ブリーディング・エッジ の商品レビュー
WTCに旅客機が突っ込んだあとのセリフ「あの日はひどい災禍だった。でも、それだけじゃない。あなたも感じてない?みんなが退化しているの。9・11はこの国を子供化したわけよ。成長するチャンスはあったんだけど、それを逃して、子供に退化する道を選んでしまった。」が妙に納得してしまった。 ...
WTCに旅客機が突っ込んだあとのセリフ「あの日はひどい災禍だった。でも、それだけじゃない。あなたも感じてない?みんなが退化しているの。9・11はこの国を子供化したわけよ。成長するチャンスはあったんだけど、それを逃して、子供に退化する道を選んでしまった。」が妙に納得してしまった。 コロナ・ウィルスが蔓延すれば弱者救済という名目でバラマキを行い、国境を閉じて難民を締め出したりしました。ロシアのウクライナ進行が始まれば、原油の価格があがり資源の奪い合いがはじまり化石燃料の使用が止まらなくなっていく。少しは良くなっていくと思っていたところで、様子を伺っていたように災難が起きて時代が逆戻りしていくのはよく見ている状態です。 小説の内容はよくわかりませんでした。少し前に読んだ『LAヴァイス』は主人公のドック。スポーテッロが支配する側と支配されまいとする側の間を要領よく動き回りたくましく生きていく様子に爽快さを感じました。今作ではもやもやが消えません。テクノロジーの進化に人間がついていけないのがもどかしい感じがしてしまします。
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数年ぶりのピンチョン再訪は最新刊のブリーディング・エッジ。帯の人物リスト(必須)を頼りに、「この人はどこで出てくるのか」と一人ひとり登場人物を確かめていく。次第にキャラクターが分かってくると、人物表の名前だけの存在から、より活き活きとした(というかバタバタした)人物像が浮かび上が...
数年ぶりのピンチョン再訪は最新刊のブリーディング・エッジ。帯の人物リスト(必須)を頼りに、「この人はどこで出てくるのか」と一人ひとり登場人物を確かめていく。次第にキャラクターが分かってくると、人物表の名前だけの存在から、より活き活きとした(というかバタバタした)人物像が浮かび上がってくる。ほとんどが主人公マクシーンの行動を追っていく形で進み、脱線も少ないので読みやすいが、これはもちろんピンチョン的基準である。話は分かりやすく、細部で何を言っているのかも分かりやすい。お馴染みのコミカル感に細かいカルチャー物言及(注を楽しみ、検索するのが正解)、陰謀や事件や突然のエモさに急展開、シリアスもコメディも、あらゆる要素を巻き込んで疾走するイケイケな文体。改心のジョークにややすべりのジョークあり。なんかちょっと言ってみただけのジョークあり。知的水準が高くて伝わらないジョークあり。世代でもあるから、いままでのピンチョン本で一番カルチャー的にはわかる物が多かったかな。私もゲーマーだったし、パソコンとともに成長した世代です。(私の成長は止まった。)エンタメ度最高のピンチョン。カッコよくて情に厚い、口先キレキレかと思ったら、その晩見る夢に動揺しているマクシーン。放ってはおけない気持ちになってくる。みんなで彼女を応援上映しよう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
新刊(去年ですが)でてたので借りてきました。これほど読みやすいピンチョンは初めてでした。なんでかっていうと2001年物だからかなぁ、しかもピンチョン流9・11。今さら? と思わないでもないけれど、ピンチョン宅の目の前で起きた大惨事らしいので、書いとかなきゃってところでしょうか? 無茶苦茶ですけどね。ニューヨークが主人公みたい。陰謀論テンコ盛り。あの飛行機が突入に以下省略しますが、もうザ・アメリカって感じ。にしても超がつく大金持ちったら例外なく悪党なんでしょうかね。株価自由に操って、儲けたお金で武器を作って、世界中にばら撒いて、戦争を起こす、と。 4、5人の大金持ちがゲーム感覚で遊んでんじゃね? たぶんいま起きている、っていうかいつの時代の戦争もこれ。虚しさが募る。じゃあどうする? 好きなことやれるうちにやっとく。が、なぁ、それすらももうコントロールされてるっぽい……。 《インターネットの自由ってのを声高に叫んで、その声は大きくなるばかり。そうしながら、ネット世界の大部分を悪い奴らにゆだねてるでしょ? ……おれたちはさ、寂しいし、貧しいし、見下されてる、そこにつけ込んで、チンケな一体感の真似事みたいなのを売り込んでくる……。これじゃさ、おれたちただのゲームの駒でしょ、しかもこのゲーム、最初から仕組まれて、インターネットが、本物の、夢のある、未来を約束していたインターネットがだよ、それが破壊されるまで終わらないんだ》
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アメリカで謎の巨匠のを初めて読んだ。解説にもあるようにまさに破天荒なストーリーで正直いって自分でも終わりまで読みはしたけど、理解したとはとても思えない。Dainさんがいう、「醉う」というのが正しいところ。いつか他の作品も読んでみたいと思うが、自分がそこまで成長していればいいのだが...
アメリカで謎の巨匠のを初めて読んだ。解説にもあるようにまさに破天荒なストーリーで正直いって自分でも終わりまで読みはしたけど、理解したとはとても思えない。Dainさんがいう、「醉う」というのが正しいところ。いつか他の作品も読んでみたいと思うが、自分がそこまで成長していればいいのだが。
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飲み会で斜め前の人がさも「自分の話す内容は重要でありためになり」と言ったまやかしを疑うことなく生きてきて、しかしそれには少しも信念やリアルさなどがなく心を打たないにも関わらず、「理解できない人間って現代人都会人として変わってるよね」とかいう雰囲気をあらかじめ発射しているもんだから...
飲み会で斜め前の人がさも「自分の話す内容は重要でありためになり」と言ったまやかしを疑うことなく生きてきて、しかしそれには少しも信念やリアルさなどがなく心を打たないにも関わらず、「理解できない人間って現代人都会人として変わってるよね」とかいう雰囲気をあらかじめ発射しているもんだから、周りの人間も「へー、そーなんだー、そーゆーふーに考えるって必要なことだよね(なんのためだ)」的な聞き流す攻略法で場をやり過ごす以外にめんどくさい、そういう飲み会で話に加わらないんだけど、同じテーブルでむかむかしている自分を思い出しました。
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ピンチョン史上最も読みやすいかも 視点人物が一定でしかも、ちゃんとヒーローしてる! とはいえ登場人物多すぎて覚えられん!!
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ピンチョンの女探偵モノってことで「競売ナンバー49の叫び」の現代版という印象。しかし21世紀にもなるとヒロインも子持ちバツイチ、いや、バツかどうか微妙なあたりも21世紀なのかな。 しかし9.11についての陰謀論とか読んでるとコロナも陰謀とか言うてる2021年も一緒やなぁ、と。
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