夜中の電話 の商品レビュー
井上さんにがんが見つかり、闘病生活に入ってから、次女の麻矢さんがこまつ座を引き継ぐことになった時から始まった、井上さんから麻矢さんへの夜中の電話。 井上さんも麻矢さんも一貫して、こまつ座の存続のためだけに心を砕き、そのためのアドバイス、励ましなど、その一言も聞き漏らさまいと、麻矢...
井上さんにがんが見つかり、闘病生活に入ってから、次女の麻矢さんがこまつ座を引き継ぐことになった時から始まった、井上さんから麻矢さんへの夜中の電話。 井上さんも麻矢さんも一貫して、こまつ座の存続のためだけに心を砕き、そのためのアドバイス、励ましなど、その一言も聞き漏らさまいと、麻矢さんは指にまめをこしらえながらメモをとり、受話器を置いたときは耳が痛くなっているのが常だった。 そんな期待に応えようと、麻矢さんは決して弱音を吐かず、 二人の娘を育てながら、時間とお金のやりくりに奔走する毎日。 そこまでしてでも守りたいもの、父ひさしさんの大事なこまつ座。 そこまで信頼して、父について行こうと思わせる親子の絆。 機会があればこまつ座のお芝居をぜひ見てみたい。
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井上ひさしが直木賞を受賞した時、『ひょっこりひょうたん島』の作者だと知って驚いたのを思い出す。こまつ座の芝居もいくつか見ました。どれもが素晴らしいものでした。『国語元年』は特に印象的でした。『吉里吉里人』も『四千万歩の男』も常人の技ではありません。晩年、病床にある時、三女とやり...
井上ひさしが直木賞を受賞した時、『ひょっこりひょうたん島』の作者だと知って驚いたのを思い出す。こまつ座の芝居もいくつか見ました。どれもが素晴らしいものでした。『国語元年』は特に印象的でした。『吉里吉里人』も『四千万歩の男』も常人の技ではありません。晩年、病床にある時、三女とやりとりをした中に現れた77の名言。ことに「問題を悩みにすり替えない。問題は問題として解決する。」 「社会性というのは、特別なことではなく、自分が持っている傘や荷物が後ろの人に当たっていないかどうか、気遣って道を歩けるかどうかである。」この二つが特に印象的でした。
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