慟哭は聴こえない の商品レビュー
デフ·ヴォイス シリーズの第三弾。 手話通訳士の荒井尚人が依頼を受ける人々との関わりの中に、大切な事がこの世には沢山ある。ということを教えてくれる。 昨年は草彅剛さん主演でドラマ化もされました。 このシリーズでは新井さんに新しい家族が出来ます。父となった新井さんは少しずつ心ほどか...
デフ·ヴォイス シリーズの第三弾。 手話通訳士の荒井尚人が依頼を受ける人々との関わりの中に、大切な事がこの世には沢山ある。ということを教えてくれる。 昨年は草彅剛さん主演でドラマ化もされました。 このシリーズでは新井さんに新しい家族が出来ます。父となった新井さんは少しずつ心ほどかれ、柔らかな表情を見せてくれる。 私は、このシリーズを読み、初めてコーダや手話表現、ろう文化など沢山の事を知りました。耳が聴こえないことの生きづらさも物語を通して初めて知ることばかりで、自分がいかに何も知らなかったかをしり愕然としたものでした。 もっともっと沢山の人に、この本を読んでほしい。 そして、皆がお互いに歩み寄り支え合う日常を見たい。
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前に草彅君がやってたドラマの原作者でした。 最初はミステリーかと思って借りたのだけど、手話通訳として働く新井の手記というか「聞こえない」ことで日常生活に生じる聾唖者たちの苦労というか、不便さや健聴者との共存(大げさかな)の難しさなど書かれてました。 うーん。。。難しかった。ミステリーを読むつもりで借りたので、こういう社会問題提議的な話は予想外で少し読むのに時間がかかりました。 話は4話に分かれていて別の話だけど一貫性はありました。面白かったかというと。。。うーん。。難しかったとしか感想がでない。なんと言ってよいのか。。 3話のホームレスの話がよかったかな。 とある小さな島出身の聾唖のホームレスが、テレビ放送にわざと映り込み、田舎の母親へその土地でしか使われていない手話でメッセージを伝える。。しかし、母親の地域では放送していない番組で。。というなんともやりきれない話だったけど、最後には母親に希望を持たせて終わっててよかったです。
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相手に寄り添うためには、相手が今何を必要としているか、困っているかを想像する必要があるけれど、知識がなければ想像することも難しいと思う。 辛いこと、うまくいかないこと、心の中のことを話せる人がいることが、一番の救いということが、一つのテーマなのかとも思った。 最後に美和と栄知くんのつながりに救われる最後だった。
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デフ・ヴォイスシリーズ3作目。 今回も面白かったです。 今までと違って、4つのお話からなる連作短編集になっていて、前より読みやすくなったと思います。 『静かな男』では泣いてしまいました。 この作品を読むと、いつも切なくて温かい気持ちになります。
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シリーズ3作目。ろう者を取り巻く問題を知ることができる社会的な側面と、家族の成長も温かく見守ることができるハートフルな側面を合わせ持つ、特別なシリーズだと感じる。続けて4作目も読みたいと思う。
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デフ・ヴォイスシリーズ第三段。 『慟哭は聞こえない』 聾者にとっての緊急通報の問題。作中では、サービスの欠如で通報が遅れ、痛ましい結果となったが、現在は、事前登録することでメールやチャットでの通報対応、GPSでの位置検知対応などができる緊急通報サービスが整備されているよう。文字の...
デフ・ヴォイスシリーズ第三段。 『慟哭は聞こえない』 聾者にとっての緊急通報の問題。作中では、サービスの欠如で通報が遅れ、痛ましい結果となったが、現在は、事前登録することでメールやチャットでの通報対応、GPSでの位置検知対応などができる緊急通報サービスが整備されているよう。文字の入力が難しくても状況を動画や画像撮影して送ることもできるし結構便利かもしれない。緊急時、家に一人でいる際など、いつでも口が利ける状態とは限らないし、自分でも登録しておきたいぐらい。 ストーリーの展開上仕方がないとはいえ、聾の若い夫婦があまりにも受け身というか危機管理がなってない気がした。妊娠に気づき、産婦人科を受診という段に、市の手話サービスに不信感があるなら、ネットで少し調べれば手話や筆談対応の産婦人科などすぐに出てくる。何があるかわからない妊娠後期、出かける時は、大きく「救急車を呼んでください」などと書いた紙を持ち歩いていてもよかったのではないか。聾者に対する理解と社会整備はもちろん急務だけれど、受け手の積極的な情報収集と不完全な部分を補う自助努力も必要。片方からだけの歩み寄りには時間がかかってしまうのだから。 『クール・サイレント』 『星の金貨』『愛していると言ってくれ』『オレンジデイズ』『silent』…、聾者の登場するドラマは案外多い。唯一観ていた『オレンジデイズ』、もう20年前のドラマにもかかわらず、最後の最後に勇気を出して妻夫木の背中に向けて声をあげた柴咲コウのシーンは今でも鮮明に思い出せるほど感動したことを覚えているけれど、あれは聴者目線の感動でしかなかったのか…と愕然。作中では、聾者を演じる聾のモデル・HALが、聴者の相手役からの手話を用いた愛の告白に、手話ではなく口話で答えるという台本に異議を唱える。大切な言葉であるからこそ、”自分の言葉”で伝えるのが当然ではないか、と。聴者たちからの”聾者のイメージ”の押し付けに対する精神の摩耗と、自分は聾者を代表して聴者と互角に渡り合うのだ、という気負いからくるプレッシャーで意固地になっているのか、と解釈してみたりするが、実際、聾者の方全般にとってもそうなのか。 『静かな男』 行旅死亡人である男の身元を探る中で、テレビに映るその男が「水久保手話」を操っていたことから瀬戸内海に浮かぶ島の集落・水久保出身者であることがわかる。集落では聴者・聾者の別なく誰もが普通に手話を使い会話する。そんな、社会が目指すべき理想郷で生まれ育ち、よくしゃべった男が、都会の暮らしの中で徐々に”静かな男”へと変貌し、最後は孤独な死を迎えざるを得なかった男。島を出る必要が本当にあったのか、もっと早く踏ん切りをつけて帰郷することができなかったのか。やりきれなさに涙が出た。 『法廷のさざめき』 障害者雇用枠で雇用された女性が会社や同僚たちの対応に不満を持ち、民事裁判を起こす。実際、助成金目当てに雇用し、適切な環境を整えない企業はたくさん存在するのだろうな。聾者一人を雇うために、通訳を雇うことをナンセンスと考えることは、例えば、生理休暇や産休を与えてまで女性を雇用する事はナンセンス、と考えること変わらないことを思えば、その思想の危うさに実感が伴う。
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オーディブルにて。 やはり障害者とその周りの環境について興味があるからか面白く読めた。 聾者として生まれた瞳美が手話を覚えた2歳になるまでが飛んだけど、文字の概念も分からぬうちにどうやって教えたのか気になる。 3作目なので新井とその家族の成長も一緒に追えて面白い。 「一人でも障害児を減らせるように」との言葉にみゆきは 障害児は減らさなきゃいけないものなのか、この子は変わらなきゃいけないものなのか と思ってたけども、障害児に関わる者としては 人工内耳のようにその子自身が大きく変わらなくても道具や環境を変えることで生きづらさがなくなればいい という思いなのかな〜とも思いつつ。 でも少なからず(人工内耳ならば手術など本人自身の努力でなくても)本人が変わった部分もあるか、とも思いつつ。正解がないから難しい。
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手話通訳士・荒井尚人の活躍を描く『デフ・ヴォイス』シリーズの第3弾。短編集だがストーリーは個々に独立していて連作にはなっていない。もちろん登場人物は被るし、尚人がその卓越した手話通訳技術で聾者を救済していくスタイルは変わらない。尚人の家族関係が少しずつ進化していくのも読みどころだ...
手話通訳士・荒井尚人の活躍を描く『デフ・ヴォイス』シリーズの第3弾。短編集だがストーリーは個々に独立していて連作にはなっていない。もちろん登場人物は被るし、尚人がその卓越した手話通訳技術で聾者を救済していくスタイルは変わらない。尚人の家族関係が少しずつ進化していくのも読みどころだ。どれも読み応えがあるが特に第三話の『静かな男』がしっとりと味わい深い。解説で触れているが、何森刑事シリーズが始まる布石となった作品のようだ。『デフ・ヴォイス』シリーズの方は第4弾が出ていて、まだまだ続きそうなので今後の展開が楽しみだ。
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日本手話と日本語対応手話があるのもはじめて知った。サイレントは見てなかったから私の中ではトヨエツで止まってた。親の立場だったらとても余裕がないだろうけど、手話の喃語とか手話を習得していく子どもたちが手でたくさん話す様子は見てみたい。
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シリーズ第3作。 手話通訳士荒井尚人はみゆきと結婚し、耳の聴こえない子、瞳美を授かる。 人工内耳を入れるかで悩む夫妻。 尚人と美和に囲まれ日本手話の世界ですくすく育つ瞳美。 家庭内でただ一人手話ができないみゆきは習得に焦る。 ろう者の中で健聴者は少数派となり、立場が逆転する。...
シリーズ第3作。 手話通訳士荒井尚人はみゆきと結婚し、耳の聴こえない子、瞳美を授かる。 人工内耳を入れるかで悩む夫妻。 尚人と美和に囲まれ日本手話の世界ですくすく育つ瞳美。 家庭内でただ一人手話ができないみゆきは習得に焦る。 ろう者の中で健聴者は少数派となり、立場が逆転する。 指摘されてみれば当然と気付く。 電話が使えない、コミュニケーションが取れないがために起こる悲劇。 健聴者主体の社会でろう者に配慮するとはどういうことなのか。 それぞれの立場に寄り添う尚人の生き方に、何森刑事も感化されていく。 みゆきとの結婚でろう者である兄家族との交流が始まる。 社会に出て行こうとする甥司と、ろう者の姉となった美和。 それぞれの生き苦しさをわかろうとする尚人。 最後は尚人の人との繋がりが尚人と家族を救う。
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