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言語学バーリ・トゥード(1) の商品レビュー

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111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

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2022/07/17

プロレスや人工知能などそれぞれ特有の言葉使いに詳しくない私でも、序文から引き込まれ振り落とされず最後まで楽しく一気に読ませる筆力…各所から絶賛されているだけあって、最初から最後までおもしろかった!挿し絵の上島竜兵さんの勇姿も素晴らしい!本書のことは先週末亡くなった元首相の「言葉使...

プロレスや人工知能などそれぞれ特有の言葉使いに詳しくない私でも、序文から引き込まれ振り落とされず最後まで楽しく一気に読ませる筆力…各所から絶賛されているだけあって、最初から最後までおもしろかった!挿し絵の上島竜兵さんの勇姿も素晴らしい!本書のことは先週末亡くなった元首相の「言葉使い」と共に記憶に残る一冊になるはず。 紀伊國屋じんぶん大賞2022

Posted byブクログ

2022/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

めちゃんこ面白かった。 と、つい第一声から昭和っぽくなってしまうのだが、昭和の似たような世代に地方で育ったコンセンサスをなんとなく共有して読んだのも加味してかあまりに面白く一気読みであった。 内容は言語学をネタとしてはいるものの軽いエッセイで読みやすい。が、そこに何の必然もなく(著者的には必然なのだろうが)大容量のプロレスネタおよびユーミン・氷室京介・エマニエル坊やなどの絶妙に古い芸能ネタが混入されていてなんとも独特な味があってクセになるのである。 このプロレスに対する偏愛と韜晦と鋭い切れ味の文章が個人的にはナンシー関を思い出させてたまらなく、もっと売れて週刊誌あたりでバンバン書いてはくれないものかと妄想しながら読んだ。○春とか○潮とか、お好きですよね、こういうの。まあでも世相を言語学で切っちゃったりすると陳腐化しそうだから、『UP』あたりの絶妙な冊子で隔月連載というのがニッチでちょうどいいのかもしれないけど。 また、本文のイラストが大変素晴らしかった。痒いところに手が届くというのか、本文をちょこっと補足してさらにちょこっと膨らましたようなカットが秀逸。似顔絵としてもよく似ていて、YOSHIKIを描いた回は著者ご自身も気に入られていたようだが、とってもナイスでした。イラストは「コジマ コウヨウ」さん。忘れそうなので書いとく。 こんなナイスマッチの連載を組めるということは本文にも登場する編集T嬢はさぞかし敏腕なのであろう。素晴らしい。 ここまでべた褒めであるが、この勢いで家人に薦めたところ、読み始めたものの最初のほうで一度挫折しかけていた。私自身は最初から文体への親和性が高すぎて全く気がつかなかったのだが、どうも途中で微妙に文体というかテンションが変わっているらしい。連載1回めにあたる部分はちょっと表現的に引っ掛かる場所が多くて難儀だったらしいが、2回めからはスムーズに読めたとのことである。なので、最初ちょっと文章が苦手だな、と思った方もしばらく辛抱して読んでみてほしいことである。絶対面白いから。 あと、プロレスネタが多いのが難儀というレビューも散見したが、これはもう諦めるしかない。なんだろう、プロレス好きの女性の著作物は妙に面白いものが多いので好んで読むことも多いのだが、私自身はプロレスは全くわからない。でもプロレスのところはわからなくてさーっと読み流しても大丈夫、真のプロレスファンはプロレスがマイナーで理解されないことも多いと達観しているものなので愛を吐露することはあっても押し付けてはこない。純粋な愛の発露を鑑賞して楽しめばよろしいのです。 で、よくできた言語学的問いというのは各々が説を展開したくなるものらしく、私もどうしても自説を書きたくなったテーマがあった。それは「海老名市最高層を、住む」ってやつである。この本来は「に」であるべきところに「を」を使うキャッチコピーについて「定住する場所(静的)」から「人生の通過点の一つ(動的)」に変わったという仮説が紹介されていたが、違和感がある。 私の仮説はこうである。例えば「入れる」という動詞で考えると、「どこどこ(場所)に入れる」「なになに(対象物)を入れる」で助詞を変えるとその前に入るものが明確に変わる。普通は「住む」という動詞には「を」で示される対象物はついてこないわけだが、あえてその違和感のある日本語を使うことで、この地所はただの居住地ではなく、積極的に選びとってなんなら投資して居住するに値する対象ですよ、という格上感を演出しているのであろう。そして面白いのは、こういう考察を経なくても、なんとなくそのような高級感をこの日本語づかいでみんなが感じるということだ。コピーライターすごいな。 と、とめどなくレビューを書きたくなってしまうほど、本当に面白いのであった。

Posted byブクログ

2022/06/30

東京大学出版会PR誌『UP』に現在進行形で連載中の「言語学あるいはプロレス」エッセイ。真面目調の前著『ふだん使いの言語学』とほぼ同時期に書かれていたということにちょっと驚くが、硬軟併せて読むと理解が深まる感じになってちょうど良いとも言える。

Posted byブクログ

2022/06/26

おもしろかった。言語学っておもしろい学問だと思うけど、そんなのどうでもいいじゃんって思う人もたくさんいそうだな。 「恋人がサンタクロース」なのか「恋人はサンタクロース」なのか問題などは、私も議論に加わりたいと思ったほど。 たびたび出てくるプロレスの引用は、私には興味がなさすぎた。

Posted byブクログ

2022/06/04

脱線するとプロレスや音楽など果てしなくそれていくが、締めるところは締める内容で面白かった。 プロレス等のエピソードから「なぜそれが面白いのか」を言語学の観点から詳しく説明してくれる。 学者の横の繋がりも結構あるのだなあと思う。ライバルとか蹴落とすべき敵とかいう感じはない。

Posted byブクログ

2022/05/22

本のタイトルから著者は格闘技ファンかなと思いながら読み始めましたが、プロレスに関するエピソードを読むにつれてリアルプロレスファンだと確信しました。

Posted byブクログ

2022/05/20

言語学とAIの距離をどんどん掘り下げる内容かと、勝手に思い込んでいたんだけど、良い意味で裏切られました。いくつかの章でAIについての言及もある、という程度で、大方は、言語学一般についての著者のエッセイ。専門的に踏み込んだ部分はほんの一部で、あとは分かりやすく、頻繁にギャグも交えて...

言語学とAIの距離をどんどん掘り下げる内容かと、勝手に思い込んでいたんだけど、良い意味で裏切られました。いくつかの章でAIについての言及もある、という程度で、大方は、言語学一般についての著者のエッセイ。専門的に踏み込んだ部分はほんの一部で、あとは分かりやすく、頻繁にギャグも交えて展開されるから、ただ面白く読み進められる。学問としても興味のある分野だけに、こういった趣向の本は好感度高し。続編も是非。

Posted byブクログ

2022/05/14

大学出版会のPR誌に連載された言語学者のエッセイ、という出自とのギャップが甚だしいカバーイラスト。どうやらタイトルを正しく反映している。しかし「バーリ・トゥード」とは何か分かるのは、ようやく3章に至ってからだ(しかも注で)。 息をするようにプロレスネタを繰り出されて戸惑い、「コラ...

大学出版会のPR誌に連載された言語学者のエッセイ、という出自とのギャップが甚だしいカバーイラスト。どうやらタイトルを正しく反映している。しかし「バーリ・トゥード」とは何か分かるのは、ようやく3章に至ってからだ(しかも注で)。 息をするようにプロレスネタを繰り出されて戸惑い、「コラコラ問答」だの「ドラゴン体操」だのを検索してさらに困惑が深まる謎の沼。

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2022/05/08

この本はエッセイのような、一言語学者の人柄を知れる本であって、文章中にも書いてあるが本格的に言語学について詳しく知りたい人向けではないと思う。 「言語学」というワードに釣られて読み始めたが、まさかのガッチガチの言語学の本ではなくてバラエティ豊かなクスッと笑ってしまうような1冊だっ...

この本はエッセイのような、一言語学者の人柄を知れる本であって、文章中にも書いてあるが本格的に言語学について詳しく知りたい人向けではないと思う。 「言語学」というワードに釣られて読み始めたが、まさかのガッチガチの言語学の本ではなくてバラエティ豊かなクスッと笑ってしまうような1冊だった。 AIは絶対に押すなよを理解できるか」というサブタイトルが気になって読んでみたはずなのにその内容をわすれてしまうくらい1つ1つの話がおもしろかった。言語学者はさまざまなことを日々頭の中で考え続けているからこそ、ユーモアある文章が書けるのかもしれない。著者の小説も今度読もうと思う。

Posted byブクログ

2022/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「主語を大きくするな」「自己卑下者への対応」が思いっきりブーメランで終始イライラした。 まず、ほぼ毎回のようにダメ言語学者アピールがあってうざい。「研究機関に属さず、10年以上研究論文も書かず」生計が立てられるのはほんの一握りの特権階級だけで、大部分は高学歴ワーキングプアになる。つまり謙遜に見せかけた「オレってすごいんだぜ」アピール。 「『日本人は〜』のように一般化するのは良くない」と書きながら「言語学者はみんな変態」だの「言語学者は相手を潰しにかかる」だの、ほかの言語学者に大変失礼。前述のダメ言語学者連発といい、言語学者として大成できなかったことに対して鬱屈した感情を抱いているか、自分の所属していた言語学界に恨みがあるか、あくせく論文を書いている言語学者を心の底で見下しているかだろう。 こんなひどいのを読んで言語学がわかった気になってほしくない。 「タワマンを住む」の考察は間違っているし、しかも人から聞いた話を検証無しで載せている。タワマン売ってるのに(つまり長期住むと考えられるのに)「通過点と見なす」がおかしいのは少し考えれば分かるはず。あれは「車に乗る」「車を降りる」「フェラーリを乗りこなす」の助詞の違いで説明できる。(この話は宗宮喜代子『やっぱり英語はおもしろい』にある。あれもコラムだが、内容ははるかにまとも) 無料広報誌のコラムならあんな着古してゆるんだブリーフのような文体、内容の薄さでも許されるが、有料の書籍にはふさわしくなかった。 言語学の入門なら『探検!ことばの世界』あたりの方がよっぽどまともだし、言語学者に対する偏見が植え付けられなくてよい。 唯一良かった点は、「自分なんてどうせダメだから」を連発するのは不快感を与えるということだ。自分も言いがちだったので、今後は言わないように気をつけよう。

Posted byブクログ