1,800円以上の注文で送料無料

極夜行 の商品レビュー

4.1

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/05/27

社会システムから脱出し、一日中日が昇らない「極夜」を一匹の犬と一緒に冒険する話。暗闇を数ヶ月旅した後に見る太陽に人は何を思うのか確かめるという。 暗闇や酷寒、ブリザードに加えて、日が昇らないことによる気分の落ち込みや不安。GPS代わりの天測器は早々になくなり、あらかじめ苦労して...

社会システムから脱出し、一日中日が昇らない「極夜」を一匹の犬と一緒に冒険する話。暗闇を数ヶ月旅した後に見る太陽に人は何を思うのか確かめるという。 暗闇や酷寒、ブリザードに加えて、日が昇らないことによる気分の落ち込みや不安。GPS代わりの天測器は早々になくなり、あらかじめ苦労して道中に残した食料は荒される。想定を超える苦境に立たされた著者の心象が丁寧に書かれる。 というか、真っ暗闇で方角も今いる正確な場所も分からず旅するなんて普通、無理でしょう。GoogleMapやコンビニのありがたみを感じる一方、人が本来持つ力がどれだけ失われているのか考えさせられました。 同行する犬への視線など傲慢に思える姿勢が気になる時もありますが、そうした点も含めて、現代社会のシステムから抜け出した人間の本質的なところを垣間見れる気がします。

Posted byブクログ

2022/03/28

出産と自分の境遇を重ねるなど、一部、それは無理矢理では…という表現もあったが、筆者にして書けない探検記録として面白かった。

Posted byブクログ

2022/03/25

冒険ものはあまり好きではない私が、夢中になって読めた。筆者の人柄が滲み出ている文体に一緒に冒険しているように感じたからだ。一言、面白かった。

Posted byブクログ

2022/03/06

一日中、太陽が昇らない極夜、犬をパートナーとして探検した記録。度重なるブリザードやデポ荒らしなど全く計画通りにいかないが、まぁこの本書いてるんだから死なないんでしょ・・ということで安心して読めます。いや、それにしても犬は従順だ。腹をすかせた犬に食われなくて良かったね、角幡さん。

Posted byブクログ

2022/02/27

死ぬかも。 死ぬでしょ。 アウトでしょ。 ピンチという言葉が軽く感じる、人智の及ばぬ世界で生命の危機を次々と迎えた時に、何を考え、どう判断して、決断し、行動するのか。闇の中に身を置き、光と出会えた時に、人は何を思うのか。 自分が絶対に経験することのない大冒険を追体験させてくれる、...

死ぬかも。 死ぬでしょ。 アウトでしょ。 ピンチという言葉が軽く感じる、人智の及ばぬ世界で生命の危機を次々と迎えた時に、何を考え、どう判断して、決断し、行動するのか。闇の中に身を置き、光と出会えた時に、人は何を思うのか。 自分が絶対に経験することのない大冒険を追体験させてくれる、角幡さんの極地旅行記。 これほどの過酷さはなくても、誰しも人生には絶望的どと思える出来事があり、その処し方を思い出し、がんばったなあ自分、と労うことができるのもこの本のいいところ。 かけがえのないパートナーの犬のウヤミリックを殺して食べるのか食べずに済むのか。どうか無事にと願いつつ読んだ。 空白の五マイルとともに、読めてよかった。

Posted byブクログ

2022/02/13

極地を極夜に探検する。しかもGPS無しで。 システムにがんじがらめにされた現代社会にあっては、システムの外に出ることが探検だ、というのが角幡さんの持論。単なる光源・エネルギー源として矮小化された一恒星としてではなく、生命の根源としての太陽、本物の原始太陽を拝みにいくことが旅の目的...

極地を極夜に探検する。しかもGPS無しで。 システムにがんじがらめにされた現代社会にあっては、システムの外に出ることが探検だ、というのが角幡さんの持論。単なる光源・エネルギー源として矮小化された一恒星としてではなく、生命の根源としての太陽、本物の原始太陽を拝みにいくことが旅の目的だという。 なんだかとても崇高な、哲学的な感じのするテーマだなぁ、朝日新聞のインタビューでもかっこいいこと言ってるしなぁ、と思って本を開いたら、のっけからなぜか分娩の話で笑かされる。いや、たしかに陣痛促進剤入れられたら(入れられる前も)修羅場だけど、20時間超えたあたりから記憶は飛ぶけど、時空が歪むって、何だそりゃ。お産の現場って極地の爆裂ブリザードに喩えられるくらい、男性には衝撃なんですか、そうですか。 初出が文春オンラインだからなのか、読者へのサービス精神溢れる筆致で、ぐいぐい読まされる。けれど、内容は決して軽い訳ではない。生態系に組み込まれた生き物としての人間の姿が透けて見えてくる冒険行であることに、私は本書を読む意義を感じた。目の前の生き物がすべて食糧として捉えられる世界、人間の排泄物が他の生き物の食糧となる世界、人間もまた他の生き物からは食糧と見られている世界。システムの外にあるのは、生き物としての人間が生きている世界らしい。 システム、って、言葉を変えれば文明なのだろうけれど、何のための文明かと言えば、生物としては脆弱すぎるヒトという種が繁栄するためにあるわけで、その外には当然、身包み剥がれた毛のないサルがいることになる。単独行動する手ぶらのサルに生き延びるチャンスは、万に一つもない。どこまでを「システム」と考えて、どこからを生物としての必然と考えるかはけっこう恣意的な線引きになるけれど、解説の山極寿一先生によれば「おうちに帰るまでが探検」らしいので、そこを基準にふるいにかける感じなのかなぁ。 『空白の5マイル』など、角幡さんの他の著書も読んでみたくなった。

Posted byブクログ

2022/01/19

彼の最高傑作との評価を踏まえて読み、最高傑作かどうかについては判断を留保するものの、彼の良さが出ているとても素晴らしいノンフィクション作品だと思った。何よりその表現自体が僕の感性にとちもフィットしてとてもわかり易く感じる。その上、その冒険自体の困難さや不安な心情、生きる上での覚悟...

彼の最高傑作との評価を踏まえて読み、最高傑作かどうかについては判断を留保するものの、彼の良さが出ているとても素晴らしいノンフィクション作品だと思った。何よりその表現自体が僕の感性にとちもフィットしてとてもわかり易く感じる。その上、その冒険自体の困難さや不安な心情、生きる上での覚悟がとても強く伝わって来た。これほどの旅を構成をしっかり整理して表現する事の困難さはある意味冒険以上の難しさのように感じるほどとても良くまとまっていると感心した。誰かが叙情的表現と言っていた気がするが、小説的でもあり、優れたノンフィクションライターだと思う。まあ、僕が評価しなくても各種の主要な賞を総ナメしている訳なので充分凄いのはわかると思うけど。

Posted byブクログ

2022/01/10

久々に角幡さんの本を読んだら、文章に人間味が増してて非常に読みやすくなっていた。 さておき、極夜がどうとかもおいとおて、人間、大きな仕事(冒険?)を成し遂げるのは35-40というのはいい得て妙な話で、果たして自分はどうだったんだろうなと身につまされる思いだった。

Posted byブクログ

2021/12/27

大変面白かった。 これからの冒険というのは脱システムであるという考え方に、冒険家というものが転換期にあることを強く感じさせられた。 ただ、脱システムでありながら途中衛星電話を使うなど、自分の命を守るためにはシステムから完全に抜け出せない点に現代の冒険家のジレンマを強く感じさせられ...

大変面白かった。 これからの冒険というのは脱システムであるという考え方に、冒険家というものが転換期にあることを強く感じさせられた。 ただ、脱システムでありながら途中衛星電話を使うなど、自分の命を守るためにはシステムから完全に抜け出せない点に現代の冒険家のジレンマを強く感じさせられた。 作者の特性もあるだろけれども、これからの冒険家はバカではできないんだなと強く感じた。

Posted byブクログ

2021/11/10

子供の出産はしたことが無いけれど命懸けだと言うのは伝わってきた それぞれの人間、育った環境によって太陽がどう見えるか変わるだろう でも、変わらなくもある そんなふうに読み取れる 闇は人を不安にさせて光は人に希望を与える 太陽の光は義務感を生じさせる 朝だ朝ごはん 昼だ昼ごは...

子供の出産はしたことが無いけれど命懸けだと言うのは伝わってきた それぞれの人間、育った環境によって太陽がどう見えるか変わるだろう でも、変わらなくもある そんなふうに読み取れる 闇は人を不安にさせて光は人に希望を与える 太陽の光は義務感を生じさせる 朝だ朝ごはん 昼だ昼ごはん 夜だ夜ごはん

Posted byブクログ