神様の罠 の商品レビュー
米澤穂信さん目当てで拝読。安定した面白さがあった。作家それぞれの持ち味が出ていて面白い。刊行時期もあってコロナにまつわる話が多かった。 個人的には最初の「夫の余命」と最後の「2020年のロマンス詐欺」の後味が良かった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いろいろな作家さんの短編集。 1話が短いから読みやすかったし、何より面白かった。 乾くるみさん夫の余命は、イニシエーションラブ同様まんまと騙された!亡くなったのは美衣だったのね…!この作品の他の方の感想があったらぜひ読みたい。 米澤穂信さんの崖の下は、凶器がまさかの展開で驚いた。氷柱で刺したのかな〜とか思っていたけど、まさか自分の骨とは… 芹沢央さんの投了図は、コロナ禍こんなことあったな〜と思い出しつつ、最後はほっこりしました。 大山誠一郎さんの孤独な容疑者は、かつての恋人の旦那を殺害しなり変わるっていうサイコパスなお話し。ただ最近のニュースを見ていると、こういう人本当にいそうで怖いなと思いました。 有栖川有栖さんの推理研VSパズル研は、単純に面白かった!一つの問題からその背景まで推測するというのは普通しないから、時間があって手持ち無沙汰の時にするの楽しそうだなと思いました。 辻村美月さんの2020年のロマンス詐欺は、田舎出身の大学生が友人に誘われた詐欺商法でお金を稼ごうとするも、元がいい人柄だったために唯一連絡がうまく取れていた主婦のために犯罪を犯そうとした話。主婦も実は、その娘が成り代わっていたというオチ。ロマンス詐欺、実際にも起こっているし生々しくて怖いなぁと思いました。顔も見えない相手を好きになるなんてあるのかなぁと思うけれど、追い込まれた環境だと本当に起きてしまうんだろうなぁ…。
Posted by
コロナ禍のお話とつゆ知らずにタイトルと著者名だけで購入したアンソロジー本だけどサクサクと読めた。 色んな偶然に弄ばれる人達の話だけど芦沢央さんの投了図が最近将棋を見てるので心に引っかかったし当時もし、そういう行為をしていた人に読んで欲しい。
Posted by
6人の作家がそれぞれミステリを寄せ合った短編集。芦沢央目当てで買った。 複数人で寄せ合う系の短編集は新しい作家との出会いがあるから好き。この短編集はコロナ禍を題材にしとる作品が多くて、今読むと緊急事態宣言とか懐かしく思える。
Posted by
有名ミステリ作家が2020から21年にかけて「オール読物」で発表した短編小説のアンソロジー集 メンバーが豪華 そして、コロナ禍のエピソードが入っていたりとちょっと前を描いた新しさを感じる 収録は6作 夫の余命(乾くるみ) 崖の下(米澤穂信) 投了図(芦沢央) 孤独な容疑者(大...
有名ミステリ作家が2020から21年にかけて「オール読物」で発表した短編小説のアンソロジー集 メンバーが豪華 そして、コロナ禍のエピソードが入っていたりとちょっと前を描いた新しさを感じる 収録は6作 夫の余命(乾くるみ) 崖の下(米澤穂信) 投了図(芦沢央) 孤独な容疑者(大山誠一郎) 推理研VSパズル研(有栖川有栖) 2020年のロマンス詐欺(辻村深月) ・夫の余命(乾くるみ) 脳腫瘍を患い、余命宣告された人との結婚と終焉 走馬灯のように時系列を遡る形で綴られる 夫婦の生活の何が奪われていったのか やはり、乾くるみ やってくれる…… 私はこれ系には確実に絶対に騙される自信があるからねぇ ま、ちょっとした違和感は感じたけど、そのまま最後まで読んでしまった 一度読んでからまた読み返して「あー、そういう事だったのかー」と思わされるアレ ってか、タイトルがズルくね? 嘘ではないんだけどさ…… ・崖の下(米澤穂信) 思いつきでバックカントリーをして遭難したスノーボーダーの4人のうち2人が崖の下で発見される 一人は骨折、もう一人は首の刺傷による他殺の可能性 付近に不審な足跡はなかったが、骨折した人は凶器となるようなものを持っていなかった 果たして、犯人と凶器は? ・投了図(芦沢央) 将棋好きな古書店の店主とその妻 地元で将棋のタイトル戦が行われているというのに、夫が普段の様子とは違う 対局が行われているホテルでは、多くの人が訪れる事に対する嫌がらせの張り紙がされていたという コロナ禍で古書店にも同様の張り紙があったが、同じ思いをしたはずなのに、もしかしたらホテルへの張り紙は夫なのではと疑う妻 コロナ禍での自粛警察、あったよなぁ しかも、営業をしていることがわかりにくい故に、身近な人がやったかもしれないという複雑な感情 時勢を反映した作品ですね 将棋で投了する前の描写のあれこれ 3月のライオンでもあっったように、優勢な方が神経をすり減らしているというのは知ってた あと、将棋の美学としての形作り、服装、飲み物など ある意味で様式美ですね ・孤独な容疑者(大山誠一郎) 最愛の人を亡くした男 近所付き合いも問題なく過ごしていたが、彼は過去に人を殺していた 23年前の事件の真相とは ・推理研VSパズル研(有栖川有栖) パズル研からの挑戦を受ける推理研 「青い目の人は自分が青い目であると知ったら出ていなかければいけない村」という論理パズル 「青い目の人がいる」と外部の人間が発したら、村でなにが起こるか?という問い 登場人物全員が同様に賢く最適な行動を取るというミステリの設定へのツッコミ 果たして、このパズルが成立する物語とは?を考え出す推理研 パズルも思考実験みたいで楽しいし、そこから物語を作ってしまう推理研の面々も面白い シリーズものの登場人物なんだろうけど、有栖川有栖さんの著作は一作も読んだことがない 他の作品を読んでる人にとっては嬉しいお話なのでしょうね ・2020年のロマンス詐欺(辻村深月) コロナ禍の緊急事態宣言で振り込め詐欺の仕事に手を出してしまった学生のお話 大学進学と同時に東京に引っ越した耀太 生活費はバイトで稼ぐはずが、採用されたはずの飲食店からは取り消しの連絡 大学も始まらずに悶々としている中、地元の知り合いからSNSでDMのやり取りの仕事を斡旋される 通販のフックだけかと思っていたが…… 若者が詐欺グループの仕事に加担する心理やその過程がとてもリアルに感じられる 疑いなどの気持ちがないわけではないし、やめようと思えば辞められるという安全マージン しかし、そんなはずではという計算違いや、もう抜け出せなくなったという恐怖心 ニュースで流れる犯人には、「そんな仕事に仕事に手を出すから」とか「楽して稼ごうとするから」とか思ってしまうけど、そこに至るまでには色々な事情があるのだなぁと感じる それでもやはり辻村深月らしく、イヤミス的な終わり方になっていないところはよい 総評として 当てはまらないものもあるけれど、コロナ禍やバックカントリーなど、今の時代を反映した物語が多め あと、有名作を読んで知ってる作家さんは、短編であってもやはりその物語の面白さを感じる 長編にも仕立て上げられるアイデアにも思えるけど、それを短編にきれいにまとめるというのも作家さんの力量の凄さですね
Posted by
豪華な執筆陣が罠をモチーフに描いた6話収録の短編集。 「夫の余命・乾くるみ」「崖の下・米澤穂信」「投了図・芦沢央」「孤独な容疑者・大山誠一郎」 「推理研VSパズル研・有栖川有栖」「2020年のロマンス詐欺・辻村深月」 粒揃いのアンソロジーだが、断トツに面白いのは辻村さん。 ...
豪華な執筆陣が罠をモチーフに描いた6話収録の短編集。 「夫の余命・乾くるみ」「崖の下・米澤穂信」「投了図・芦沢央」「孤独な容疑者・大山誠一郎」 「推理研VSパズル研・有栖川有栖」「2020年のロマンス詐欺・辻村深月」 粒揃いのアンソロジーだが、断トツに面白いのは辻村さん。 最近コロナ禍を反映した作品を多く目にするが、その中でも登場人物の閉塞感がリアルだ。 罠に嵌まり、徐々に落ちて行く純朴な大学生の一挙手一投足に終始気を揉まされた。 芦沢さんの作品は予想だにしない展開に思わず胸が熱くなる。 夫の悔恨の想いに切なさが募る。
Posted by
人気作家のアンソロジー。 作家それぞれの特徴が垣間見えてとても満足できる。 ここからどの作家の作品を読もうかと考えるのも楽しい。 アンソロジーもたまには良いなと思いました。 内容 人気作家6人の新作ミステリーがいきなり文庫で登場! 現在のミステリー界をリードする6人の作家に...
人気作家のアンソロジー。 作家それぞれの特徴が垣間見えてとても満足できる。 ここからどの作家の作品を読もうかと考えるのも楽しい。 アンソロジーもたまには良いなと思いました。 内容 人気作家6人の新作ミステリーがいきなり文庫で登場! 現在のミステリー界をリードする6人の作家による豪華すぎるアンソロジー。 最愛のひととの別れ、過去がふいに招く破綻、思いがけず露呈するほころび、 知的遊戯の結実、そして、コロナ禍でくるった当たり前の日常……。 読み解き方も楽しみ方も六人六様の、文庫オリジナルの超絶おすすめ本です。 【収録作品】 乾くるみ『夫の余命』 余命わずかと知りながら、愛を誓ったふたりは…… 米澤穂信『崖の下』 スキー場で遭難した4人。1人が他殺体で見つかり…… 芦沢央『投了図』 地元でタイトル戦が開かれる。将棋ファンの夫は…… 大山誠一郎『孤独な容疑者』 23年前、私はある男を殺したのだ…… 有栖川有栖『推理研VSパズル研』 江神二郎シリーズ待望の新作! 辻村深月『2020年のロマンス詐欺』 大学生になったけれど、コロナ禍で……
Posted by
豪華すぎるアンソロジー。第一線で活躍するミステリ作家たちの豪華共演。 どの作品も50ページ前後なのに、その50ページがとにかく濃厚。前のめりになって読み続けてしまった。 コロナ禍の世相を描いた作品が何作かあり、「コロナ始まりの時ってこんな感じだったよね」というのを思い出させる一作...
豪華すぎるアンソロジー。第一線で活躍するミステリ作家たちの豪華共演。 どの作品も50ページ前後なのに、その50ページがとにかく濃厚。前のめりになって読み続けてしまった。 コロナ禍の世相を描いた作品が何作かあり、「コロナ始まりの時ってこんな感じだったよね」というのを思い出させる一作でもあった。
Posted by
まだ一話目の夫の余命しか読んでないけど、最後の最後でやられました! 1回目読んですぐ2回目読み直さざるを得ないくらいの衝撃。思い浮かぶ情景が違ってくるので同じ話で2度楽しめます!
Posted by
最初の乾さんの作品から「罠」にはまりました。 2度よんでしまいました。 辻村さんの作品は今の時代を伝えるにも良い作品だと思います。
Posted by