漂流物・武蔵丸 の商品レビュー
帯に「私小説の極北」とあるが、この短編集に収められているのは必ずしも私小説だけではない。母親の語りが続く「抜髪」、料理人時代の同僚が語る「漂流物」、直木賞受賞時の日記など、バラエティに富んだ構成で著者の作品の幅が楽しめる。 まさに「漂流物」として世捨て人を目指して生きてきた著者で...
帯に「私小説の極北」とあるが、この短編集に収められているのは必ずしも私小説だけではない。母親の語りが続く「抜髪」、料理人時代の同僚が語る「漂流物」、直木賞受賞時の日記など、バラエティに富んだ構成で著者の作品の幅が楽しめる。 まさに「漂流物」として世捨て人を目指して生きてきた著者ではあるが、本書で語られる様々な文学賞(非)受賞の顛末などを知ると、あえて俗物性を全開に自身を戯画化していて、そうした所こそまさに自分の肉を切ってこその小説であるとの持論が徹底されている。まさに「最後の文士」とも呼ぶべき作家である。
Posted by
車谷長吉氏の著作を読むのは3作目。 数奇な人生は、本作の作中の著述と夫人の巻末エッセイ「けったいな連れ合い」で 知りました。 また著者の最期についてはwebで知りましたがあり得ない最期、放浪の旅のさなかでは料理人としての仕事もしていた筈だったのに…。 Punksを体現した生き様だ...
車谷長吉氏の著作を読むのは3作目。 数奇な人生は、本作の作中の著述と夫人の巻末エッセイ「けったいな連れ合い」で 知りました。 また著者の最期についてはwebで知りましたがあり得ない最期、放浪の旅のさなかでは料理人としての仕事もしていた筈だったのに…。 Punksを体現した生き様だったのか…。 本編では「武蔵丸」「狂」が印象に残りました。
Posted by
平林たい子賞、川端康成賞受賞の表題作二篇ほか短篇小説と講演「私の小説論」、随筆を併録した直木賞作家の文庫オリジナル選集。〈巻末エッセイ〉高橋順子
Posted by
- 1