ブラックボックス の商品レビュー
芥川賞受賞作のこれを読んでみました。自転車のメッセンジャーのお話。途中、章が変わるでもなくシレッと衝撃展開を迎えて、エッ?なんかページ読み飛ばした?と慌てるほどの展開があったけど、それもまた秀逸。会話メインの本ではなく、主人公の心理描写とか、情景描写とかで文章がつむがれていて、芥...
芥川賞受賞作のこれを読んでみました。自転車のメッセンジャーのお話。途中、章が変わるでもなくシレッと衝撃展開を迎えて、エッ?なんかページ読み飛ばした?と慌てるほどの展開があったけど、それもまた秀逸。会話メインの本ではなく、主人公の心理描写とか、情景描写とかで文章がつむがれていて、芥川賞感を感じた(語彙力)。
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芥川賞受賞作とは知らずに読みました。 主人公サクマが抱えるザラザラとしたイラつきが終始まとわりつき こちらまで鬱鬱としてきます。 こういう常にイライラして いつスイッチ入るか分からないひと居るよなぁ。こわすぎる。
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なかなか没入するには難しかった^^; 何となくメッセンジャーを続けているが、やりたいわけでも、辞めたいわけでもない…。 たまたま、この仕事が続いてるだけなのかもしれない。昔から自分の中の怒りを抑えられず、沸点を超えると見境なく、暴発してしまう。 この失敗?を繰り返すだけの人...
なかなか没入するには難しかった^^; 何となくメッセンジャーを続けているが、やりたいわけでも、辞めたいわけでもない…。 たまたま、この仕事が続いてるだけなのかもしれない。昔から自分の中の怒りを抑えられず、沸点を超えると見境なく、暴発してしまう。 この失敗?を繰り返すだけの人生に、、、 どこか遠くにいきたいと思い続け、だが、追い求めるものが何かも分からず、ただただ、どこかにいきたいだけなんだ…
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「日常がただ連綿と続き、そこに自分がいるのが苦しい」 という文章に激しい共感を得た。 その問題に対する解決策として 日々に変化を感じ、良い変化を求めることが 必要なのでは無いかと思った。 今、自分が必要な本に出会えて良かった。 歎異抄は難しそうだが、今度チャレンジしようと思う。
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自転車メッセンジャーとして働くサクマ。 おそらくADHDと思われる。そんな彼が見る世界。 この世はブラックボックスで満ちている。自分自身の事ですらクリアに見ることはできない。認知の限界や不安定な世の中で先行き不透明な今後の人生。もやもやとした暗さの一方で、今この場所、少しの変化...
自転車メッセンジャーとして働くサクマ。 おそらくADHDと思われる。そんな彼が見る世界。 この世はブラックボックスで満ちている。自分自身の事ですらクリアに見ることはできない。認知の限界や不安定な世の中で先行き不透明な今後の人生。もやもやとした暗さの一方で、今この場所、少しの変化に目を向ける事への気づきなど人生の本質を描こうとしているように思いました。 めちゃくちゃ面白かった。時事問題も扱っている点でもっと早く読めばよかった。
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ちゃんとしなきゃな、ってずっと思ってる癖に、変化が怖くて動けず、理由を見つけて能書き垂れてる自分とサクマを重ねる。もうこの年だからって止めてしまうけど、10年後の自分から見ると若いんだよね。何が幸せか正解か誰にもわからない。自分と向き合って、不安を抱えながらも勇気を持って心のブラックボックスを開ける。そして飛び込んだ世界も未来がわからないブラックボックス。でもちょっとした事で、自分の心次第で周りも変わる。変わったことを認める。(☜向井さん)そんな風に私は受け取った。刺さりました。
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一瞬一瞬の細かな描写が面白い。特に冒頭はごく僅かな時間の出来事を鮮明に表現していて、止まった時間の中にいるようだった。なのに疾走感がある。 メッセンジャーとして働く主人公。初めはごく普通の男性に思えたが、だんだんとその裏にあるものが垣間見えてくる。それが良くないことと認知してい...
一瞬一瞬の細かな描写が面白い。特に冒頭はごく僅かな時間の出来事を鮮明に表現していて、止まった時間の中にいるようだった。なのに疾走感がある。 メッセンジャーとして働く主人公。初めはごく普通の男性に思えたが、だんだんとその裏にあるものが垣間見えてくる。それが良くないことと認知しているが制御が効かない。 主人公のたくさんの苦悩、そして僅かな成長を見届けた。
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僕らには風景となってしまっている日常も、当事者からすると見える景色が異なる。コロナによって生まれた風景でさえも、見慣れてしまっている。
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役所にいくと、よくぞこんなに沢山の説明員がと思う時がある。一方で確定申告、補助金申請関連書類は、これでもかという程、分かりにくくされているから、その説明員に救われる時がある。全ての人を対象にするから、自分とは関係ない属性の聞き慣れない専門用語が一緒に記載され、それが多義的だから尚...
役所にいくと、よくぞこんなに沢山の説明員がと思う時がある。一方で確定申告、補助金申請関連書類は、これでもかという程、分かりにくくされているから、その説明員に救われる時がある。全ての人を対象にするから、自分とは関係ない属性の聞き慣れない専門用語が一緒に記載され、それが多義的だから尚更分からなくなる事もあり、確認をする。理解や対人、経験が乏しい人には難しい社会だ、という気がしていた。 刑務所は制度だと、それを希求していたと制度に従えない人間が呟く。制度が分からなくても、それを単純化し、何時におきて、何をしなさい、何をしてはならないと、刑務官が役所の説明員以上に、まるで制度の介護士のように寄り添う世界だ。塀なき刑期。生き難い層は、一定数存在する。
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