未来 の商品レビュー
辛い経験をしていても、言葉にできない子が世の中にたくさんいる。気付いてあげるためにはどうしたら良いのだろうか、、と考えさせられる
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2018年の単行本第一刷で読んだ(他者のレビューにある筆者のメッセージに触れられないことは残念) 恥ずかしながら 賞取レースにの峰意図され、一番早く落ちた事も知らなかった。 しかし、この厚さだけではなく、取り上げている現代的な問題への取り組みの想いは十分に伝わってくる展開だった。...
2018年の単行本第一刷で読んだ(他者のレビューにある筆者のメッセージに触れられないことは残念) 恥ずかしながら 賞取レースにの峰意図され、一番早く落ちた事も知らなかった。 しかし、この厚さだけではなく、取り上げている現代的な問題への取り組みの想いは十分に伝わってくる展開だった。 序章で章子の周辺状況から掘り下げられていく。「30歳の」みらいのわたしからの手紙という形で「章子の心象風景」がベールを脱いでいく・・それは熾烈なものであり、小学生の彼女にとって言葉を絶するような過酷なもの。 嫌ミスで名を挙げただけあって、実力は履歴が示している。とはいうものの、個人的には筆者の小説作法が肌に合わず、避けてきた~トルストイが語る【すべての幸福な家庭はたがいに似ている。不幸な家庭はそれぞれの形で不幸である】という言を噛み締めつつも、余りの重なる苛酷な状況が読み続けることを苦悩の奈落へ落とされて行く感覚が大きい為。 しかし、現実は苛酷、きわめて人の在り様を描いているとは思う。読了後「未来」という題をつけた筆者の想いは濃い灰色の靄の中で浮遊しているままだった。 エピソード1~3は序章で語られた状況を不可彫りしていく部分・・そこで読み手はリアルを目の当たりにするのだが。。。精神疾患、自殺、故意の焼死、乖離性障害的な設定(ひいてはいじめの現況がそこにあったケースの解決への道の困難さ)近親相姦 自分のメンタルのやわさを改めて自覚した・・辛すぎて、とぎれとぎれで時間をおいてでないと読み続けられなく。。 ここまで現代の問題状況を網羅した作品から送るメッセージを受け止められる自分はない・・そう強く思った。 だが、評価はできる~作者の想いと実力。
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「未来へ」というタイトルがとても深い。 本を読み進めていくと、フィクションであるにも関わらず、今、この瞬間にもこうやって声を上げることが出来ず、苦しんでいる子ども達がいるのではないかと考えさせられる1冊。 そしていつものことながら、伏線回収がすばらしい。全く繋がりのない人達の話のようで、意外なところで結びついて、繋がりを理解した瞬間がとても気持ちいい。
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湊ワールドが広がっています。あとがきに文章を書くことに込めている思いが書かれていて、おそらく著者は物語の主人公のような人を助けたいという思いがあるのだと思います。ただ著者の作品を読むと感じるのは逃れられない鎖のようなものであり、この作品からもそれを強く感じました。
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章子編はとにかく描写がエグかった いじめの実態も意図してラインを超えてきている あとがきにもあったがそういうことが現実に起きているのか もしそうならあとがきにある通り、1人でも多くの人が「知っている」ことで救える誰かがいるのではないか 本書を読んで知ったことを誰かに話すことでその実情を広めることはできる とにかく章子編の最後らへんはこの先どうなるのだろうというワクワク感が一番すごかった この話だけでも一つの小説が作れそうに感じた エピソード編は三つあった チエリの二重人格の親父描写は流石にオーバーだとは思った アリサのキャラクターは特別で個人的に重要なキャラだと思う 篠宮先生のストーリーは最終的には唯一と言っていい救いがあったのではないだろうか ここは普通に恋愛小説にありそうな話だった 良太の過去編は内容が詰まってて引き込まれた これを読んでから章子編を思い返すと色々想像できて楽しい 一番読んでいて深く感じたのは、いろんなストーリーがあるがそのそれぞれの視点から文乃(ママ)の人物像が違って見えるところだ 章子が最後らへんに語ったママの過去の事件当時の心理考察は大きなヒントになったし、物語を通して真実を断定しないところが大きな想像につながった 結局どうなったのかってところ 早坂とアリサの父はどうなったか、ママは最後に残ってどうしたのか、ドリームランドではどうしたか、30周年記念に行けたのか、ママは本当は何を考えていたのか、などとにかく想像するのが楽しい作品だった 子供の残酷な現実(いろんな意味での貧困問題)を多くの人が知ることでできること。色々考えさせられた。 また読みたい。 放火多いなぁ
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小学生が書く手紙を読み進めていくが 内容が重すぎてこんなの現実にあるわけないし……と考えながら読みました。 けれど最後の作者のあとがきを読んであらためて読んでよかったな思える本でした。
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一気読みでした。 章子、亜里沙それぞれの辛さが丹念に描かれ、未来の私からの手紙の謎も明かされる。親であること、子供を育て上げることの責任を問われた作品。
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湊かなえらしい作品で、登場人物の人生がことごとく悪い方向へ向かってしまうため読んでいて何とも言えない感情になった。ただラストは少し希望が見える終わり方だったように思う。 家族内で問題を抱える子ども達が、様々な理不尽や困難に晒されながらも未来へ生きることを願う物語。各人物視点で進むストーリーは重厚であり読み応えがあった。子ども達が大人になり次世代の子ども達達を救おうとする姿をみて、自分も人のことを気遣えるように、また人に頼れるようになりたいと感じた。
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オーディブルで完読。 何故登場人物たちにこんなにも不幸が続くのか?と憤りと悲しみを重ねながら読みました。 話に出てくる人物にはみな不幸な生い立ちを抱えており、人並みに生きてきた私には考えられない家庭環境でした。 あとがきを聞き終え、あぁ、これは特別なことでないんだと考えさせられ...
オーディブルで完読。 何故登場人物たちにこんなにも不幸が続くのか?と憤りと悲しみを重ねながら読みました。 話に出てくる人物にはみな不幸な生い立ちを抱えており、人並みに生きてきた私には考えられない家庭環境でした。 あとがきを聞き終え、あぁ、これは特別なことでないんだと考えさせられました。辛い生い立ちを強いられ、心に傷を抱えながら、自分を奮い立たせながら生きている人たちが身近にいるんだと。 視野を広く、人と付き合っていきたいと思いました。
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さすがイヤミス… ここまで次々、大人も子供もひどい人がいるかな それでも最後まで読めてしまうのが湊かなえ
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