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少女たちの戦争 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2022/04/24

 昨年の2021年は、対米英を中心とした1941年12月8日の太平洋戦争開戦から80年の節目の年にあたり、中央公論社新書編集で女性27名のエッセイが発行された。最年長は、開戦時19歳だった故・瀬戸内寂聴氏、最年少は3歳の故・佐野洋子氏。非日常が中心となった戦局の日々の中で、幼少期...

 昨年の2021年は、対米英を中心とした1941年12月8日の太平洋戦争開戦から80年の節目の年にあたり、中央公論社新書編集で女性27名のエッセイが発行された。最年長は、開戦時19歳だった故・瀬戸内寂聴氏、最年少は3歳の故・佐野洋子氏。非日常が中心となった戦局の日々の中で、幼少期・青春期を戦時下で送った日常生活が切々と綴られる。ある少女は空襲を逃げ惑い、ある少女は満州、樺太、ジャワ島などで終戦を迎える。戦場で繰り広げられる生死を彷徨った戦争の対極に、銃後の守りを強要された非戦闘員、少女たちがどのように考え、生きたか。そして、戦後には執筆・分筆活動で戦争の愚かさを訴えた27名の著者、中央公論新社の編集者に敬意を表したい。

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2022/02/06

色んな年齢の方の戦争体験を色んな表現で読めるのがとても新鮮やった。 同じ時期に生きておられても、場所や年齢が違うことによって体験や思想に違いが出るのが凄いと思った。 今のコロナの時代も、場所や年齢や立場の違いによってみんなの体験や思想に違いがある。 そういう事なんやろな。 昔を...

色んな年齢の方の戦争体験を色んな表現で読めるのがとても新鮮やった。 同じ時期に生きておられても、場所や年齢が違うことによって体験や思想に違いが出るのが凄いと思った。 今のコロナの時代も、場所や年齢や立場の違いによってみんなの体験や思想に違いがある。 そういう事なんやろな。 昔を学んで、今に繋げる。 もっともっと沢山の事を勉強せなあかんなぁとまたしみじみ感じた。

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2022/01/26

この本は、1941年(昭和16年)12月8日の太平洋戦争開戦時に、満20歳未満だった女性によるエッセイを著者の生年順に収録したということ。 最年長、1922年生まれの瀬戸内寂聴さんと、最年少1938年生まれの佐野洋子さんの年齢差は16年。 この時代、男性は生年がたった一年違うこ...

この本は、1941年(昭和16年)12月8日の太平洋戦争開戦時に、満20歳未満だった女性によるエッセイを著者の生年順に収録したということ。 最年長、1922年生まれの瀬戸内寂聴さんと、最年少1938年生まれの佐野洋子さんの年齢差は16年。 この時代、男性は生年がたった一年違うことで生死を分けられた。 女性たちも、年齢によりまたは住んだ場所、環境により、さまざまに違った体験をしたことだった。 瀬戸内寂聴さんは、その青春の中で、運よく「良き時代」の最後を味わうことができたと書かれている。 軟弱、と当局ににらまれながらもまだ音楽を勉強することができた石井好子さんは、 優れたユダヤ人の先生方が弾圧から逃れてきていたお陰で日本の音楽界は発展したと書かれている。 終戦の年の1年間、NHKのアナウンサーだった近藤富枝さんは、玉音放送の緊迫の現場を目撃する。 軍艦マーチの前奏付きで大本営発表を読むのがそれまでの仕事だった。特攻隊の戦果、戦死者名と二階級特進の発表は一番辛い仕事だった。 「やらされた」戦争という感が大きい。 まだいかなる思想も持たない、少年少女たちのまっさらな頭の中は、軍国教育で黒く塗りつぶされていった。 力を持った軍部には、政治家も、天皇陛下さえも抑止力を持たなかった。 ましてや弱い女子供には。 しかし、自分には戦争責任はなかったのかと振り返る人も多い。 学徒動員で、挺身隊で、工場で作らされていたものが人間魚雷や特攻機の部品だったと知った時、自分の手は若者の命を奪ったのだと愕然とする。 無邪気に日の丸を振ってお見送りをした兵隊さんたちの、一体何人が帰ってきたのか。 原爆の光を隣の町で見て、被爆した人たちを見て、もう夏の太陽は自分には違ったものになってしまったという人。 一瞬で奪われた友達に、今の文明を見せてあげたかったと偲ぶ人。 戦争は、誰も幸せにしない。

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2022/01/21

開戦時に少女だった著名な文化人の戦争についてのエッセイ。同じ世界線に生きてるものの、そこにはそれぞれの戦争があった。中村メイコさんの「戦争のおかげ」がとても印象に残った。社会が沈んだ状況での生き方の参考になったかな。

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2021/12/24

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ著)の日本版? 銃後の暮らしぶりが、自然体に描かれている。 開戦時に、はたち未満の〈少女〉だった日本の女性著名人を、年齢順に並べてある編集がよい。 一番最後の絵本作家佐野洋子氏をして、うちのおふくろの2つ上、死ん...

『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ著)の日本版? 銃後の暮らしぶりが、自然体に描かれている。 開戦時に、はたち未満の〈少女〉だった日本の女性著名人を、年齢順に並べてある編集がよい。 一番最後の絵本作家佐野洋子氏をして、うちのおふくろの2つ上、死んだオヤジと同い年か・・・。先の大戦を語れる人が少なくなっていく中、貴重なアンソロジー。 銃後の、なにげない暮らしぶりが綴られているものが多いが、死にゆく人に言えなかった「サヨナラ」につての佐藤愛子の考察、いさぎよく死のうとしていた橋田壽賀子の覚悟など、やはり、迫りくる戦火を身近に感じていた二十歳に近い年齢の女性のエッセイは、印象深い。 とびら絵の、こうの史代も良いね。

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2021/11/18

【太平洋戦争開戦80年企画】瀬戸内寂聴から佐野洋子まで、開戦時20歳未満だった女性27名が戦時の日常を描いた随筆を精選。

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