未来 の商品レビュー
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イジメや虐待など、子供を中心としたトラブルの話。 主人公の章子は10歳。30歳の自分からの手紙が届く。 それを励みに、30歳の自分への返信という形で、大きくなる章子の近況が語られる。 ①章子の話 父親が死んで、心の病で人形に度々なる母親と暮らす。 林先生が母親を病院に連れて行くなど尽くすが、母親を愛してしまい、から回って学校を辞める。 クラスでナプキンを隠されるなど、イジメに合い、臭いといじめられて不登校になる。 友人のアリサに助けられ、不登校を辞める。 母親が死んだ父親の遺産狙いの早坂という料理人と事実婚し、店を始めるがうまくいかず、暴力的な虐待を受ける。 店が火事になるが、今度は風俗的な会社を立ち上げ(ケアサービスと偽ったが)、母親に売春させる。 章子は早坂を殺すことにする。 ②アリサの話 早坂の相棒である須山の娘のアリサ。須山もアリサと弟を暴力的に虐待する。 アリサは弟が学校でいじめられていると思うが、実は風俗的な会社で美形の弟はどっかのジジイに売春させられていたことを知る。 弟が自殺して、須山を殺すことにする。 また、アリサもイジメから救われた。救ってくれた先輩である智恵理は、二重人格で智恵理もまた家庭にトラブルを抱えていたりする。 ③父親の話 森本という親友の妹と結婚した父親。章子がおばあちゃんに会いに行った時に話を聞くが、森本は良いが妹はダメっぽい。 が、実は森本も相当狂ってて、友達に妹を1万円で売っていた。 森本の父が自分の娘を犯しており、そんな家でマトモになるためには自分も狂わなきゃとのことで。ただ、父は1万円で妹を買って、料理を一緒に作ったりした。 それを見て森本も改心し、父を殺すことにした。 が、聞いていた話と違い、父も森本も一緒に焼き殺してしまう。 森本の妹のことが元から好きだった父親は、その後章子を作るみたい。 また、未来からの手紙は、父親に情報を聞いた過去の担任が書いていた。 過去の担任の昔話もある。父も母もおらずおばあちゃんに育てられたが、おばあちゃんが死んで残してくれたお金で教師になろうと大学に通う。 けど、母親が出てきて、金をふんだくる。金がなくなったのでAV的なものに出演して、なんとか卒業する。 が、それが学校でバレて教師を辞める。。。みたいな話。 全体的にとてもダークだが、貧困家庭ではよくある話みたいな書かれ方をしてる。マジデカ?俺が知らないだけでよくある話?狂ってる。知らない俺も狂ってるのか。
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「告白」以来の長編力作。いじめ、虐待などの描写が苦しいくらいに迫ってくる。これは身近に起きている話しなのかもしれない。
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うーん。読み進むペースはダレずにいけたけど、面白いかと聞かれたらねぇ…面白くはない。 ちょっと変な人多すぎだよね。 近親相姦に虐待にAV斡旋強要にこれでもかって近場で苦行を詰め込みすぎていて。 教師のくせにこの人大丈夫?って思ったり… なんでも毒親が原因みたいな描き方がちょっとね。 単純というか… 読後感も、結局それかーい!ってオチであんまり… 結局お母さんあの場に残って一緒に死んだんだよね? 未来というタイトルに首を捻るわ。 彼女達の未来はメチャクチャ暗いでしょ。 嫌なやつ=殺して解決 の繰り返しにちょっと食傷気味。
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章子と亜里沙を中心とした登場人物にこれでもかというくらい、さまざまな辛いことが起こります。何が起こるのか、これからどうなるのか、後半になるにつれて回収されていく伏線に、ページをくる手が止まりませんでした。 ただ、軽い読みごたえではなく、こんなにあらゆることが起こるのは物語用ではな...
章子と亜里沙を中心とした登場人物にこれでもかというくらい、さまざまな辛いことが起こります。何が起こるのか、これからどうなるのか、後半になるにつれて回収されていく伏線に、ページをくる手が止まりませんでした。 ただ、軽い読みごたえではなく、こんなにあらゆることが起こるのは物語用ではなく、実際目をこらせば子供達の貧困問題は大袈裟ではなく確実な数あるんだ、という作者の後がきが言う通り、伝えたいことがどすんとくるような内容でした。 読んだ後、なんとも言えない気持ちです。どうか2人の未来が優しいものでありますように。篠宮先生の今の描写が少しだけ希望を抱かせてくれました。2人にも、安心できる未来を。
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子供の貧困問題(暴力、経済的問題、性的虐待等)をストーリーとして描写し、社会に警鐘を鳴らす。 日本は先進国でマクロ的な視点から見ると経済的に豊かな国であり恵まれている国だと思う人もいるだろうが、子供という切り口で見るとまだまだ解決しなければならない社会課題はたくさんあると気づか...
子供の貧困問題(暴力、経済的問題、性的虐待等)をストーリーとして描写し、社会に警鐘を鳴らす。 日本は先進国でマクロ的な視点から見ると経済的に豊かな国であり恵まれている国だと思う人もいるだろうが、子供という切り口で見るとまだまだ解決しなければならない社会課題はたくさんあると気づかせてくれる一冊でした。
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一気に読んでしまったけれど、とてもとても苦しい物語だった。 助けを求めて!と何度心の中でつぶやいただろう。でも、助を求めるには、とてもとても高い壁があるのだろう。特に「自助」「自己責任」で!という意識が無自覚なまでに浸透してしまっている現代社会では。 今、私たちが抱える社会の...
一気に読んでしまったけれど、とてもとても苦しい物語だった。 助けを求めて!と何度心の中でつぶやいただろう。でも、助を求めるには、とてもとても高い壁があるのだろう。特に「自助」「自己責任」で!という意識が無自覚なまでに浸透してしまっている現代社会では。 今、私たちが抱える社会の問題を鋭く提起しているだろう作品。 すべてを読み終えて、もう一度「30才の章子」が書いた手紙を読み返す。これを書いた人は、ただただすごいの一言。大丈夫であるように、祈りながら願いながらこの手紙を託した人、書いた人の想いが章子に届きますように。
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とても面白かった 面白かった一言では言い表せない至高の一冊 さすがです フィクションではあるがこれをフィクションとして受け入れられない自分がいて、とても嫌な気持ちが続く しかし一回読んで、嫌な気持ちを味わいながら二回読んでしまった 完全に大人向けの作品だが 平和ボケしている幸せな...
とても面白かった 面白かった一言では言い表せない至高の一冊 さすがです フィクションではあるがこれをフィクションとして受け入れられない自分がいて、とても嫌な気持ちが続く しかし一回読んで、嫌な気持ちを味わいながら二回読んでしまった 完全に大人向けの作品だが 平和ボケしている幸せな中高生にも読んでほしいと思う
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あとがきから読むべきだったかもしれない。これは、フィクションではなく、社会の奥深いところにある私たちにとって無関係な話でとない。私たちが、無意識に見ないことを選択し、奥深いところに押し込んでいるだけだった。社会を見る目が変わる一冊。
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ほぼノンストップで読み終えました。 私が見ている世界はほんの一部で、その裏側にある広大なドス黒い世界で、足掻いている、心を閉ざしている、そして壊れていく人が沢山いるのだ。 なんとなくわかっているような気でいて、実は何もわかっていない。目を背けたくなるようなシーンが続き、最後作者初...
ほぼノンストップで読み終えました。 私が見ている世界はほんの一部で、その裏側にある広大なドス黒い世界で、足掻いている、心を閉ざしている、そして壊れていく人が沢山いるのだ。 なんとなくわかっているような気でいて、実は何もわかっていない。目を背けたくなるようなシーンが続き、最後作者初のあとがきを読むと、日常にある現実から目を背けている自分を改めて認識して情けなくなる。 また、未来からの返信はいつ来るのか、なんて考えながら読んでいた前半が恥ずかしくなるような、中盤以降のリアリティ。物語の構成も、飽きさせない流れで、さすがの一言です。
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知るという行為が、救済や抑止力につながることがあると、私は思うのです。ー後書きより。 ものすごい物語だった。 一気に引き込まれる感覚は久しぶりだった。 一人ひとりの物語が辛く重苦しいが、時折感じる人の温かさが救いになる。 先生たちにもおすすめしたい一冊。
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