ブルースRed の商品レビュー
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直木賞受賞作家、桜木紫乃氏の新刊ということで、何も知らずに「ブルースRed」を先に読んだ。舞台は著者の出身地、釧路で、すでに亡くなった「影山博人」という人物の夫人の連れ子であり、博人の意志を受け継いで街の裏社会を取り仕切る莉菜と、その周辺に起こる出来事を描いたハードボイルド的作品。登場人物がみんな、博人にあこがれ、その影を追い求め、魅せられているのだが、その博人がいかなる人物かはほとんど取り上げられず、やたら凝った表現の多い作風から「そういう技法の作品」なのか、と納得して読んでいたが、読み終えてレビューを見てみると、何とこの作品は「ブルース」という前作の続編なのだとか。知らずに読む自分も自分だが、どうりでよくわからない部分が多いな、と納得。さっそく「ブルース」も読んでみる。 で、こちらは生前の影山博人のことがたっぷり書かれており、手足の指が生まれつき6本ずつあったこと、崖下の長屋で狂った母と一緒に暮らしていたこと、夜の営みがうまく関わった女性たちが次々に魅了されていくこと、やがて釧路の裏社会を仕切る存在となり、幼馴染の女性と夫婦になること、そしてその連れ子が莉菜であることなど、すべてがつながっていく。 偶然の産物ではあるが、こういう読み方も面白いかも、と思った。
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「ブルース」続編。前作の圧倒的存在感だったヒロトに対し今作の主人公莉菜は弱いかな。「女のワルにはできないことがない」と言うけど、時間が飛んで、結果を知らされるのだけれどワルの部分の描写が物足りない。莉菜の暗躍する場面をもっと見たかったかな。義理の父に恋焦がれた孤独な女と、栄枯盛衰...
「ブルース」続編。前作の圧倒的存在感だったヒロトに対し今作の主人公莉菜は弱いかな。「女のワルにはできないことがない」と言うけど、時間が飛んで、結果を知らされるのだけれどワルの部分の描写が物足りない。莉菜の暗躍する場面をもっと見たかったかな。義理の父に恋焦がれた孤独な女と、栄枯盛衰が哀愁を感じさせる。
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※ 地域の裏社会の主だった父の意志を継ぎ、 感情を押し殺して色と黒のどちから一方で 生きる主人公の莉菜。 地域の経済と政治を裏側から支える、 父と娘二代の生き様を描いた物語。 時代は刻一刻と変化し古いものは廃れ、 新しいものにその場所を譲り変化していく。 人生も社会も例外な...
※ 地域の裏社会の主だった父の意志を継ぎ、 感情を押し殺して色と黒のどちから一方で 生きる主人公の莉菜。 地域の経済と政治を裏側から支える、 父と娘二代の生き様を描いた物語。 時代は刻一刻と変化し古いものは廃れ、 新しいものにその場所を譲り変化していく。 人生も社会も例外なく盛りと衰退があるんだと 見せつけられ、物悲しく感じる一方で自然なこと だと納得もさせられました。
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[図書館] 読了:2023/6/6 ええ…という感じ。前作の莉菜からの延長線上にこの莉菜がいるとも思えない。第5話のも作者が言う「ある想いを遂げ」たように読めなかった。ただの義務の一環、みたいな。「やるべきことをやる」の一つとして。 前作の美樹も、あの後こうなるようにはとても...
[図書館] 読了:2023/6/6 ええ…という感じ。前作の莉菜からの延長線上にこの莉菜がいるとも思えない。第5話のも作者が言う「ある想いを遂げ」たように読めなかった。ただの義務の一環、みたいな。「やるべきことをやる」の一つとして。 前作の美樹も、あの後こうなるようにはとても思えなかった。千雪も前作で兄の支配から逃れられたと思ったのにこんな風になっているとか。コミック版の影響が強いからかな…。 あとサイトウシズカ(漢字もほぼ同じ)、日舞、葬儀屋、グラビアアイドルの経歴って、解説書いてたあの方やん。別に嫌いな人ではないのだが、楽屋落ちっぽくていま一つ楽しめなかった。
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みんな、色んな意味で影山博人という男のことを忘れられないんだな、という印象。ブルースのあの薄黒いのに光っているような影山博人に私も惹かれた1人なので、この続編にも期待しすぎたのか、そこまで物語に引き込まれなかった。 全然共通点もないはずなのに、莉菜の気持ちがわかる瞬間があった。義父博人を男として慕っていたことや、どんどん博人に似てくる武博のこと、女としての自分の人生を振り返ったとき。 強い女性だし私には到底なれないけど、目的のためには残酷なことも厭わないというその生き方を貫くことが、彼女にとっては原動力というか支えなのかなーとか思った。 野暮だけども、支静加さんは弥伊知の本当の妹ではないの?妻としてってことは…?ん?
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図書館にて。 「ブルース」の続編、一筋縄では行かないとおもっていたけれど、孤独感が増した気がする。 前作で義父が自分のせいで死んだという喪失感を抱えて、その事業を引き継ぎ生きていくのは重い。 判断力決断力があり、間違わない。冷静かつ冷酷。 どうやってもそんな人にはなれないけれど、...
図書館にて。 「ブルース」の続編、一筋縄では行かないとおもっていたけれど、孤独感が増した気がする。 前作で義父が自分のせいで死んだという喪失感を抱えて、その事業を引き継ぎ生きていくのは重い。 判断力決断力があり、間違わない。冷静かつ冷酷。 どうやってもそんな人にはなれないけれど、心の中にそんな部分を入れておきたい、怖さ故に憧れる一面。 そのためにこの本を手元に置いておきたいような気もする。 影山の一人息子の武博を巡る物語も魑魅魍魎。 確かになかなかの器なのかもしれないけれど、登っていく周りがキナ臭いし、こんなことばかり延々とやっていたなら政治は良くなりようがない。 結局莉奈が引き継いでやってきた影山の目的は何だったのか? 日本は衰退するわけだなと気持ち悪さが残った。
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前作の衝撃的なラスト‼ どう展開するのか、わくわくドキドキしながら、一気読み♪ 釧路の小さな田舎町を舞台に、町を牛耳る彼女は一体なんのために生きているのか? 彼の影を追い続けていたようで、実は違っていたのかもしれない。『男と違って、女のワルにできないことはない』を実践する彼女...
前作の衝撃的なラスト‼ どう展開するのか、わくわくドキドキしながら、一気読み♪ 釧路の小さな田舎町を舞台に、町を牛耳る彼女は一体なんのために生きているのか? 彼の影を追い続けていたようで、実は違っていたのかもしれない。『男と違って、女のワルにできないことはない』を実践する彼女に見えていたものは……。 齢60を向かえる彼女の終焉の地は、遥か遠い……。 刹那さの裏に、なぜか?温かみを感じる。。。
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好きな感じの話だったけど、いまひとつ盛り上がりにかけた。前作があったのかと思うほど過去の人物に一同陶酔していた。過去作があったなら読んでみたい。
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これ、続編であったか。 桜木さんは北海道。特に出身地釧路が舞台のもノが多くこれも釧路が舞台。 政治の表舞台に出ない裏家業? の人々の物語。 前日譚にあたる「ブルース」を読んでからもう一度読み返したいです。
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舞台は北海道の釧路 桜木さんの書く本で度々、登場しますね。 今回は、娘の梨奈が主人公でした。 悪女!ただ、そこまで嫌いになれない‥ 男と女、夜の繁華街、権力、駆け引き、 紫乃さんの書く危うい世界、入り込みました。 まち子、潔いな〜 弥伊知、支静加、忠義が流石です 裏社会の世界を見せてくれる一冊を堪能しました✨
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