心はどこへ消えた? の商品レビュー
令和版河合隼雄のような雰囲気。まえがきにあったようにかつて(90年代)は、河合隼雄をはじめとする心理学者の本が溢れ、事件が起きれば「心の闇」が語られていた。でも今は「心の闇」より「社会の歪み」。心理的な問題が起きていても、カウンセリングよりも、生活費の支給や労働環境を変えるなどの...
令和版河合隼雄のような雰囲気。まえがきにあったようにかつて(90年代)は、河合隼雄をはじめとする心理学者の本が溢れ、事件が起きれば「心の闇」が語られていた。でも今は「心の闇」より「社会の歪み」。心理的な問題が起きていても、カウンセリングよりも、生活費の支給や労働環境を変えるなどの社会的経済的なケアが必要との認識に、社会が変わってきた。大人になったからわかる。確かにお金と生活基盤は超重要。でも、そんななかの、それでも、心を探して、心に寄り添い続ける著者のエッセイ集だ。時々軽妙すぎて読むのがしんどかった。
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臨床心理士のカウンセラー、とても興味があります。 いろいろな心の問題、深刻にならず、楽しく興味を持って読むことが出来ました。 日本も欧米のように、気軽に相談できるかかりつけカウンセラーの仕組みがあると良いのにと昔から思ってます。 保険適用など制度や法律などの問題はいろいろあ...
臨床心理士のカウンセラー、とても興味があります。 いろいろな心の問題、深刻にならず、楽しく興味を持って読むことが出来ました。 日本も欧米のように、気軽に相談できるかかりつけカウンセラーの仕組みがあると良いのにと昔から思ってます。 保険適用など制度や法律などの問題はいろいろあるのでしょうけど、少しでも心が消えないような日々を送りたいものです。
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コロナなど、大きすぎる物語が私たちを飲み込んでいくなかで、クライアントの小さすぎる物語と向き合う。最近、生活習慣病も精神病も背景にある社会的な問題に目を向けるべきと言われるけど、心に向き合うことも忘れちゃならないなと改めて感じさせられた。
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コロナ禍の命がけの社交、過酷な働き方、段ボール国家…。今ほど心が蔑ろにされている時代はない。それはなぜかを解き明かすとともに、心の在り処を探る。心を取り戻すための小さな物語が満載。『週刊文春』連載を書籍化。 軽いけど重い話だった。
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自己啓発? かかった時間 90分くらいだろうか 臨床心理学者のエッセイ集。新聞連載がちょっと面白かったのと、ちょっと興味があったので、読んでみた。 書かれていることはたぶんちゃんとしたことで、たぶんこの人らしい文章なのだと思う。ただ、おそらく自分の(自分の認識している?)心理...
自己啓発? かかった時間 90分くらいだろうか 臨床心理学者のエッセイ集。新聞連載がちょっと面白かったのと、ちょっと興味があったので、読んでみた。 書かれていることはたぶんちゃんとしたことで、たぶんこの人らしい文章なのだと思う。ただ、おそらく自分の(自分の認識している?)心理学観?というかココロ観?と合わない部分もあるので、こんな感じ。 なんとなく、全体的に「きれいなお話」が好きな人なんだなと思った。週刊誌の読者に合わせているだけなのかもしれないけれど。
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心理学者のいろいろなカウンセリングのお話が聞けて良かったです。読んでいておもしろくもありながらいろいろ考えることができました。
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ユーモアのある文章で楽しく読める。そして難しいことを、易しく表現してくれるので分かったような気になる。ただ読み終わってみて、これからの生きる指針が得られたかと言えば、霧の中にいるような感じもする。▼<下級動物霊の夜>心理学者も人の子。環境が変われば人格が変わる。誰かの人格を変えた...
ユーモアのある文章で楽しく読める。そして難しいことを、易しく表現してくれるので分かったような気になる。ただ読み終わってみて、これからの生きる指針が得られたかと言えば、霧の中にいるような感じもする。▼<下級動物霊の夜>心理学者も人の子。環境が変われば人格が変わる。誰かの人格を変えたければ、優しくしてあげるほかない。▼<仮病は心の風邪>心は炎症を起こし発熱している。仮病の演技に乗ってあげるべきだ。▼<ハルマゲドンの後で>全国の劣等生を抱えた保護者と教師の皆様に言っておきたい。劣等生に「勉強しろ」と発破をかけても、「なんで勉強しないのだ」と怒っても無駄だ。劣等生は勉強しなくちゃいけないのは重々承知で、そうできない自分を既に深刻に責めているからだ。劣等生は自滅している。その心は自己破壊的になっていて、ぐるぐると悪循環をなしている。心理士になった今、あの謎は解ける。あれはやはり「うつ」だった。▼<未来を冷遇する>未来を生きるために不可欠なのは、希望だ。現在の自分に希望を抱けるからこそ、人は未来を想像し、アクションを起こすことができる。ありきたりな言葉にすると「自己肯定感」となるかもしれない。しかし、本来自己を肯定するのは自己ではなく、他者だ。もっと言えば、社会にもその義務がある。
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臨床心理士である著者のもとを訪れる人たちのエピソードをフィクションに構成し直して交えつつ、著者の別人格バジー東畑のエピソードが語られる。 バジー東畑のエピソードも含め全体的にリアルよりは色付けされているように感じた。依頼者のエピソードを開示できないのは理解するが、個人的な物語が消...
臨床心理士である著者のもとを訪れる人たちのエピソードをフィクションに構成し直して交えつつ、著者の別人格バジー東畑のエピソードが語られる。 バジー東畑のエピソードも含め全体的にリアルよりは色付けされているように感じた。依頼者のエピソードを開示できないのは理解するが、個人的な物語が消えつつある、、と本の中にあるように、さまざまなエピソードを構成し直すことはそこに生きている人がいるという個人性が感じらず、その人にしか語れない物語性から離れてしまうのだなと思った。
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臨床心理士ならではの目線や解釈になるほどなぁと思いつつ、軽快な語り口で心地よく楽しく読めました。 難しいビジネス本でもなく、小説でもなく、今このコロナ禍を生きる人々とのリアルな接点を客観的に読めることは、みんないろいろあるんだよなと実感できて癒されました。
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すごく心に沁みた…。 心は物語を求めている。 人の物語で癒される自分を発見。 筆者のカウンセリング受けたくなる。そして続編を期待したい。
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