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鎌倉うずまき案内所 の商品レビュー

4.2

360件のお客様レビュー

  1. 5つ

    139

  2. 4つ

    144

  3. 3つ

    60

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

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2021/06/06

青山美智子さん、三冊目。 青山さんの作品は絶対癒されるって確信が持てます。 今回は、双子のおじいさんとアンモナイトが出てきて、何だか不思議の国に迷い込んだような気分です。 2019年から6年ごとに時代が遡って、1989年の平成の始まりにたどり着くという連作短編で、読んでいる間ずっ...

青山美智子さん、三冊目。 青山さんの作品は絶対癒されるって確信が持てます。 今回は、双子のおじいさんとアンモナイトが出てきて、何だか不思議の国に迷い込んだような気分です。 2019年から6年ごとに時代が遡って、1989年の平成の始まりにたどり着くという連作短編で、読んでいる間ずっと頭の中が渦を巻いていました。 6話とも、迷っている人たちに光の手を差し伸べてくれるような、心温まるお話ばかりでした。 帯に、「読み終えたあと、必ず最初に戻りたくなる」と書いてありますが、ほんとにその通りで、最初に出てきた人たち、SF作家や、大御所女優や、その他さまざまな人たちの謎めいた部分が解き明かされてきます。 これ、間違っても後ろから読んじゃだめですね。 ここに描かれている鎌倉の街並みも風情があって、鎌倉に言ってみたくなりました。

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2021/06/03

時代が遡りながらどの短編も緩やかにリンクして面白かった。最後にあー騙されてたと気づいたのも心地良し。シュールな所長、双子の爺さんも良かったよ。

Posted byブクログ

2021/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

単行本で読んだものの再読。 双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っている「鎌倉うずまき案内所」。平成を6年ごとにさかのぼりながら、6人の悩める人びとが「気づくこと」でやさしく強くなる――。うずまきが巻き起こす、ほんの少しの奇跡の物語。 息子を持つ母親に感情移入した。 “いつからだろう。みんなと同じじゃないと不安になったのは。 普通のことを普通にしてくれればいいと思うようになったのは。” “私は今、真吾に寄り添ってなんかいなかった。 後ろから追い立て、前から無理やり引っ張り、上から指図していた。 彼の隣で添うのは、命令することでも決めつけることでもなかったのに。” そうだよね…子供の人生は子供のもの。分かってるけど口を出してしまう。 気をつけないとな。 登場人物がゆるゆる繋がっていくから、相関図書きたいなっておもってたら、巻末に年表がついてて嬉しかった。

Posted byブクログ

2021/06/02

「お探し物は図書室へ」と同様、悩みのある人がカウンセラーとは違う人(今回は案内状の双子の老人)から、ヒントを得る物語。 6つの短編からなるが、短編どうしが絡み合い、題名同様うずまき状態。前に戻ったり、最後は再読して登場人物の関連を調べたり... 出てくる人みんなの幸せを思うハート...

「お探し物は図書室へ」と同様、悩みのある人がカウンセラーとは違う人(今回は案内状の双子の老人)から、ヒントを得る物語。 6つの短編からなるが、短編どうしが絡み合い、題名同様うずまき状態。前に戻ったり、最後は再読して登場人物の関連を調べたり... 出てくる人みんなの幸せを思うハートフルな小説です。

Posted byブクログ

2021/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「はぐれましたか?」 人生に迷いが生じたときに導かれるように辿り着いた案内所には、双子のおじいさん。悩みを打ち明けると「ナイスうずまき!」と声をそろえて、案内所所長のアンモナイトがお助けアイテムを授ける。 帰り際にはお助けキャンディをくれたけど、これって…? 平成の終わりから初めまで、6年ごとに遡る連作短編集。 転職をしようか迷うサラリーマン 息子の将来を憂う母 結婚に戸惑う司書 学校での自分の立ち位置が不安な中学生 売れない劇団主宰者 人生に何も残せていないと寂しさを抱える店主 青山氏は初めて読む作家さん。 以前の話に出てきたキャラクターが少しずつ関わってきたり。一人一人が懸命に今を脱却しようともがく姿に自然と応援したくなる。 温かい気持ちになれるいい作品だった。 最後の黒祖ロイドの正体と、紅珊瑚一家の関わり方がわかった時はかなり胸アツだった。 巻末の年表を見て「え、これってあの人?」と再度確認したくなったり面白かった。 テレビ東京辺りで丁寧にドラマ化しないかなぁ。

Posted byブクログ

2021/05/28

1989年から2019年までのたくさんの人のサーガ。まだまだずっと読んでいたいような気持ちで読み終わった。 最後に年表にしてもらって、気づいてなかった結びつきを読み返して。

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2021/05/25

特に構成が面白かった!! 短編で、昭和平成を生きた年齢も性別もバラバラな主人公や周りの人が知り合いだったり、憧れだったり、、 時期と場所でくっついたり離れたりしてるのがテンションあがる!!! もう一回次は、後ろの話から読みたくなる本!!!!!2度楽しめる!!

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2021/05/22

青山美智子作品3作目。今までので、これが一番良かった。一巻目では、また同じパターンかと思ったけど、過去に戻って行くときにそれこそ色々ぐるぐる重なって行って、読み終わったら最後から読み返したくなる本でした。だから、最初は軽く感じてしまったんだな。 コロナ第四波落ち着いたら、荏柄天神...

青山美智子作品3作目。今までので、これが一番良かった。一巻目では、また同じパターンかと思ったけど、過去に戻って行くときにそれこそ色々ぐるぐる重なって行って、読み終わったら最後から読み返したくなる本でした。だから、最初は軽く感じてしまったんだな。 コロナ第四波落ち着いたら、荏柄天神社に行きたいです。

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2021/05/22

平成の古都鎌倉。 不思議な世界に迷い込む。 辿り着いた先は鎌倉うずまき案内所。 双子のおじいさんとアンモナイトの所長が出迎える。 物語は平成の終わりから始まりにかけて遡っていく。 「はなまるの巻」の売れない劇団の団長のお話が、個人的には年が近いこともあり、共感出来ました。 お金...

平成の古都鎌倉。 不思議な世界に迷い込む。 辿り着いた先は鎌倉うずまき案内所。 双子のおじいさんとアンモナイトの所長が出迎える。 物語は平成の終わりから始まりにかけて遡っていく。 「はなまるの巻」の売れない劇団の団長のお話が、個人的には年が近いこともあり、共感出来ました。 お金のためにするのか、したいことをするのかは、どちらも大切なだけに迷いますよね。 「ト音記号の巻」の中学生のいちかのお話も学校という空間がすべてでないと今では思えるけど。あの時はあれが全てだし、目立ってはいけない息苦しさも分かる気がしました。 著者の木曜日にはココアをにもあるように、人同士の繋がりが上手く描けているなと思いました。 巻末の登場人物たちの特別年表が分かりやすかったです。

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2021/05/21

 僕が大好きなキャラクターたちが登場する、お気に入りの一冊だ。  本作の「導き装置」に常駐(?)する、そして後の「神様」にも連なるかのような「おじいさん系導き人」である内巻さんと外巻さんももちろんだけれど、何といっても黒祖ロイド氏のクールな存在感がたまらない。もう僕としては、黒祖...

 僕が大好きなキャラクターたちが登場する、お気に入りの一冊だ。  本作の「導き装置」に常駐(?)する、そして後の「神様」にも連なるかのような「おじいさん系導き人」である内巻さんと外巻さんももちろんだけれど、何といっても黒祖ロイド氏のクールな存在感がたまらない。もう僕としては、黒祖ロイド作品を何度も読んできたかのような気にさせられちゃって、「ソフトクリームの巻」で若かりし頃の夢見が登場したとき…黒祖ロイドの名前の由来が判明したときは、まるで一人のファンみたいに喜んじゃったものだ。  そしてもう一人、黒祖ロイドと甲乙つけ難いキャラクターが鮎川茂吉である。いま「あゆかわもちき」と入力・変換したら一発で変換されたので、もうずっと前から僕は鮎川氏のことを知っているんだと思う。  調子よく冗談を飛ばしながらも実は人生の悲嘆にくれるにくれかねているという哀愁が、昭和のゴールデン街で酔っぱらっている姿が似合いそうな感じでたまらない(なお、本作の舞台は鎌倉などでありゴールデン街は出てこない。あくまで小宮山の想像である)。  思えば『鎌倉うずまき案内所』では、鮎川氏や黒祖ロイド氏、そしてノギちゃん、真吾…といったようにクリエイティビティにあふれるキャラクターが多く登場するのだが、こうした要素もまた小宮山のタマラナイ・ポイントを刺激するのだと思う。  また、昭和時代に「最初に七日、最後に七日」の創世記じみた一週間があったというのも、昭和ファンとしてはくすぐられるものがある(小宮山自身は平成2年生まれだけれど)。  「時代のうずまき」をテーマにしている小説ということもあって、平成・昭和の懐かしさと新しさがうずまく物語構造も大変おもしろかった。大学時代に英文学の教授が「時はねじ構造である」と唱えているのを思い出したりなんかして、自分の周りにもこういう時の輪廻がうずまいているんだと考えるとすこし高揚したりする。

Posted byブクログ