1,800円以上の注文で送料無料

あちらにいる鬼 の商品レビュー

3.8

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/02/12

半分まで読んで、後半を読むのが辛くなった。 途中で投げ出したくなった。 面白くないとわけではない。 白木という人物が私には理解できず、その人と縁を切れない女達の気持ちもさっぱり分からず、もやもやしたまま終わりそうな気配がしたからだ。 実在の人物がモデルであり、実際そういう関係だっ...

半分まで読んで、後半を読むのが辛くなった。 途中で投げ出したくなった。 面白くないとわけではない。 白木という人物が私には理解できず、その人と縁を切れない女達の気持ちもさっぱり分からず、もやもやしたまま終わりそうな気配がしたからだ。 実在の人物がモデルであり、実際そういう関係だったのだろうと考えると、人間は不可解な生きものだと思う。他人の気持ちなどわかるはずもないのだ。

Posted byブクログ

2023/01/29

瀬戸内寂聴と井上光晴の妻。 2人の思想が交互に描かれてる作品。 なんで、こんな井上光晴みたいな男に惹かれるのか意味が分からない。 謎な不倫劇。 それでも、ページをめくってる変な気持ち。 それを書いてるのが井上光晴の娘っていう。意味不明。

Posted byブクログ

2023/01/25

瀬戸内寂聴さんが好きです。 「子宮作家」と言われた寂聴さんだけど、私は尼さんとしての姿しか知らないし、寂聴さんの恋愛遍歴をあえて知りたいとは思っていませんでした。でも「私小説」を読んだりして、出家前のことも少し知りたいと思っていたところでした。 小説家同士の不倫。しかもそれを一...

瀬戸内寂聴さんが好きです。 「子宮作家」と言われた寂聴さんだけど、私は尼さんとしての姿しか知らないし、寂聴さんの恋愛遍歴をあえて知りたいとは思っていませんでした。でも「私小説」を読んだりして、出家前のことも少し知りたいと思っていたところでした。 小説家同士の不倫。しかもそれを一方の娘が書いたとなると、是非読みたいと思いました。 何年も続く不倫というのは、あると思います。多少の実感を持って、そう思います。 非難されることを覚悟して言うと、公にできない間柄であっても、大人になると離れがたくそれぞれにとって必要な絆が生まれることはあると思うのです。 だから不倫自体は別に珍しいこととは思わず、貴重なのは笙子さんだと思うのです。あんな夫婦ってあるんですね。 美しく、料理の腕もプロ顔負けで、夫の小説を清書しつつ、夫の子を堕胎した愛人の見舞いに行く妻。 寂聴さんと笙子さんの関係が特別というより、そういった夫の浮気に付き合ってたどり着いた先が寂聴さんだったから、特別な信頼関係が築かれたということなのでは。 最初(あるいは唯一)の不倫相手が寂聴さんだったら、笙子さんとてあのようには振舞えなかったのでは。 等、いろいろたらればを考えています。

Posted byブクログ

2022/12/12

 自分の母親と、父親の愛人。2人の視点から小説を書くというのはどんな心境だったのか⋯想像できない。全てを受け容れたから?恨みつらみ、気持ち悪さはもうない?自分とは違う人間の所業として割り切っている?しかもその語り口が冷静で、淡々としていて、感情的に乱れたりどちらかに肩入れしたり逆...

 自分の母親と、父親の愛人。2人の視点から小説を書くというのはどんな心境だったのか⋯想像できない。全てを受け容れたから?恨みつらみ、気持ち悪さはもうない?自分とは違う人間の所業として割り切っている?しかもその語り口が冷静で、淡々としていて、感情的に乱れたりどちらかに肩入れしたり逆に非難したりすることはなく、あくまで容観的な立場を貫いている。だから読んでいて、長内みはるにも、笙子にも、同じくらい共感するというか、その言動を理解できる。不思議。   白木という中毒性のある魅力的な男を深く愛した末、自分のものにはならないと思い知った彼女たち。逢引を重ねても、結婚しても、どれだけ愛してもつかみどころのない白本は自分の元から離れていく。それでも添い遂げると決めた笙子と、出家という強行手段で白木と決別すると決めたみはる。そこまでしないと離れられないような男性だったんだなあ。時間とともに薄れていく愛しか私は知らない。どれだけ好きという気持ちが強くてもいつの間にか薄れて消えていったし、一度消えたら元に戻ることはなかった。でもそういうんじゃなくて、どう頑張っても離れられない関係というか感情というか、そういうものもこの世にはあるんだなあ。  なんか、フツーは、というか多くの人は、その深い段階に到達する前に、危険を感じたり傷付くのを恐れたりブライドが許きなかったりで踏み止まるんだろうなあ。でもみはるも笙子もその域を超えることを選んで、ある意味で完全に諦めて、ハッピーエンドは存在しないとわかっていながら白木のそばにいる道を選んだんだろうなあ。そんなことができる人そうそういない。自分は絶対にできないし、あんまりやりたいと思わない。でも二人の生き方は悪くないなと思う。それだけ我を忘れて愛せる人に出逢えて、たとえ自分ひとりに向けられたものではなくても、その人から愛してもらえて、幸せを感じることもたくさんあったんだろうなあと思う。  私は自分のことが大事すぎるのかなあ。だから手放しに人を愛することができないのかなあ。傷付いたり惨めな思いしたりするの嫌だし。でもそこでブレーキをかけちゃうから、本当に深い関係にはなれずに終わっちゃうのかなあ。どっちが幸せなのかわからないや。自分のこと大切にしてくれる人を同じくらい大切にできたらいいのに。自分が大切に想う人が同じくらい自分を大切にしてくれたらいいのに。それで、それがすり減ることなくずっと消えずにあり続けてくれたらいいのに。全部そうはいかない。なんでだろうね、辛いなあ。

Posted byブクログ

2022/12/02

読みたいと思いつつ先送りしていたら、映画が公開されたので、先に見ました。 映画では寂聴さんの想いがメインだったように感じましたが、原作は笙子さん寄りのように感じました。いずれにしても、三人の関係や想いが丁寧に描かれていて、ふわっとした幸福感と不思議な感覚が残りました。 でも、自分...

読みたいと思いつつ先送りしていたら、映画が公開されたので、先に見ました。 映画では寂聴さんの想いがメインだったように感じましたが、原作は笙子さん寄りのように感じました。いずれにしても、三人の関係や想いが丁寧に描かれていて、ふわっとした幸福感と不思議な感覚が残りました。 でも、自分の父親がこんな人だったら許せないような気がします。荒野さんはすごいよ!

Posted byブクログ

2022/11/27

瀬戸内寂聴と井上光晴とその妻をモデルに描かれたということで、イメージしやすくすんなりと頭に入ってきました。もちろんモデルであって実際とは違うのでしょうが、作者と縁浅からぬ寂聴に何度も取材をしてこの作品を書かれたとのことで、この作品が醸し出す不思議な人間関係の妙を、破綻させることな...

瀬戸内寂聴と井上光晴とその妻をモデルに描かれたということで、イメージしやすくすんなりと頭に入ってきました。もちろんモデルであって実際とは違うのでしょうが、作者と縁浅からぬ寂聴に何度も取材をしてこの作品を書かれたとのことで、この作品が醸し出す不思議な人間関係の妙を、破綻させることなく描き切る筆力はスゴいと思いました。瀬戸内寂聴は未読なのですが、何冊か読みたくなりました♪ヽ(´▽`)/

Posted byブクログ

2022/11/23

読むのしんどかった。心情描写が秀逸すぎて。はっきりと言えない感情が人なのだけど、そのはっきり言えない部分の描き方がうますぎる。

Posted byブクログ

2022/11/06

瀬戸内寂聴の予備知識がゼロすぎて、不倫するような人だったんだというところからまず驚いた こういう男いるよな〜 旦那が遊んでるんだろうなと思いながらも、何も言わない妻の気持ちすごくわかる わたしもそういう人間だから わたしと違うのはその相手のこと知りたくて、知って、それでもわたしの...

瀬戸内寂聴の予備知識がゼロすぎて、不倫するような人だったんだというところからまず驚いた こういう男いるよな〜 旦那が遊んでるんだろうなと思いながらも、何も言わない妻の気持ちすごくわかる わたしもそういう人間だから わたしと違うのはその相手のこと知りたくて、知って、それでもわたしのところに戻ってくることで気持ちよくなる、気持ち悪さがわたしにはあって奥様にはないところだな いくら奥様がゆるしてたとしても、どうしても寂聴の美談っぽくなるのは嫌だなと思ってしまった

Posted byブクログ

2022/10/30

つくられた話と現実のさかいはわからないけど、これを受け入れて家庭崩壊にならなかった井上家の、揺らぎなさは妻の力なんだとしみじみ感じた。 きれいに丁寧に大切に書き上げられた一冊だと感じた

Posted byブクログ

2022/10/29

「男とその妻、そして男に関わった女」を描いた小説。ノンフィクションでありながら、登場人物はまさに、 「井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴」 妻と愛人の情愛を、同じ時間の視点で描かれています。 作者は、井上光晴の娘。 「何でも話すわよ」と瀬戸内寂聴さんは快く取材を引き受けたそう。...

「男とその妻、そして男に関わった女」を描いた小説。ノンフィクションでありながら、登場人物はまさに、 「井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴」 妻と愛人の情愛を、同じ時間の視点で描かれています。 作者は、井上光晴の娘。 「何でも話すわよ」と瀬戸内寂聴さんは快く取材を引き受けたそう。 なんだろう… 二人の関係が苦しくもありながら、読み進めると不思議な穏やかさも感じます。愛、書くこと、ぶれない信念の中、全力で生きぬいた魅力的な女性たちの物語に魅了されました。 映画になるそうです。 どう描かれているか観てみたいな

Posted byブクログ