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無理ゲー社会 の商品レビュー

3.6

124件のお客様レビュー

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2024/02/29

1960年代、平和で豊かな時代が続いた中、アメリカ西海岸で「自分らしく生きる」というリベラルな社会の新たなルールが生まれ、世界中に浸透する。そのなかで社会的・経済的に成功したものが評判と性愛を獲得するという困難なゲーム(無理ゲー)を一人で攻略しなければならない。誰もが知能と努力で...

1960年代、平和で豊かな時代が続いた中、アメリカ西海岸で「自分らしく生きる」というリベラルな社会の新たなルールが生まれ、世界中に浸透する。そのなかで社会的・経済的に成功したものが評判と性愛を獲得するという困難なゲーム(無理ゲー)を一人で攻略しなければならない。誰もが知能と努力で成功できるという建前ではあるが、上下の格差が大きくなった社会が生まれている。 [無理ゲー社会とは超格差社会のこと] この本で描かれている無理ゲー社会とは大きく広がった格差社会のこと。昔から格差は存在しているけれども、現在はその格差が上下で大きく開いている。ここでは格差として知能格差社会、経済格差、性愛格差としてそれぞれ取り上げられている。 まず知能格差社会では、「能力主義」と訳すメリトクラシーを中心に、その背景として「教育によって学力はいくらでも向上する」「努力すればどんな夢でも叶う」という信念がある。これらの考えは「リベラルな社会」を成り立たせる最大の神話となっているけれども、不平等の原因として是正措置が検討されている。最近話題となった遺伝ガチャという言葉だが、昔から遺伝ガチャだとは思うものの、ここでは多くの日本人は日本語読解力が低いことを指摘されている。 次に、経済格差ではアメリカの白人の大卒と非大卒とを比較して、非大卒の自殺の多さを取り上げ、特にアメリカでは学歴によっては経済的な苦境に陥ることが分かる。日本における非大卒の経済的苦境と、非大卒が教育に期待しなくなってしまったことを挙げられている。 最後に、性愛格差として、男が競争し、女が選択する、という状況の中アルファと呼ばれる社会的・経済的地位の高い男に圧倒的に優位な恋愛市場となっていること、貧乏な男はモテないという現実が描かれている。

Posted byブクログ

2022/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

資本主義から能力主義になることで 「自分らしく生きられる」社会になると思いきや 能力のない人にとってはより残酷な状況となる。 能力(才能)はほぼ遺伝で決まっているので これってもはや「無理ゲー」じゃない?という本。 「自分らしく生きる」という言葉が 多くの人を苦しめてるっていうのすごく共感できました。 SNSでも成功している人をフォローすることで 自己啓発のための刺激をもらうことができますが 自分の能力が追いついていない中で そういう投稿ばかりを目にしまくってると 息苦しくなっちゃうことがあります。 この本の締めには個人への解決案は 提示されていませんでした。 それほど社会が「無理ゲー」になっているのなら もう開き直った方が気が楽ですね~ 自分としては「努力」することより「没頭」できることに 人生の時間を費やしたいと思いました。

Posted byブクログ

2022/03/27

現代社会で起こっている現象についてソースを明確にしながら深く抉っていくことで究極の要因を洗い出していく本書の感じは、ただただ面白いだけでなく読んでいて爽快感まで与えてくれる。

Posted byブクログ

2022/03/22

読んでガツンときた。本人のやる気や気持ち、親ガチャとかいう単純な話ではなく、避けようのないまわりから固められてしまう道であり、自殺する権限を願う気持ちが本心で存在するのだということを理解した。 もちろん最適解ではないと信じたい。 不平等ではなく不公平を許さない社会。 どうにかでき...

読んでガツンときた。本人のやる気や気持ち、親ガチャとかいう単純な話ではなく、避けようのないまわりから固められてしまう道であり、自殺する権限を願う気持ちが本心で存在するのだということを理解した。 もちろん最適解ではないと信じたい。 不平等ではなく不公平を許さない社会。 どうにかできないかと思う気持ちの中で、自分は恵まれているだけだという感情があることにも気づき、なにも動けない自分がいた。 75冊目読了。

Posted byブクログ

2022/03/11

理不尽な競争にさらされている無理ゲーの社会。結果の不平等は必然。格差はなくならない。成熟がこのような社会を生み出す。身もふたもないが反論は難しい。生きづらい社会だ…。

Posted byブクログ

2022/03/10

話題の本なので読んでみた。 伝えたいことはわからなくもないけれど、犯罪のような特殊な事例を一般論に落とし込むのは無理があるような気がするのは僕だけだろうか。

Posted byブクログ

2022/03/09

興味深くて大好きな橘玲さんの本。上級国民/下級国民を読んだ時から、社会学に興味が湧き、本著も面白いだろうなとすぐさま購入しました。特に興味深い記述はやはり、ミルトン・フリードマンの「負の所得税」の考え方でしょうか。そこに至るまでのモテ/非モテの象徴、加藤智大の「東拘永夜抄」につい...

興味深くて大好きな橘玲さんの本。上級国民/下級国民を読んだ時から、社会学に興味が湧き、本著も面白いだろうなとすぐさま購入しました。特に興味深い記述はやはり、ミルトン・フリードマンの「負の所得税」の考え方でしょうか。そこに至るまでのモテ/非モテの象徴、加藤智大の「東拘永夜抄」についての記載や実際の掲示板のやり取りも面白かったですが、やはり気になるのはこれからの社会がどうすれば良くなるか(結論はでませんが)といったいったところに対する"賢い人"の考えですね。また、日本の安倍首相が行った一律10万円ばら撒きも政策的に実にお粗末でやっつけなものでイギリスでは、本当に困っている人に給付金がいくような政策が取られているなど、知らないことばかりでした。世の中について興味がある方は是非どうぞ。

Posted byブクログ

2022/03/06

タイトルは現代にとても刺さるもので、内容もその名の通りめった刺し(切り)でした。 世の中は富が増え、自由に生きられるように「良く」なってきたが、それが現代の生き辛さの根本原因だということを、あらゆる現代の社会変革論を否定する内容で主張しています。 1つに意見に偏らないクリティカル...

タイトルは現代にとても刺さるもので、内容もその名の通りめった刺し(切り)でした。 世の中は富が増え、自由に生きられるように「良く」なってきたが、それが現代の生き辛さの根本原因だということを、あらゆる現代の社会変革論を否定する内容で主張しています。 1つに意見に偏らないクリティカルな視点(シンキング)を得られますが、この場合はうまくいかないだろう?と1つの例外を示すことでその論をダメだと片付けてしまう姿勢の方が悪目立ちしてます。この手の批判本に多い傾向ですが。(「批判」はできても「批評」に届いていない) 事前図書として、作者の「言ってはいけない 残酷すぎる真実」、マイケル・サンデル先生のハーバード白熱教室、斎藤幸平先生などの現代「資本論」を一読しておくと面白く読めると思います。また、変化球で「カオス理論」のマンデルブロも出てくるのでちょっと知識を入れておくとよいかも。 煽り耐性があり、陰謀論に惑わされない方には興味深い本ではあるので★3つにしておきます。

Posted byブクログ

2022/02/28

自分らしさ、って確かになんだろう。余裕が生んだ、産物かもな。世の中、豊かになったからこそ、格差が生まれて、思想が生まれて、より生きにくい社会になっているのかもな。 とりあえず、私にとって、この本の難易度は高く、理解するには時間を要しそうな気がした。この本を手に取っている時点で、...

自分らしさ、って確かになんだろう。余裕が生んだ、産物かもな。世の中、豊かになったからこそ、格差が生まれて、思想が生まれて、より生きにくい社会になっているのかもな。 とりあえず、私にとって、この本の難易度は高く、理解するには時間を要しそうな気がした。この本を手に取っている時点で、人生勝ちゲーかと思ったが、逆に現実を目の前に突きつけられたような気がして、そして今の自分の状況を見て、今後続くであろう長い人生、ディストピアになる予感がして、怖くなった。 なんの解決策も見出せず、ただ、呆然と立ち尽くすしかないのかな。才能がない、評価される値にない自分は。 ユートピア。等しく分配されたら、そうではなくなるのかな。もっと単純に人間生きられないのかな。

Posted byブクログ

2022/03/13

自分らしく生きると考えられるようになったのも、つい最近。1960年とか。 メリトクラシー 機会均等は実際に適用されると知能による不平等になる 親や教師からの教育よりも、友達集団の中でどういうレイヤーで過ごすかの方がよっぽどその人の性格を決める お金にいみがなくなると、人は評...

自分らしく生きると考えられるようになったのも、つい最近。1960年とか。 メリトクラシー 機会均等は実際に適用されると知能による不平等になる 親や教師からの教育よりも、友達集団の中でどういうレイヤーで過ごすかの方がよっぽどその人の性格を決める お金にいみがなくなると、人は評判・美の評価でしかなくなる「評判経済」 それがこのまま進むと本当に一部のエリートと、大量の無用者階級の二分化となる

Posted byブクログ