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土にまみれた旗 の商品レビュー

4.5

5件のお客様レビュー

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2023/11/22

フォークナーの新作?と思って読んだら、サートリスの全編版みたいな感じとのこと。 主な話の軸がいくつかあって、フォークナーっぽさは感じるものの、それぞれの話同士が響き合う感じはあまりなく、ややスカッとしない。 ベイヤードの心をおった挿話が一番好きだ。

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2023/06/13

2023年6月8日読了。 ヨクナパトーファ・サーガの始まりとなるが、サートリス家の終焉を迎える話となっている。読みやすいが、フォークナーらしい起承転結がよくわからない話(だからそれがどうなった?といったような)が続き、ともすれば散漫な印象を受けるかもしれない。 ホレス・ベンホウ...

2023年6月8日読了。 ヨクナパトーファ・サーガの始まりとなるが、サートリス家の終焉を迎える話となっている。読みやすいが、フォークナーらしい起承転結がよくわからない話(だからそれがどうなった?といったような)が続き、ともすれば散漫な印象を受けるかもしれない。 ホレス・ベンホウとナーシサがいいアクセントになっており、語られる場面は少ないがホレスの存在がヤング・ペイヤードの振る舞いと対になっており、サートリス家の 尋常なさが浮かび上がってくるように思えた。 Youtubeで西部開拓時代、南北戦争後の古い写真を観ることが出来て、当時の風俗を思い描きながら読めたのでそれもよかった。

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2021/09/18

はじまりの物語にしてからすでに破滅の予兆に満ちあふれていたのだなあ、とか。 オリュウノオバ的存在がいきなり登場してくるのだなあ、とか。  意識の流れみたいな実験的モダニズムが一瞬顔見せたと思ったら、その後ぜんぜん出てこなかったり、とか。 いろんな意味でおもしろかった。 全部読ん...

はじまりの物語にしてからすでに破滅の予兆に満ちあふれていたのだなあ、とか。 オリュウノオバ的存在がいきなり登場してくるのだなあ、とか。  意識の流れみたいな実験的モダニズムが一瞬顔見せたと思ったら、その後ぜんぜん出てこなかったり、とか。 いろんな意味でおもしろかった。 全部読んでメモでも取らないとサーガの全体像が絶対わかんないけど、自分で作るのめんどくさいから誰かまとめてくれないかな、と思ってたら来年ポータブルフォークナーが出るのね。たのしみ。

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2021/08/19

回収されていな伏線がいくつかあってもやっとした気分は残るものの、ミス・ジェニーとナーシサという凛とした女性主人公たちの存在が際立っていたので、男性主人公たちの影が薄くなってしまっていたような気がする。

Posted byブクログ

2021/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第四部第五章には多く、唐突な印象を受けるだろうと感じた。しかし、ここにおいてこそ最も先鋭的に、家族の意義や禍々しさが問われていると読んでみたい。手ずから家族の命を奪って傷心のヤング・ベアードが親しい狩猟一家の元で経験する犬と狐とのかけあわせ実験とは、つまりは醜悪な家族の縁組のそれである。そういった家族観から全体を見渡した時、この物語の深みが改めて見えてくる気はしないだろうか。 若きフォークナーの息遣いを存分に味わえるとともに、その文学性に畏怖し得る名作だと思う。是非、多くの方が楽しまれるよう期待したい。

Posted byブクログ