一九六一 東京ハウス の商品レビュー
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2家族が、1961年の団地生活を体験するリアリティショーのキャストとして応募し当選、ヤラセではないと見せかけて… 一方は貧乏、一方は富裕な環境を用意し、恣意的に格差をつけていた。 実は昔起こった凶悪殺人事件の犯罪者が夫役で当選させられており、奴に復讐したい被害者遺族たちの思惑があった。 しかも一人だけじゃなかった。制作会社社長:1人目が企画の糸を裏で引いており、真犯人を炙り出し 局の上層部は上層部で貧乏家庭設定の長女(女優志望)が殺された設定にして偽の警察達を仕込み、 さらに制作会社の営業マン:2人目も富裕家庭設定の妻(夫と離れたがっていた)を抱き込んで夫を殺させた それぞれがそれぞれのシナリオ通りに動いた結果 犯罪者は殺されて良かったが、 最悪の結末(貧乏設定の母が無理心中。。)に。 その母も昔兄に虐待されて心を病んでいたようだし いい家庭を築き上げようとしていたのに、触らぬ神に祟りなしってところか…欲をかくとアカンっていう TV局と制作会社の関係性を描いたあたりも面白かったな あと、TVは実際に色々なジャンルで台本があるので インタビューも仕込みだったり、無意識に視聴者を騙すことが常態化していたが 最近はコンプラで変わってきているのだろうか…。 真梨さんの作品は毎回誰も幸せにならないらしい。 『イヤミスの旗手』と呼ばれるほど、とも 中毒性のある作家さんがまた増えた。次はどの作品を読もうかな
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TVのリアリティショーとして1961年の団地を再現し、2組の家族に昭和の生活を体験してもらう。そんな設定でストーリーは始まる。が、状況は二転三転、どれが台本どうりの仕込みで、どれが現実に起きたことなのか…。 現実にリアリティショーで人が亡くなっていることを踏まえての作品。次々変...
TVのリアリティショーとして1961年の団地を再現し、2組の家族に昭和の生活を体験してもらう。そんな設定でストーリーは始まる。が、状況は二転三転、どれが台本どうりの仕込みで、どれが現実に起きたことなのか…。 現実にリアリティショーで人が亡くなっていることを踏まえての作品。次々変わる設定もどうかと思うけど、私は楽しめない作品だった。
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本当にことを知りたいがために舞台を用意する。なかなかに大掛かりだ。それが入れ子になっている。過去の話と現在の話が入り乱れ、ええ! という感じ。
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設定からどのような展開になるのか予想がつかず、気になり、一気に読み進めることができました。散りばめられたいくつもの伏線、ラストも面白かったです
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タイトルで選んだ1961年生まれです。中身は、時代懐古ものではありません。期待を超えた意外な 展開にビックリです!まるでテレビドラマの裏側みたい。
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60年前の団地生活体験リアリティショー番組に二組の家族が出演する。60年前に起きた団地での殺人事件をなぞるように不穏な空気が漂い事件が起きていく。昭和と令和が交差しながら、虚構なのか現実なのか。スタンフォード監獄実験のように人は操られると人格まで変わってしまうのか。テレビ業界の視...
60年前の団地生活体験リアリティショー番組に二組の家族が出演する。60年前に起きた団地での殺人事件をなぞるように不穏な空気が漂い事件が起きていく。昭和と令和が交差しながら、虚構なのか現実なのか。スタンフォード監獄実験のように人は操られると人格まで変わってしまうのか。テレビ業界の視聴率至上主義の中、過去の殺人事件の真相が明かされていく。誰も幸せになれない真梨さんテイストは健在。後半二転三転して目まぐるしく一気読み。
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真梨幸子さんの本は、中毒性がある。 不気味なんだけど読むのをやめられず、新刊が出ればまた読んでしまう。 この作品も、人が抱いてしまうイジワルな気持ちを利用して、その裏をかくっいう、バラエティーじゃなく笑えないドッキリ番組のよう。 負の感情がポッとわき出る事は誰にでもあり、多く...
真梨幸子さんの本は、中毒性がある。 不気味なんだけど読むのをやめられず、新刊が出ればまた読んでしまう。 この作品も、人が抱いてしまうイジワルな気持ちを利用して、その裏をかくっいう、バラエティーじゃなく笑えないドッキリ番組のよう。 負の感情がポッとわき出る事は誰にでもあり、多くの人は理性でひた隠しにするような部分に、光を当て際立たせることが、とても上手な作家。
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真梨幸子さんらしい、いろんな事件が入り組んだ話だった。リアリティーショーで自殺が起きたことや役割を意識して人間が動くことや。あの心理実験にも触れられていて、ほんと人間とは恐ろしいものよ、と思う。かわいそうな小池一家も結局みんな母に殺されただなんて、真梨幸子らしいひどすぎる結果。こういうのを面白いというと人間性が疑われそうだけど、面白かった。フィクションとしてですよ。昭和の団地生活自体も興味深かったし。しかし、誰が悪くてこんなに殺人事件に繋がったのかと思うと何ともなー。最後の関連作品に「クロク、ヌレ!」と「インタビュー・イン・セル殺人鬼フジコの真実」がわざわざ挙げられてるのは何か繋がってるんだろうなぁ。読んだはずだけど、全然思い出せないわ。
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この本、真梨さんの作品の中ではかなり読みやすい方じゃないかな。 イヤミス度も低めだし、登場人物も他のに比べると少ない方。 真梨導入本?初心者向けです(o^^o)
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1961年当時の新興団地の生活を再現してリアリティーショウとして放送することを企画しそれを実現させていく物語だが、当時にその団地で発生した殺人事件とリンクして、企画者の岡島牧子の画策が次第に明らかになる過程が楽しめた.しかし、実際に61年当時の生活の実態が克明に描写されており、そ...
1961年当時の新興団地の生活を再現してリアリティーショウとして放送することを企画しそれを実現させていく物語だが、当時にその団地で発生した殺人事件とリンクして、企画者の岡島牧子の画策が次第に明らかになる過程が楽しめた.しかし、実際に61年当時の生活の実態が克明に描写されており、そちらの方が面白かった.ジルバルトの監獄実験やプルースト効果など特殊な用語も登場して、話を盛り上げていたと感じた.牧子は記憶の解凍実験を目論んでいたのだ.
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