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無理ゲー社会 の商品レビュー

3.6

124件のお客様レビュー

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    16

  2. 4つ

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2022/05/28

格差に関する本を読んだことがない人には良い本かと思う。 社会の格差についての内容。学歴、所得、人種などの格差について説明されているが認識している内容ばかりだった。

Posted byブクログ

2022/05/28

「言ってはいけないから」の流れで、橘玲氏2冊目を通読しました。 マイケル・サンデルの「実力も運のうち」を、より日本社会の事例を引用して読み易く、それでいて橘氏のスパイシーな批評をまぶした作品です。 読み物とそしてはこちらの方が、好き嫌いははっきりしそうですが、楽しめました。 ...

「言ってはいけないから」の流れで、橘玲氏2冊目を通読しました。 マイケル・サンデルの「実力も運のうち」を、より日本社会の事例を引用して読み易く、それでいて橘氏のスパイシーな批評をまぶした作品です。 読み物とそしてはこちらの方が、好き嫌いははっきりしそうですが、楽しめました。 両名が共に触れているのは、人種差別や、性差別といった目に見える差別が、解消された後、残される最後の差別は、「知識差別・学歴差別」であるという点です。 頭の良さは一見、本人の努力の賜物のようにされているけれど、それは統計上誤っている。 遺伝や、親の年収によって、その知識・学歴は大きな影響を受けているのだ。そう彼らは辛辣に指摘します。 一昨年、「親ガチャ」という言葉が流行りました。 スマートフォンのアプリゲーム内には、抽選でゲーム内で使えるアイテムが手に入る、ガチャガチャのようなシステムがあります。 私たちは、自分の親の出自や学歴、年収、性格にいたるまで、そのガチャガチャと同じく、結果を選ぶことができません。 出てきて(生まれてきて)初めて、それが、ヒトが羨むようなものか、持っているのも嫌な、眉をしかめたくなるような酷いものかがわかります。 この言葉の裏には、自分たちの努力とは無関係に、今の社会では幸福になる道筋が閉ざされている。手元には何もない。 「親ガチャが外れた」そんな自虐が隠されています。 この本を読んで、親ガチャが個人的な自虐にとどまらず、社会研究で証明され始めたのだな、と感じました。 ただし真実を確信したとは言いません。 新たな調査から、この本の統計が誤りである可能性も将来的には考えられるからです。 ただ、流動的な事実として、親ガチャにはある種の真実に触れているかもしれません。 この世界は無理ゲー、攻略するのが不可能なゲーム、かもしれません。 残念ながら、この本の中結論部では、(無理ゲーと名付けただけあって)、攻略方法は書かれていませんでした。 それでも、生き抜く手練手管は自分で考えるしかない。 それが自由な世界。自己責任の海が広がる世界と言わんばかりです。 ディストピア小説を読むような。 ただ陰鬱にさせられる文章のようでいて、しかし読む前の自分には戻りたくない。 不思議な読後感を覚える作品でした。

Posted byブクログ

2022/05/22

もっと貧困社会や弱者若者の実例を上げて、ヤジる本かと思っていたら、メリトクラシーなど意外とまともな論理が展開されていた(笑) トランプ現象などは分かりやすく解説されているし、「非モテ社会」などの話しは、なるほどと思えるところもある

Posted byブクログ

2022/05/15

社会のレールからドロップアウトし、有力な人脈や自ら起業するような行動力、知力が無ければ、この世界では人並みには生きていけない。本著には性愛弱者としての非モテのテロリストも例として挙げられるが、問題の本質は年収における格差だ。年収の多寡により恋愛や結婚経験も変わる。こうした論調、論...

社会のレールからドロップアウトし、有力な人脈や自ら起業するような行動力、知力が無ければ、この世界では人並みには生きていけない。本著には性愛弱者としての非モテのテロリストも例として挙げられるが、問題の本質は年収における格差だ。年収の多寡により恋愛や結婚経験も変わる。こうした論調、論理展開において橘玲は一貫している。 教育システムが格差を決定づける。その上で、労働者階級は今や労働を奪われ、徐々に無用者階級になる。ベーシックインカムで救おうにも、付与する仕組みに限界があり、無制限に子作りだけする億万長者移民を生み出しかねない。低所得層だけではない。大卒であっても、不完全就業、つまり、大卒である必要がない仕事に就労しなければならない状態だ。社会変化に対して教育システムがズレている。 平和が続けば格差は徐々にベルカーブからロングテール化してくる。競争を前提とするシステムであれば結果的にそうなるのだろう。しかし、貧困が無敵の人をつくり、治安が安定しないならば、そこに税金を支払って、必要以上の収入は放棄しても良いのではないか。これをリセットする革命や戦争は、大国同士では行われなくなっている。 必ずしも資本主義が正しい訳ではない。新しいシステムに社会が移行するために、大多数の弱者の存在を考える必要がある。

Posted byブクログ

2022/04/29

久しぶりの橘さん、コロナ後バージョン。 相変わらずの質の高い分析。秋葉原の無差別殺人や相模原やまゆり園での障害者大量殺人事件。 世の中、努力だけでは変えられず、自分を守るためにその認知を変えて護るべき人まで攻撃してしまう。 中野信子さんが著作で述べられていた正義中毒然り、悲しい...

久しぶりの橘さん、コロナ後バージョン。 相変わらずの質の高い分析。秋葉原の無差別殺人や相模原やまゆり園での障害者大量殺人事件。 世の中、努力だけでは変えられず、自分を守るためにその認知を変えて護るべき人まで攻撃してしまう。 中野信子さんが著作で述べられていた正義中毒然り、悲しいことに人の脳にはそういう機能があるんだろうなぁ。 自分らしさを押し付けられる中で、どうしたら上級国民になれるのか。収入の多寡でなく、その方法は常に考えていたい。難しいものだからこそ。

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2022/04/18

無理ゲー社会と言われる社会構造と要因を理解するために手に取る。 色々な書籍からの考えを取り入れて、現在の社会構造を説明しており、頭の整理にはなった。 一方、無理ゲーの攻略方法は示されず、この社会の行き着く先のみが示され、やや消化不良な読後感だった。 印象に残ったのは下記の通り。 ...

無理ゲー社会と言われる社会構造と要因を理解するために手に取る。 色々な書籍からの考えを取り入れて、現在の社会構造を説明しており、頭の整理にはなった。 一方、無理ゲーの攻略方法は示されず、この社会の行き着く先のみが示され、やや消化不良な読後感だった。 印象に残ったのは下記の通り。 ・公平(機会平等)と平等(結果平等) ・才能を認めてくれる社会に生まれたのは幸福のおかげ ・本当に支援が必要なのは、頑張れない子供たち ・意識は地動説でも、無意識は天動説のまま ・陰謀論は、実存的な不安の解消と自我への脅威の軽減 ・希望の四騎士、テクノロジーの進歩・資本主義天丼反応する政府・市民の自覚 ・自分らしく生きたいという夢を諦めることはできない ・シングルマザーを男性や高齢者の失業者と同じとみなすことが、極端な貧困率の高さに結びついている ・反出世主義 ・マンデルブロのフラクタル(複雑系のスモールワールド)

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2022/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今の時代、生まれや能力といった手札に恵まれれば、一人ひとりが自分らしく生きることができる、リベラルな世界になっている。 だがその世界でうまく生きられない人々もいる。 彼ら彼女らにとっては、それが無理ゲー社会。

Posted byブクログ

2022/04/17

かつて存在していた身分や階級、人種、国籍、性別、性的指向などによる選別はリベラルな社会では差別と見なされる。それでも入学や採用、昇進などでは志望者の区別が必要で、そこで学歴、資格、経験など「属性」でないもの(=本人の努力で向上出来るもの)で評価される時代になった。しかしこれはきれ...

かつて存在していた身分や階級、人種、国籍、性別、性的指向などによる選別はリベラルな社会では差別と見なされる。それでも入学や採用、昇進などでは志望者の区別が必要で、そこで学歴、資格、経験など「属性」でないもの(=本人の努力で向上出来るもの)で評価される時代になった。しかしこれはきれいごとで… 自由になったはずなのに経済格差は教育格差を生み、教育格差は経済格差を生み、経済格差はモテ/非モテ格差を生み、女性の自立が進んだら非モテ男性が増えた。 リベラルな社会で「自分らしく」生きられない人は一体どうすればいいのか。この本に答えはない。

Posted byブクログ

2022/04/16

現代日本において、貧困や生きる希望がなく安楽死を望む人も増えているといった切り口から「無理ゲー社会」をどのように考えるべきか?を哲学的観点で語られている一冊。

Posted byブクログ

2022/04/27

  新しい価値観でヒエラルキーが出来上がると同時に弱者も誕生します。そこではじめて弱者がなぜ弱者なのか? の研究が始まるのではないでしょうか。  なので「こんな価値基準で人を評価すれば平等になるぞ!」と思って革命を起こしても階級ができて、原因を追究してしまうと全く平等じゃなかった...

  新しい価値観でヒエラルキーが出来上がると同時に弱者も誕生します。そこではじめて弱者がなぜ弱者なのか? の研究が始まるのではないでしょうか。  なので「こんな価値基準で人を評価すれば平等になるぞ!」と思って革命を起こしても階級ができて、原因を追究してしまうと全く平等じゃなかったと気づくのではないかと思います。

Posted byブクログ