井手上漠フォトエッセイ normal? の商品レビュー
異世代理解についての講座の中で新聞記者の方にお聞きした本で読んでみた。幼少期〜ジュノンボーイ受賞のちの人生について細やかな心情の言語化。 2024/2/11情熱大陸にご出演されるとか!
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※このレビューにはネタバレを含みます
井手上獏さんの存在を知り、写真集として欲しくて買った。 本当に普通のお嬢さんとしか感じられない、とても苦悩された様には見えないのだ。 そして今の日本にしては親御さん、教員、学校、学友が出来過ぎている。 「エッセイコンポーザー」の氏名がクレジットされている。コンポーザーとは作る人。 この語で検索をかけると「ゴーストライター」がヒットする。まぁそういう事だろうと思っていたが、氏名が正々堂々と記されているので「ゴースト」では無い。 このエッセイコンポーザー氏は素晴らしいお仕事をされている。井手上さんから聞き書きもしたのだろうが、彼女の言い分をリアルに伝えている様に私には感じられるし、担任等への取材も、当たり前と言えば当たり前だが、丹念にやっていると思う。そして、決して氏の創作では無い様に感じられる、そのさりげないリアリティ、正にプロの仕事と感じる。 井手上獏さんの本当の苦しみは当事者性の無い私には分からないのだが、その苦しみを大仰に誇張するのでもなく、またその苦しみばかりでなく、前向きな生き方と周囲のこれまた良く出来た人々の存在が明らかにされる点は抜かりない。 井手上さんはモデルであるし、こうした女性にはそれを売りにして芸能活動をされる方もおられる。 私はそうした才能の発揮も否定する立場には無いが、ご自身の生活史や個性を公開せず、静かに一般の社会人として暮らしたい方々も多いのではないだろうか。 そうした方々が平穏無事に暮らせる様に世の中を変えていけば私達シスジェンダーにも生きやすくなるだろう。
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新会社立上げ・新規事業立上げを終えて直後対応もひと段落したので、自分の考えとシンクロする部分が多そうだなと思い手に取った本書を読了。 「普通とは何か」…シンプルで難しく、時代が変わっても普遍的な問いである本問に、筆者の経験や考えも混じえて書かれた良本。 以外は私見。 ① 「...
新会社立上げ・新規事業立上げを終えて直後対応もひと段落したので、自分の考えとシンクロする部分が多そうだなと思い手に取った本書を読了。 「普通とは何か」…シンプルで難しく、時代が変わっても普遍的な問いである本問に、筆者の経験や考えも混じえて書かれた良本。 以外は私見。 ① 「普通」とは何か… 多くの人は日常生活のなかで「良い、凄い」、「普通」、「悪い、ダメ、変わっている」を無意識に選別・判断していると思う。 「良い、凄い」ものは人々の間でさほどズレが大きくない。カッコいい、可愛い、頭がいい…例えばこんなものを思い浮かべるだろう。 では「普通」とか何か…平均的、没個性的…こんなものをイメージする人が多いと思う。その通りなのだが、噛み砕いていえば「自分の価値観や物差しの範囲内でおさまるもの、あるいは大きく逸脱しないもの」を「普通」だと思っている人が多いのではないのだろうか… だからこそ自らを「普通」と思い、周りとの「普通」の違いに気が付きにくいと思う。 そして「良い、凄い」もの、「普通」なもの以外のを無意識のうちに「悪い、ダメ、変わっている」ものと認識しているのではないだろうか。これは悪いものでもダメなものでも変わっているものでもなく、「自分の価値観や物差しと合わないもの」であるだけなのに… ② 性とは何か… 古代から現代にかけての時間の経過は、「男性社会からの女性解放」の側面があることは紛れもない。 あまりに当たり前すぎて気が付きにくいが、制度や文化、さらには言葉までもが男性優位である。「主人、家内」、「man、woman」…よく考えたらおかしな話だ。 「男性だから、女性だから」や「日本人だから、外国人だから」などというステレオタイプは、相手を尊重していない表れのように感じる。 ①、②に共通していえることは、「相手のことを唯一無二・only oneの存在として、枠に囚われず理解する」ことが大切ということだと思う。金子みすゞがいった「みんな違って、みんないい」とはまさにこのことだ。 そして最後に…若者ながらにこのようなことを具に理解し、性別や世代を超えて俯瞰視できる筆者は、これからの時代が求める人物となるだろう。 そんな一冊を、一人でも多くの人に手に取ってもらいたい。
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井手上漠、初のフォトエッセイ。グラビアが美しい。 第1章では自身のルーツ、性自認に至るまでと、それによる孤独、さらにそこから家族や友達へと徐々に理解の輪が拡大していく様子が書かれている。第39回少年の主張全国大会で発表した全文も掲載。第2章はオピニオンとして、構造的な差別や偏見か...
井手上漠、初のフォトエッセイ。グラビアが美しい。 第1章では自身のルーツ、性自認に至るまでと、それによる孤独、さらにそこから家族や友達へと徐々に理解の輪が拡大していく様子が書かれている。第39回少年の主張全国大会で発表した全文も掲載。第2章はオピニオンとして、構造的な差別や偏見から平等へ向かうための提言。やっぱり当事者の話って貴重だと思った。
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井手上漠さんの存在を知ったのは、確か所さんの番組じゃなかったかな。ダーツの刺さった村を訪れる例のやつで、こんなにも可愛らしい見た目をしているのに男子、と知った時の衝撃は今でも覚えている。 それからしばらく経って、本屋でたまたま見つけて。サカナクションの山口さんが帯のコメントを書い...
井手上漠さんの存在を知ったのは、確か所さんの番組じゃなかったかな。ダーツの刺さった村を訪れる例のやつで、こんなにも可愛らしい見た目をしているのに男子、と知った時の衝撃は今でも覚えている。 それからしばらく経って、本屋でたまたま見つけて。サカナクションの山口さんが帯のコメントを書いていることに惹かれて手に取りました。 自分はオタクなので「可愛い見た目の男子」という存在を「男の娘」というカテゴライズを通して触れてきた人間で。この本でも触れている、そういういわゆる「普通とは違う」存在に対して特に抵抗を抱くこともなく、可愛ければよし!の精神で好意を抱いてきたわけですが、この本を読み終えた後となっては「男の娘」という呼び方はややネタにしてる感があって、少なくとも自分は使うことを控えていきたいな、と思ったりしました。 時代が進み、いろんなところで多様性という言葉を耳にするようになった昨今、少数派の人たちが抱えている息苦しさや悩みとどれだけ真摯に向き合っていけるかで社会が優しくなれるかどうかが決まってくるはずで。人に優しくするためにはまず自分の中での芯というか、自分らしさがこれまで以上に大切になってくるだろうな、ということをあらためて感じた一冊でした。
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初めてその存在を知ったのは、Twitterでリツイートされてきた「私の主張」だった。その文章に惹きつけられて本人のアカウントを見ると、プロフィールに書かれた「性別ないです」という一言と、その文言を裏付けるような本人の写真入りの投稿が掲載されていて、ますます興味を持って著書を手に取...
初めてその存在を知ったのは、Twitterでリツイートされてきた「私の主張」だった。その文章に惹きつけられて本人のアカウントを見ると、プロフィールに書かれた「性別ないです」という一言と、その文言を裏付けるような本人の写真入りの投稿が掲載されていて、ますます興味を持って著書を手に取った。 隠岐の島に生まれ育った著者は、小さい頃に見た「ある物」をきっかけに”可愛い”や”美しい”ものに惹かれるようになっていく。しかし物心ついて「男」や「女」を意識するようになる年齢になると、周りがそのギャップにぎくしゃくし始めて、本人も同じ悩みを持つ誰もが対面するであろう壁にぶち当たる。 島という「知らない人がいない」くらいの環境にあって、かなり大変な想いをしただろうことが当時の回想から伝わってくる。だが、周りには母や学校の先生といった背中を押してくれる強い味方がいたこと、自分の想いを伝えられる強さと堂々と胸を張って「本当の自分」を生きる強さがあったことが大きな転機になった。 すると先生から自分の想いを「私の主張」として弁論大会に出てみないかという誘いを受け、そこから注目されるようになり、ついにはジュノンスーパーボーイコンテストで”DDセルフプロデュース賞”を受賞。ジェンダーレスに活動するモデルとして、これからの活躍が期待されている。 戸籍も身体も「男性」だけれど、心は「男性」でもあり「女性」でもある。どちらでもあり、どちらかではない。可愛いものや美しいものが好きで、自らもそういった姿を求める。それが、井手上漠の”普通”。フォトページに写る姿を見ていると、性別がどっちだとか、体がどっちだとか、そんなこと関係なくその美しさにハッとさせられる。 その人がその人らしく輝いていられる―それこそがそれぞれにとっての”普通”であり、その輝きを引き出せるような世の中になりますようにと読者に問いかける一冊だ。
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今の時代だからこそだなと売っているのを見て感じた。 性別、ここ数年間で多様な考え方ができるようになりつつある。 今まで考えてなかったことを改めて意識できる機会が増えてきた。 それでいてこの本を読めば、ある当事者の物語が広がる。きっと全員同じような物語ではない。 けれども一つの...
今の時代だからこそだなと売っているのを見て感じた。 性別、ここ数年間で多様な考え方ができるようになりつつある。 今まで考えてなかったことを改めて意識できる機会が増えてきた。 それでいてこの本を読めば、ある当事者の物語が広がる。きっと全員同じような物語ではない。 けれども一つの知識として入れておきたい一冊。 普通ってなに?自分が生きたいように生きるにはどうしたらいい? そんなことも考えさせてくれる。
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