちねち言っているのがサクマの癪に障った。 P159 自分はずっと遠くに行きたかった。今もそのように思っている。ここで感じる不快感と安心感は両立している。この先どうなるかということ―つまりは刑期が満了したら外に出られるということ―がここでは担保されており、その保証が安心と不快を伴っていたのだ。
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