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はりま陰陽師紀行 の商品レビュー

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2024/03/07

「魔都京都で颯爽と怪しいモノどもを倒す、イケメンゴーストバスター!!」…というカッコいい陰陽師像だけだったら、逆にこれほど興味をそそられないのかもしれない。 何かしらの材料はありながらも、はっきりとした史料に乏しいため、ぼんやり霧のなかにある状態の 陰陽師地域としての播磨。 暦、...

「魔都京都で颯爽と怪しいモノどもを倒す、イケメンゴーストバスター!!」…というカッコいい陰陽師像だけだったら、逆にこれほど興味をそそられないのかもしれない。 何かしらの材料はありながらも、はっきりとした史料に乏しいため、ぼんやり霧のなかにある状態の 陰陽師地域としての播磨。 暦、民間芸能、渡来人からもたらされた大陸の信仰…土臭く混迷を極める背景のなかに在野の陰陽師の姿が、見えるようで見えない。 特に万歳や歌舞伎などの民間芸能は一般的な陰陽師観とは乖離しているが、近世陰陽師を考えるのに需要な要素のひとつというのがよくわかった。 コラムで紹介される播磨の各地に残る道満や晴明の伝承も、怪しさと謎 を添える。 単純でわかりやすく、見目良くかっこよく、エモいことが耳目を集めることが多い昨今。こうした泥臭くわかりづらい郷土誌の陰陽師は流行らないかもそれない。 しかし、わかりづらいからこそ噛めば噛むほどうまい、調べがいのあるものなのは確か。 もう少し、この魅力的で複雑怪奇な陰陽師について調べてみたいと思った。

Posted byブクログ