九十八歳。戦いやまず日は暮れず の商品レビュー
今年80歳になる祖母に薦められて、読んだ。「あっ、自分はこうやって捉えてしまうけど、佐藤愛子さんはそうやって捉えるんだ」、と感じる瞬間が何度か訪れた。 こんな風に、価値観が揺らいで視野が広がっていくのは楽しい。
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愛子さんが友だちから聞いた、戦争のころの話。読んで涙でてきた。 涙も笑いもでてくる、なんとも言えない気持ちになった。
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最近エッセイを読むのが楽しくて、本屋で手に取り読みました。 ちょうど12月、1月ごろが天中殺で、調子が良くない、ペースが掴めないことが多くてモヤモヤしていたが、毎日が天中殺だと思えば気が楽だという気持ちの持ちようにだいぶ救われた。 そのときそのときで救ってくれる言葉と出会える...
最近エッセイを読むのが楽しくて、本屋で手に取り読みました。 ちょうど12月、1月ごろが天中殺で、調子が良くない、ペースが掴めないことが多くてモヤモヤしていたが、毎日が天中殺だと思えば気が楽だという気持ちの持ちようにだいぶ救われた。 そのときそのときで救ってくれる言葉と出会える読書を大切にしたいと思う。
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何気ない言葉でも90歳を超えた方のものだと何故かありがたがられる不思議。しかし、あと数十年は経験できない「老い」の日常を細かに書いてくれているので、気構え過ぎず心の準備が出来るような気がして参考になる。これで断筆らしいが、老いていく日常エッセイをこれからも読みたいので是非また筆を...
何気ない言葉でも90歳を超えた方のものだと何故かありがたがられる不思議。しかし、あと数十年は経験できない「老い」の日常を細かに書いてくれているので、気構え過ぎず心の準備が出来るような気がして参考になる。これで断筆らしいが、老いていく日常エッセイをこれからも読みたいので是非また筆を取っていただきたい。 山田太一編「生きるかなしみ」にも載ったように、歳をとったからといって健康や充実を目指して躍起になってなんになる、といったようなありのままを受け入れる考え方を改めて読むことができて良かった。 「前向き、後向き、どうだっていい。老いた身体が向いている正面を向いていればいい。」見習いたい。 また、昭和10年頃は受験のための特別な居残りや家庭教師を禁止する通達が文部省から出ていた事や戦時中の生活について経験者の思い出など、今ではなかなか聞けない話は興味深かった。 しかし、自身に対する皮肉や揶揄であるだろうが、他人や世間に悪態をつき悪口を連ねた部分が多く、私には合わなかった。 著者が生きてきた時代は今よりも儒教思想が根強く男尊女卑や格差もあからさまだった中で、彼女のように離婚を繰り返し自ら金を稼ぎ自立して社会的な苦境を跳ね返す様は尊敬するが、それだけに、名誉男性のようになってしまって他の女性を馬鹿にし笑いを取るという手法は残念であった。「時代遅れ」と言わざるを得ないが、著者本人はこんな言葉を気にはしないだろうし、それはそれで良いと私も思う。人の価値観は時代や地域といった環境によってつくられるので、著者を責めているのではなく(むしろ生きてきた環境を考えれば進歩的ですらある)、帯に「抱腹絶倒」とまで書いてしまった編集者の感覚に何よりもがっかりした。今後を担う人たちがこういう感覚では、著者が跳ね返してきた男女格差は今後もまだまだ健在するのだろうな。
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本当に書くのをやめてしまったのだなと思うと、なんだか寂しい。 瀬戸内寂聴さんが亡くなって、お気を落としなんじゃないかと思いを馳せる。 ひと時の、怒り満載な感じはなくなっているけれど、 少しでも長生きしていただきたい。 本の感想じゃないけど。
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私は、この人の本がなぜ売れるのか理解できません。悪口言い放題、意地悪婆さんの見本のようではないか。 この本で絶筆だそうだが、「チッ」なんて舌打ちの言葉を入れる所が、あまり褒められないと思うのですが…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私が初めて佐藤愛子さんの本を読んだのは中一、「娘と私の時間」というエッセイでした。とにかく面白くて、すぐに「娘と私のアホ旅行」を買いました。 それから40年近い月日が流れ、久しぶりに先生の本を読んで、まず感じたのは「愛子節健在!」 まどろっこしい事が大嫌い、一刀両断に切り捨てる物言いがスッキリ爽快で面白い!(特にP189~190さようならみなさん の保険外交員のくだり) 他には、思い出考、ブルンブルン体操、小さなマスク、釈然としない話 が特に印象に残りました。 戦争時の悲惨な話が、今の世代には笑い話にしか聴こえない‥当事者としてはさぞ辛かろうと思われます。 読み終えた感想 貴方は最後までブレることのない、立派な女性です! 長い間本当にお疲れさまでした。 どうか安らかな余生を過ごされます様に。
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「これでおしまい 我が老後」を67歳の時に書いてから、 「なんでこうなるの」 「だからこうなるの」 77歳「そして、こうなった」で、終わりにするつもりだったが、 「それからどうなる」 82歳「まだ生きている」と、続く。 ここで随分と長い老後だと感じ、もうやめるはずが85歳でま...
「これでおしまい 我が老後」を67歳の時に書いてから、 「なんでこうなるの」 「だからこうなるの」 77歳「そして、こうなった」で、終わりにするつもりだったが、 「それからどうなる」 82歳「まだ生きている」と、続く。 ここで随分と長い老後だと感じ、もうやめるはずが85歳でまた書き出し、 「九十歳。何がめでたい」がベストセラーになる。 この「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」で断筆する決心をした。 断筆するにも、もっともらしい理由付けをしており、佐藤愛子さんらしさは最後まで失われていない。 老いてからの長い歳月を前向きに過ごすにはどうすればいいか。 そのコツをという質問のコメントを求められた佐藤愛子さん。 「前向きもヘッタクレもあるか!」というのが本音だがそうは答えられない。 目も耳も心臓も悪いし、血圧は高いし腰はヘナヘナ。 ただ声は大きくよくしゃべる「口だけ達者」なので元気そうに見えるだけだ。 老後のありようは「前向き」などではない。 成り行きにまかせ、死ぬ時がくるのを「待つともなしに待っている」という境地が理想である。 という佐藤愛子さんの最後のエッセイに本当になりそうです。
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何がめでたい程の勢いと面白さはなかったがちょいちょい笑えるエッセイ。 最後の年表だけでも波乱万丈の人生。 そして97歳まで書き続けてこられたとてつもない作家さん。 最後の作品ということで少し寂しいが、お疲れ様でした。
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最後の著書ということで少し悲しい。 本の中でも自身の老いへ抗ったり、受け入れたり。佐藤さんの人柄が本から滲み出てて好きな本。 笑って笑って泣ける。
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