1,800円以上の注文で送料無料

鑑定人 氏家京太郎 の商品レビュー

3.7

88件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/03/31

中山先生が描く仕事人のひとり、氏家京太郎。感情に流されず、ただ実直に自分の任された仕事を全うする。それ故に人間関係、組織では軋轢を生む。 そういう人を描くのが本当に得意だなと思う。 今作も他の本で主人公になっている人がたくさん登場するけど、みな同じタイプだから呼応するのは自然な...

中山先生が描く仕事人のひとり、氏家京太郎。感情に流されず、ただ実直に自分の任された仕事を全うする。それ故に人間関係、組織では軋轢を生む。 そういう人を描くのが本当に得意だなと思う。 今作も他の本で主人公になっている人がたくさん登場するけど、みな同じタイプだから呼応するのは自然なこと。 でもその中でも氏家京太郎は真っ当なタイプよね。他のキャラが凄すぎるからか中山先生ファンとしては超普通に見えちゃう。また他作の脇での登場だけじゃなくメインとしてシリーズ化して欲しいな。

Posted byブクログ

2023/02/21

元警視庁科捜研出身で、民間の科学捜査鑑定所所長・氏家京太郎が主人公。 反権力も厭わず、正義に至極忠実であるがために、世間からははみ出し者扱いにされている主人公の多い中山七里作品だけれども、本作の主人公の氏家もその例に漏れず。とは言え、空気が読めないと言いながら、鑑定センターの部下...

元警視庁科捜研出身で、民間の科学捜査鑑定所所長・氏家京太郎が主人公。 反権力も厭わず、正義に至極忠実であるがために、世間からははみ出し者扱いにされている主人公の多い中山七里作品だけれども、本作の主人公の氏家もその例に漏れず。とは言え、空気が読めないと言いながら、鑑定センターの部下たちを上手くまとめているところからして、他のシリーズの変人たち(!)と比べれば至ってまともな感じ。部下たちを発奮させる場面とかは人間的にとても好感を持って読めた。光崎教授とかアマゾネスの高頭とか、中山七里作品でお馴染みの登場人物もオンパレード。はみ出し者の彼らを全員集めてワンチームにしたら、最強&最恐の捜査陣が出来上がるんじゃないかな(笑) 事件の方は、あくまでも鑑定証拠の捜査から進められていくので猟奇犯の背景とか深層心理とかはほとんど掘り下げられることはないし、事件の真相自体もさほど難しくもなく、予想通りではあったけれど、そこに辿り着くまでの捜査経緯はさすが鑑定人らしいもので、鑑定サスペンスとしてとても興味深く読めた。氏家鑑定センターは今までから御子柴弁護士シリーズなどでチラホラと登場していたけれど、また氏家を主人公にして続けてくれるといいな。

Posted byブクログ

2023/02/18

民間の科学捜査鑑定所の鑑定人にスポットを当てたミステリー。 主人公・氏家京太郎の元に女性三人を殺害した凶悪な連続殺人犯の鑑定依頼が舞い込む。 殺害後、腹部を切開し子宮を摘出、サイコパスとも思える犯人だが三件目の殺害は一貫して否認する。 真実を追い求め再鑑定する氏家の誠実なキャ...

民間の科学捜査鑑定所の鑑定人にスポットを当てたミステリー。 主人公・氏家京太郎の元に女性三人を殺害した凶悪な連続殺人犯の鑑定依頼が舞い込む。 殺害後、腹部を切開し子宮を摘出、サイコパスとも思える犯人だが三件目の殺害は一貫して否認する。 真実を追い求め再鑑定する氏家の誠実なキャラが魅力的だ。 脇を固める鑑定センタースタッフとの関係性も良い。 ミステリ部分の意外性はないものの、其々の姿が脳内映像で流れていた。 「ヒポクラテス」のキャシーや光崎教授、「逃亡刑事」のアマゾネス刑事こと高頭冴子が登場し、なんとも華やかな一冊だ。

Posted byブクログ

2023/02/02

ミステリーでありながら、主人公は刑事や検察官ではなく、ヤメ検の弁護士さんから鑑定依頼を受けた元科捜研の氏家所長。捜査する側だった経験があるとは言え、科学者らしく客観証拠のみを追って事件の解明を目指す。 最後は紙面の都合からか、「回収」を急いた感じがしたけど、これは没頭したこちらが...

ミステリーでありながら、主人公は刑事や検察官ではなく、ヤメ検の弁護士さんから鑑定依頼を受けた元科捜研の氏家所長。捜査する側だった経験があるとは言え、科学者らしく客観証拠のみを追って事件の解明を目指す。 最後は紙面の都合からか、「回収」を急いた感じがしたけど、これは没頭したこちらが急いたのか。 こんな視点も新しく、面白い!

Posted byブクログ

2023/01/31

3人の女子大生を殺害したとして逮捕された猟奇犯罪者が3人目だけは自分ではないと主張、氏家の元に弁護人からの依頼が 民間の鑑定人だからか様々な関係者の元に行くのでそれぞれの心の内も知れて良かった 今回の犯人は分かりやすかったです 面白かったのでシリーズ化してくれると嬉しいです

Posted byブクログ

2023/01/24

話に入り込む前の序盤から難しい裁判絡みの制度の話やDNA鑑定の専門知識などがガンガン来たので最初はめっちゃ読みづらかった。 でも半分いく頃にはいつもの中山さん作品ぽくなってきて(他の作品のキャラもたくさん出てくるので☺️)そこからは一気読みでした。 最後の裁判からは割とアツかった...

話に入り込む前の序盤から難しい裁判絡みの制度の話やDNA鑑定の専門知識などがガンガン来たので最初はめっちゃ読みづらかった。 でも半分いく頃にはいつもの中山さん作品ぽくなってきて(他の作品のキャラもたくさん出てくるので☺️)そこからは一気読みでした。 最後の裁判からは割とアツかったですね。正義とは何なのか?何のために真実を探すのか?それらを見失っているのは誰なのか。検察よりも科捜研よりも裁判官よりも猟奇殺人犯の言っていることが正しいかもしれないという皮肉が斬新。 最も論理的だけど最も倫理観が破綻している殺人犯・那智、悪くない。某悪徳弁護士みたいなキャラ。もしくは死刑に至る病(チェインドッグ)のサイコパスに近い。 ラストのどんでん返しは、久しぶりに直前に犯人がピンと来たから気持ちよかった…!!(過去に似た設定の映画をみたのを思い出した)分かる人は分かるのだろうねコレ。 氏家さん主人公で続編希望!

Posted byブクログ

2022/12/20

民間の科学捜査鑑定所の所長である氏家が、分析・鑑定の結果だけで事件に迫る、これまでにないタイプの作品。 絞殺後、子宮を摘出された猟奇殺人事件の犯人の弁護人から、再鑑定の依頼を受ける氏家。 3人の被害者のうち、2人の殺害を認めるも、3人目の殺害を否認する容疑者。 しかし、DNA鑑定...

民間の科学捜査鑑定所の所長である氏家が、分析・鑑定の結果だけで事件に迫る、これまでにないタイプの作品。 絞殺後、子宮を摘出された猟奇殺人事件の犯人の弁護人から、再鑑定の依頼を受ける氏家。 3人の被害者のうち、2人の殺害を認めるも、3人目の殺害を否認する容疑者。 しかし、DNA鑑定を行った科捜研は非協力的で、科捜研が提出した鑑定書に詳細は書かれていなかった。 証拠が乏しい中、地道に再鑑定を進める氏家たちに立ちはだかる様々な問題。 科捜研を辞めて、民間の鑑定センターを立ち上げた氏家に対する警察関係者は非協力的で、ともすればもっと対立しそうな感じなのに、どんなピンチでも飄々としている氏家がこれまでの中山作品にはいないタイプで好感が持てる。 他の方のレビューにもあったが、ある程度中山作品を読んでいると、真犯人は分かってしまい、今までのようなどんでん返しに強烈なインパクトはないが、様々な分析や鑑定を積み重ね、真実に迫っていく様子は読んでいて、迫力があった。 名前は出て来ないが、誰もが分かる「悪徳弁護士」や、ヒポクラテスの光崎教授、「逃亡刑事」の高頭など、他のシリーズの登場人物もちらほら顔を出し、ファンには堪らない。 中山作品の登場人物は他の作品を読んでなくても、違和感がないのがいい。 シリーズが増えてしまうのは大変かと思うが、他にも氏家を主人公とした作品が読みたい!

Posted byブクログ

2022/12/11

 若い女性が殺された後に子宮をごっそりと摘出されるという連続殺人事件が発生し、その容疑者として那智貴彦という男が逮捕された。しかし那智は最初の2件については犯行を認めたものの、最後の1件に関しては犯行を否認する。彼に指名されて弁護を担当することになった吉田士童弁護士は、逮捕の決め...

 若い女性が殺された後に子宮をごっそりと摘出されるという連続殺人事件が発生し、その容疑者として那智貴彦という男が逮捕された。しかし那智は最初の2件については犯行を認めたものの、最後の1件に関しては犯行を否認する。彼に指名されて弁護を担当することになった吉田士童弁護士は、逮捕の決め手となった現場に残留していた体液の鑑定について、警視庁科学捜査研究所出身で、退官後に自ら「氏家鑑定センター」を立ち上げた氏家京太郎に再鑑定を依頼する。  新しいシリーズということになるのか、鑑定にスポットを当てた話。ものすごく地味でありながら神経を使い、本当に針の先よりも小さな証拠を見つけ出して真犯人を見つけ出す、頭が下がる仕事っぷり。主人公が信頼を置いている人物として光崎先生、そしてアマゾネス高頭警部も登場。最後のどんでん返しは予想できてしまったけれど、他がおもしろかったので満足。

Posted byブクログ

2022/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東京、千葉で連続女性殺人事件が発生する。 いずれも残酷な方法で殺されており、世間からの注目も高い 容疑者として捕まった那智は2件の殺人は認めているが、三人目はやっていないと言う。 容疑を軽くしようと考えているわけではなく、自分のやったことではないにも関わらず罰せられるのが許せないという考えだった しかし、警視庁から提出されたDNA鑑定はいずれの事件でも那智をしめしていた 弁護を依頼された吉田は、元科捜研の氏家に鑑定を依頼する。 試料を手にいれる術は、昔の伝手、解剖医にお願いしてなんとか手にいれた試料、解析が完了したが、解析センターが荒らされ、盗まれた。 また、解析を担当した女性担当者が襲われ怪我をした。 センターを襲った犯人と、襲った犯人、ほぼ同一人物だと下足痕から判明した それは誰なのか?

Posted byブクログ

2022/11/27

御子柴シリーズでお馴染みの氏家所長にスポットが当たった今作。氏家の過去や信条が知れ、センターの職員も個性的で面白かったです。事件自体は後味の悪いものでしたが、これからの所長の活躍に益々期待です!

Posted byブクログ