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パラソルでパラシュート の商品レビュー

3.8

169件のお客様レビュー

  1. 5つ

    37

  2. 4つ

    62

  3. 3つ

    48

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    1

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2022/01/08

スモールワールズが面白かったものの、好みのまとから外れていたのであまり期待せずに読んだけど、これはかなり好きなヤツでした。29歳で受付嬢をしていて、あと一年で契約が切れる主人公。色々ギリギリのはずなのに焦ってアクション起こしたりしないとことか、とにかく彼女の間が愛せる。話の空気感...

スモールワールズが面白かったものの、好みのまとから外れていたのであまり期待せずに読んだけど、これはかなり好きなヤツでした。29歳で受付嬢をしていて、あと一年で契約が切れる主人公。色々ギリギリのはずなのに焦ってアクション起こしたりしないとことか、とにかく彼女の間が愛せる。話の空気感は「自転しながら公転する」に似ているが、登場人物がみんな愛すべきキャラクターなのが心地良い。笑いの舞台の描写も大変面白い。 三角関係恋愛と思って読むと消化不良おこしますが、崖っぷちからの大阪式前向き人生論、やや10代&婚期恋愛スパイス入りの本としては極上です。エログロなく、中学校大丈夫だけど、高校生から楽しめる内容かなぁ。 イオンモールに生殺与奪…。一番面白かった。

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2022/01/05

楽しかった!笑った! ー 私って牛で言うとどこ? ー 牛乳 嫉妬したりもするけれど、恋愛にならない3人の関係が、ドキドキしてワクワクして一気読み。 3人でいるのが楽しい。 大阪弁が、とてもテンポ良かった。 映画になりそう。 マコちゃんの丸刈り頭を触ってみたい。安心感を感じたい。 ...

楽しかった!笑った! ー 私って牛で言うとどこ? ー 牛乳 嫉妬したりもするけれど、恋愛にならない3人の関係が、ドキドキしてワクワクして一気読み。 3人でいるのが楽しい。 大阪弁が、とてもテンポ良かった。 映画になりそう。 マコちゃんの丸刈り頭を触ってみたい。安心感を感じたい。 台風の日の突然の来客の辺りから、 どうなるのどうなるの?と めちゃめちゃ面白かった。 あの葉月さんに見せた、2回目の漫才。 実話なんだね。 夏子は、勇気を出したんだね。 泣きそうになったょ。 ネタにしたということは、乗り越えたということだと思った。 良かった。 これはギリギリで2022年の本屋大賞レースに入る出版月日! 候補に入ってくるだろうなぁと思う。 面白かった。

Posted byブクログ

2022/01/02

大阪はあたたかい街だな、と。 僕は、東京生まれ東京育ちだけど、大阪好きなんだよな。美味しいもの多いし、人情味があるし。 だから、この小説の世界は好き。 「スモールワールズ」の一穂ミチさんの長編。 しかし、「スモールワールズ」のような重目のものを期待すると肩透かしを喰らうかも。も...

大阪はあたたかい街だな、と。 僕は、東京生まれ東京育ちだけど、大阪好きなんだよな。美味しいもの多いし、人情味があるし。 だから、この小説の世界は好き。 「スモールワールズ」の一穂ミチさんの長編。 しかし、「スモールワールズ」のような重目のものを期待すると肩透かしを喰らうかも。もっと軽い、ポップな恋愛もの。コンビの芸人と29歳受付嬢のちょっと捻った三角関係。 恋愛ものとしては全てが奥ゆかしく、鈍くなってしまった僕の心には残念ながらあまり響かなかった。もう、若くないものね。

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2022/01/02

とっても良かった。 大阪の古い一軒家での芸人さんたちとの共同生活。気を使わない寛いだ雰囲気と干渉しすぎない距離感や自由さが良い感じ。 お笑いコンビ 亨と弓彦くんの関係も良いなって思うし、その二人の関係を心から良いなと感じてる美雨も好きでした。 一穂さんの文章がすごく好き。 自分...

とっても良かった。 大阪の古い一軒家での芸人さんたちとの共同生活。気を使わない寛いだ雰囲気と干渉しすぎない距離感や自由さが良い感じ。 お笑いコンビ 亨と弓彦くんの関係も良いなって思うし、その二人の関係を心から良いなと感じてる美雨も好きでした。 一穂さんの文章がすごく好き。 自分では上手く伝えられない「何かわかる」っていう感覚がいっぱいあって、それを物語の中で表せていることにちょっとビックリしたし感動した。 全体的にゆる~い雰囲気なんだけど、一つ一つの場面がじんわり響く。亨と弓彦くんと美雨の三人の関係がいい。 『笑いながら、落っこちる』って表現も好き。 余韻の残るラストにニンマリしました。 これから一穂さんが魅せてくれる世界に興味津々です。

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2022/01/02

感動がじんわりとしみてくる読後の本。パラソルでパラシュートという題名の意味が次第に分かってきて面白い。展開がゆっくりで静かなお話だから、好き嫌いは別れそう。

Posted byブクログ

2021/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

奇跡のような夢物語。 ほんと、一穂さんの文章は優しくて泣けてくる。 そして、やっぱり男の人がセクシーだなぁ。みんな優しくて、愛おしい。最後に混乱をもたらす登場人物さえ。 ちょっとボヤっとしてるどこか無神経な女の子と若手芸人コンビのおかしな三角関係。亨の気持ちがよく見えないけど、美雨に対するマイナスな雰囲気が一切ない。不安を感じない。曖昧な関係だけど、ハッキリしろ!という苛立ちも感じない。 美雨も、勘違いみたいのがなくて、とてもさっぱりしていて、重苦しさがない。 女の30の壁。 美雨に悲壮感や焦りがないから、スルーしてしまいそうになるけど、側からみたら、切羽詰まった状況ではある。けれど、よく言うけど、そんな境目、自分の中にはないんだよなぁ。ほんとウザイ周りが言ってるだけ。昨日と今日が続いていくように、29も30もただただ続いていく。 そこを逃げる、ではなく軽々こえていこうとする美雨が、友達にはなれそうにないけど、嫌いじゃない。 普段の掛け合いも面白いし、コントのシーンも何気に面白い! こんな出会いがあったら、運命だと思う。せつない余韻。希望があるわけじゃないけど、新しい未来がある。 書き下ろしのSSも、とてもよかった。

Posted byブクログ

2021/12/28

一穂さん、漫才作家もこなせそう。漫才よりも、美雨たちの会話に笑えた。「人のどうしようもない哀しさや愚かさを笑いに変える」そんな漫才、久しくお目にかかれていない。

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2021/12/28

一穂ミチ先生の新刊 すごく淡々とした恋物語 いやらしさが全く無いから好き でも物語中のお笑い芸人たちの会話には声を上げて笑ってしまった 29歳独身OLと、売れそうで売れないお笑い芸人たちの夢と悲哀と恋 芸人たちの悲哀は、又吉直樹さんの『火花』にも似た雰囲気があるなあ、と...

一穂ミチ先生の新刊 すごく淡々とした恋物語 いやらしさが全く無いから好き でも物語中のお笑い芸人たちの会話には声を上げて笑ってしまった 29歳独身OLと、売れそうで売れないお笑い芸人たちの夢と悲哀と恋 芸人たちの悲哀は、又吉直樹さんの『火花』にも似た雰囲気があるなあ、と思いました

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2022/02/18

以前、一穂ミチさんの「スモールワールズ」の装丁を何かで見た時に、読みたいなぁと思ったのだが、紹介文を読んで、中学校図書館に置いてもあまり読まれないかもしれないと思い、結局そのままになってしまった。その後、直木賞候補に上がったので、タイミングを逸した…と思っていたが、今回はこちらを...

以前、一穂ミチさんの「スモールワールズ」の装丁を何かで見た時に、読みたいなぁと思ったのだが、紹介文を読んで、中学校図書館に置いてもあまり読まれないかもしれないと思い、結局そのままになってしまった。その後、直木賞候補に上がったので、タイミングを逸した…と思っていたが、今回はこちらをネットギャリーで読む機会を頂いた。 誰が決めたのか分からない、いわゆる世間の常識…きちんと舗装された道(人生)を外すことなく歩いていく人たち。 でもそれを選ばない人もいる。 決して楽には見えないその道は、視点を変えればとても自由で楽な道なのかもしれない。 自分の中心にあるのが、自分自身なのか、世間なのか…その見えない世間に人はいつから縛られるのか、そんなことを考えさせられた。 お笑い芸人コンビ「安全ピン」と主人公美雨、更に彼らを取り巻く人たちの関係性の線引きが、はっきりしていないところが、とても印象的。 人間関係って、そんな白黒はっきりしているものじゃないよね、と腑に落ちる。 2021.12.24

Posted byブクログ

2021/12/22

不安定で崖っぷちななかで生きる人たちの物語。 30歳になったら「切られる」受付嬢をしている美雨。 芸人の亨や弓彦たち。 将来の見えない生活たち。 恋愛小説だとあったけど、激情的なものではなくて、まさに今外で降っている雪のように、触れたら熱で消えてしまいそうな、ふわふわとした淡い...

不安定で崖っぷちななかで生きる人たちの物語。 30歳になったら「切られる」受付嬢をしている美雨。 芸人の亨や弓彦たち。 将来の見えない生活たち。 恋愛小説だとあったけど、激情的なものではなくて、まさに今外で降っている雪のように、触れたら熱で消えてしまいそうな、ふわふわとした淡い感情だった。 というか、「恋愛」ってなんだっけ、と、改めてその定義を考えた。きっともっと、広義的でいい。 心の中に抱くささいな違和感を、素直に言葉で表現できる作家さんだなと思う。 そんなことができる人は素直に羨ましいし、そんな表現者になれたらなと思う。 琴線に触れるような言葉や表現がいくつも、いくつもあった。自分ではとうに思い浮かばない宝物のような言葉たち。 “何でもなく生きていくのが難しい。成長、目標、何かきらきらしたものをまとっていないと「怠け」「甘え」の烙印を押される。上昇し続けられない人間は地べたを這いずるしかないという極端な二択の中で「女性が輝く」とか「夢を追うのに年齢は関係ない」とかいうキャッチフレーズを聞くたび、わたしの頭にはいつも民家のクリスマスイルミネーションが浮かんだ。窓辺に電飾を吊るし、「Merry X'mas」と外に向けて掲げる。それって誰のため?” p.240のこの文が特に印象的でした。 “人間の運命はこんなちょっとしたことでいいほうにも悪いほうにも転がっていく。その不確かさを、わたしは希望と呼びたかった。” p.307のこの文も。 ああ、私はこの人の表現する文章がとてもとても好きだ。 一穂ミチさん、お笑い大好きなんだろうな。 芸人さんとの会話が軽快で、読みながら口元がふっと緩んだ。 大阪の人たちの会話ってほんとにこんなんなんやろか。だったら楽しい。 以前に「ワラグル」(浜口倫太郎著)を読んだのもあって、そしてこれを読んでいる間にM-1があって。 完全に番組への印象やそれを見る姿勢が変わった。各々、思うものがあって、人生を懸けている。 もっと自分の思うように生きていっていい。 世間体の何かに縛られず、何にも支配されずに。 一穂ミチさん、すきだなぁ。 作品を読むのは「スモールワールズ」に続いて2作目。というか、一般作品自体2作目。 BLの分野でかなり人気のようなんだけれど、そちらの作品も読んでみたくて興味が出てきている。笑

Posted byブクログ