怪獣男爵 の商品レビュー

横溝正史(著者),日下三蔵(編者)

2023/06/21

淳水堂さんに触発されて横溝正史です

柏書房さんはここ数年短編集、エッセイ集、由利麟太郎集そしてこの少年小説とニッチな横溝正史を次々と発刊していて、マニア心をくすぐりまくっておるわけなんですが、その中でもこの少年小説コレクションを手に取ってみました

その第一巻は『怪獣男爵』『大迷宮』『黄金の指紋』の怪獣男爵三部作です
それぞれ角川文庫から発売されていましたので、文庫本三冊分を収録した大ボリューム
そのうち『大迷宮』『黄金の指紋』に金田一耕助が登場します

横溝正史の著作は全て読んでる（はず）なんで再読ってことになります

そもそも横溝正史の文章って実はめちゃめちゃ読みやすいんですよね
おどろおどろしい舞台設定に惑わされますが、そん文体そのものは少年小説向けなんですよねそもそも、会話も多くて会話によって物語が進んで行くのも読みやすさの一因です
また、作者が読者に語りかけるような表現が多いのも少年小説向けで、横溝正史が少年小説を書くのはある意味必然なんですよね

ただやっぱり冒険小説の色合いが濃くなるので、金田一耕助のキャラがちょっとというかかなり行動的になり、運動能力とかも上がってるのが違和感ですがね

で常々今の子どもたちにも横溝正史読んでほしいな〜なんて思ってたんですが、実際に読み直してみて「あ、こりゃダメだ」と思いました
今の時代NGな表現が多すぎました
うーんもったいない

んでもやっぱり横溝正史いいなあ〜って思いましたので、今後も1〜2ヶ月に一冊くらいのペースで読み直して行きたいなって決意しました

2023/03/09

怪奇！冒険！難事件！
ハラハラどきどきとはまさにこのこと！
御都合主義上等、今時のコスパタイパなぞ知ったことかな大仕掛け、まっすぐで優秀な少年たち、これぞ少年小説という面白さ。
なによりも描かれるシーンが印象的。廃洋館の鐘楼に登る怪物！博覧会から飛び立つ軽気球と怪人！サーカステントの天井近くに姿を現した…あれはなんだ！
大袈裟なくらいドラマティックなシーンが一番の醍醐味。