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小林秀雄講演(8) 宣長の学問/勾玉のかたち の商品レビュー

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2013/09/01

「理性で世の中は解釈できるし、征服したような気にもなれる。が、それはリアリズムなのか?」小林秀雄がここまで経験主義に立脚し、近代合理主義批判をしていたのは学生時代には気がつかなかった。 死後30年が経過し、技術や文明は発達した。物理科学は無論、社会科学のみならず、人文科学も発達し...

「理性で世の中は解釈できるし、征服したような気にもなれる。が、それはリアリズムなのか?」小林秀雄がここまで経験主義に立脚し、近代合理主義批判をしていたのは学生時代には気がつかなかった。 死後30年が経過し、技術や文明は発達した。物理科学は無論、社会科学のみならず、人文科学も発達している。が、小林秀雄にとっては、それらはすべて「科学」なんだろう。文化・芸術は科学では語れない。そこに本当のリアリズムがある。文芸批評家の真髄を目の当たりにした気がする。 「文学・芸術は娯楽じゃないんです」 「熟読・精読ってのは恋愛なんです」 が心に残る。

Posted byブクログ