一九六一 東京ハウス の商品レビュー
真梨幸子さんの本は、中毒性がある。 不気味なんだけど読むのをやめられず、新刊が出ればまた読んでしまう。 この作品も、人が抱いてしまうイジワルな気持ちを利用して、その裏をかくっいう、バラエティーじゃなく笑えないドッキリ番組のよう。 負の感情がポッとわき出る事は誰にでもあり、多く...
真梨幸子さんの本は、中毒性がある。 不気味なんだけど読むのをやめられず、新刊が出ればまた読んでしまう。 この作品も、人が抱いてしまうイジワルな気持ちを利用して、その裏をかくっいう、バラエティーじゃなく笑えないドッキリ番組のよう。 負の感情がポッとわき出る事は誰にでもあり、多くの人は理性でひた隠しにするような部分に、光を当て際立たせることが、とても上手な作家。
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※このレビューにはネタバレを含みます
真梨幸子さんらしい、いろんな事件が入り組んだ話だった。リアリティーショーで自殺が起きたことや役割を意識して人間が動くことや。あの心理実験にも触れられていて、ほんと人間とは恐ろしいものよ、と思う。かわいそうな小池一家も結局みんな母に殺されただなんて、真梨幸子らしいひどすぎる結果。こういうのを面白いというと人間性が疑われそうだけど、面白かった。フィクションとしてですよ。昭和の団地生活自体も興味深かったし。しかし、誰が悪くてこんなに殺人事件に繋がったのかと思うと何ともなー。最後の関連作品に「クロク、ヌレ!」と「インタビュー・イン・セル殺人鬼フジコの真実」がわざわざ挙げられてるのは何か繋がってるんだろうなぁ。読んだはずだけど、全然思い出せないわ。
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この本、真梨さんの作品の中ではかなり読みやすい方じゃないかな。 イヤミス度も低めだし、登場人物も他のに比べると少ない方。 真梨導入本?初心者向けです(o^^o)
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1961年当時の新興団地の生活を再現してリアリティーショウとして放送することを企画しそれを実現させていく物語だが、当時にその団地で発生した殺人事件とリンクして、企画者の岡島牧子の画策が次第に明らかになる過程が楽しめた.しかし、実際に61年当時の生活の実態が克明に描写されており、そ...
1961年当時の新興団地の生活を再現してリアリティーショウとして放送することを企画しそれを実現させていく物語だが、当時にその団地で発生した殺人事件とリンクして、企画者の岡島牧子の画策が次第に明らかになる過程が楽しめた.しかし、実際に61年当時の生活の実態が克明に描写されており、そちらの方が面白かった.ジルバルトの監獄実験やプルースト効果など特殊な用語も登場して、話を盛り上げていたと感じた.牧子は記憶の解凍実験を目論んでいたのだ.
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イヤミスとコメディが融合された作品。 2021年に放送予定の「Gテレビ開局60周年特別番組」に企画されたのは『60年前の団地生活を体験して500万円』と題されたリアリティショー。 この手の番組はヤラセが多いと見聞きするが、こちらも例外ではない。 賞金500万に釣られた二家族に...
イヤミスとコメディが融合された作品。 2021年に放送予定の「Gテレビ開局60周年特別番組」に企画されたのは『60年前の団地生活を体験して500万円』と題されたリアリティショー。 この手の番組はヤラセが多いと見聞きするが、こちらも例外ではない。 賞金500万に釣られた二家族に襲い掛かる苦難。 破滅へと向かう二家族にハラハラし同情する。 昭和の懐かしさに浸る間もなく終盤は怒涛の展開が待ち受ける。 殺人事件に復讐にと真梨節が炸裂。 何がホントで何が嘘? 騙し騙され二転三転する真犯人に翻弄されまくり。 してやられた感満載の読後。
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1961年当時の団地暮らしを体験してもらうリアリティショーに応募した2組の家族。そして収録が始まるが、不穏な空気が流れ…60年前に起きた連続殺人事件の舞台とだんだん状況がリンクしていく。 現在のコロナ禍設定で、その中にリアリティ番組のヤラセ問題や誹謗中傷事件、スタンフォード監獄...
1961年当時の団地暮らしを体験してもらうリアリティショーに応募した2組の家族。そして収録が始まるが、不穏な空気が流れ…60年前に起きた連続殺人事件の舞台とだんだん状況がリンクしていく。 現在のコロナ禍設定で、その中にリアリティ番組のヤラセ問題や誹謗中傷事件、スタンフォード監獄実験などなどを織り交ぜながら進むストーリー。 真梨さんの作品ならではのドロドロ具合がなんとも。 団地のステータスって60年でこんなにも違うんだね…
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やっぱリアリティショーって台本あるの?これが視聴率を取るためだとしたらとんでもない番組だ。昭和30年代を体験しようと集められた2つの家族。台本なんかないのに与えられた役割とカメラが家族をおかしくする。そして起こる事件。どれがリアルでどれがやらせ?とハラハラしながら一気読み。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
真梨幸子さんの小説は好きで何冊か読んでいます。「ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで」「更年期少女」「聖女か悪女」あたりが特に好みです。 こちらは現代にいながらも昭和の団地くらしをする家族のリアリティショーで起こる事件のお話。ふたつの家族が賞金500万円のために、それぞれ裕福な家庭と慎ましい家庭の役割を与えられ生活していく。途中まで面白くて読み進めましたが、結末あたりでダレてきた感があります。犯人以外の人を犯人ぽく見せようとしているのか、登場人物がたくさん出てくるので一人一人の人物像があまり掘り下げられず薄っぺらくなっているような…。ヤマダさんの奥さんのように他の人物の心の内ももっと見れたらよかったかも。あと、農薬飲ませたなら死亡解剖で即バレるだろとツッコミました。 昨年の作品ということで、コロナの存在する世界だったり、現実にあるリアリティショーで中傷され自死してしまった事件のことかと思われる話題があったりで、以前からある作品ばかり読んでいる私には少し新鮮でした。
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賞金500万で今から60年前の生活をさせ、それをTV放送する、そんな企画が始まった。場所は当時あこがれの的の公団住宅。500万につられたくさんの応募者から選ばれた2組の家族。ただの生活では面白くない、と家族には「良妻賢母」「亭主関白」などの性格付けが求められ、それを懸命にこなす家...
賞金500万で今から60年前の生活をさせ、それをTV放送する、そんな企画が始まった。場所は当時あこがれの的の公団住宅。500万につられたくさんの応募者から選ばれた2組の家族。ただの生活では面白くない、と家族には「良妻賢母」「亭主関白」などの性格付けが求められ、それを懸命にこなす家族たち。しかし生活はきしみ始め、ついに死者がでる。・・実は設定の昭和36年のそのモデルの団地でも同様な事件が起きていた。 わずか60年前ってこんなに今と違うの? 電気釜はあるが今の炊飯ジャーとは違いおこげができ初日はごはんも食べられない。最初のとまどいが事細かに描かれ、その描写がかなりいらいらした。なぜかな。妻役があまりに頼りなく描かれたせいか? しかし時間が経つにつれみごとにつましい生活をこなすようになるのだが・・ 物語の中心はその死者。それをめぐって筋は二重三重に入り込み、しかも犯人はあいつだ、という皆の推測も二重三重に入り組み、それが、今と60年前とで進む。最後の最後の犯人の独白で、うーんそうか、となる。 が、後味はよくない。一人の死は残された者たちのその後にも大きな変化をもたらしたのだ。60年前も今も。プラス実録番組で、番組の企画の意図と視聴者の声にだんだん歪んでゆく登場モデル、というのもちらっと批判的に描かれている。 「週刊新潮」連載:2020.10.8日号~2021.5.27号 2021.12.20発行 図書館
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最初は面白かった。 最近、真梨幸子さん何を読んでも でてくるのは「?」で 読むのがめんどくさくなるくらい 面白くなくなってたから 「おっ。久々面白い」とテンション 上がったんだけど〜 後半がなぁ… いっつも出てくる人が多くなりすぎて わけわからんくなって終わる… 最後のオ...
最初は面白かった。 最近、真梨幸子さん何を読んでも でてくるのは「?」で 読むのがめんどくさくなるくらい 面白くなくなってたから 「おっ。久々面白い」とテンション 上がったんだけど〜 後半がなぁ… いっつも出てくる人が多くなりすぎて わけわからんくなって終わる… 最後のオチも「はいはい」くらいで 衝撃ないしなぁ 「殺人鬼フジコの衝動」を 読んだ時は、真梨幸子さんの本 これから全部読むっ!と思ったんだけどなぁ 戻ってこーいという感じ…
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