まちづくり幻想 の商品レビュー
リーン・スタートアップに通じる話が多かった。新しいことをやろうとしたら、外から持って来れる「正解」「成功事例」など無い。不断の試行錯誤・仮説検証が、急がば回れの最短距離となる。本気の仲間が付いてくるのも、「相談」ではなく「行動」する人だけ。ゆえに「地方の時代」「ワーケーション」の...
リーン・スタートアップに通じる話が多かった。新しいことをやろうとしたら、外から持って来れる「正解」「成功事例」など無い。不断の試行錯誤・仮説検証が、急がば回れの最短距離となる。本気の仲間が付いてくるのも、「相談」ではなく「行動」する人だけ。ゆえに「地方の時代」「ワーケーション」のような、個別性の無いそれっぽいトレンド・バズワードには嘘が多い。
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今までの著書を再編集した内容。目新しさは無いが、筆者の主張をわかりやすく読み取れる。 公務員のまちづくり活動、「自分の顔を持ち、組織の仕事につなげる」は言えば簡単そうだがハードルは高い。
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題名に在る「幻想」というのは何だろう? 本書はその「幻想」なるものを説き、考える材料を供しようという一冊である。敢えて言えば、「幻想」というのは「事実や実情と実は違う思い込みと、それを基礎とする思考や行動」というようなことになるであろうか。「思考と行動」の基礎が「幻想」であるのだ...
題名に在る「幻想」というのは何だろう? 本書はその「幻想」なるものを説き、考える材料を供しようという一冊である。敢えて言えば、「幻想」というのは「事実や実情と実は違う思い込みと、それを基礎とする思考や行動」というようなことになるであろうか。「思考と行動」の基礎が「幻想」であるのだとすれば、「現実」の様々な事柄に向き合ってみたところで「所期の成果」というようなモノを望むこと等覚束無い筈だ。そしてその「幻想」に依拠して「“手段”と“目的”との混同」も多発しているようだ。 本書の著者が綴った文章は色々と呼んだ記憶が在る。“地域再生”とか“地方創生”といういうように呼び習わされる事案に関連する事項について「本当にそういうことで構わないのであろうか?!」という論旨が多いと思う。本作も明らかにそういう系譜である。 最近は「例の事情…」とでも言いたい感染症の問題で色々と動きが在るとされる中である。こういう状況下で「〇〇である!」と誰かが言っていて、それに基づいて如何こう論じている事例の中、「一寸だけデータを視れは、必ずしもそうでもない?」が見受けられるという。そしてそれは、最近の事情に限らず、既に長く積み上げられているという側面も否定出来ないという。色々な話しで「その言っていることの“前提”がよく解らない…」という例が多くなっているように感じるところである。 かなり多くの…否、殆どの部分に関して「著者が論じるとおり…」であると思った。結局?個人的に思うのは、何かの事案について「本当にそういうことで構わないのであろうか?!」とでも言おうものなら「うるせぇ!!!!黙れ!!失せろ!!!」というような状況がそこら中に満ち溢れている、やがて「誰か“落とし前”は付けたのか?」と思わざるを得ない状態になっても、誰が如何するのでもないという「何処から如何いうように切り取っても真面ではない…」という状態が多く在るのではなかろうか? 「幻想」?様々な芸術表現のような分野での「ファンタジー」というようなことであれば結構かもしれないが…「事実や実情と実は違う思い込みと、それを基礎とする思考や行動」という意味での「幻想」は、直ちに誅されなければなるまい。 本当に「何故?」という位に「本当にそういうことで構わないのであろうか?!」というのが溢れているかもしれない中、多くの方に御勧めしたい一冊だ。否、御薦めしなければなるまい!
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まちづくりに関心がない人にも是非読んでいただきたい一冊。 関心がない人が多いとまち全体にとってプラスにならないことが実施されていても、それに気がつかず、気がついたときには時既に遅しということにもなりかねません。 関心が高く行動を起こされている人も自分の行動がむしろまちを悪くしてい...
まちづくりに関心がない人にも是非読んでいただきたい一冊。 関心がない人が多いとまち全体にとってプラスにならないことが実施されていても、それに気がつかず、気がついたときには時既に遅しということにもなりかねません。 関心が高く行動を起こされている人も自分の行動がむしろまちを悪くしていないか問い直すためにも是非読んでいただきたいです。 成功事例を真似したところで自分のまちで成功する保証はないです。この本ではハイエナコンサルという言葉も使われていますが、専門家が言ってる通りにやって全てが上手くいくなら今こんな状況にはなっていないです。 この本にも書いてあるように、まちづくりに関わる上での正しい思考の土台をまず持つことが大事だと思います。
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「あの成功事例を地元にほしい!」、「予算を取ることこそ仕事だ」と信じる自治体の意思決定者。 「よそ者・バカ者・若者」がいないと活性化できないと、自分で挑戦しない言い訳をする民間事業者。 成功者を妬み、足を引っ張り合う内向き思考の地元の人たち。 頼まれたことしかせず、自らリスクを負...
「あの成功事例を地元にほしい!」、「予算を取ることこそ仕事だ」と信じる自治体の意思決定者。 「よそ者・バカ者・若者」がいないと活性化できないと、自分で挑戦しない言い訳をする民間事業者。 成功者を妬み、足を引っ張り合う内向き思考の地元の人たち。 頼まれたことしかせず、自らリスクを負わない外の人。 失敗する地域再生事業の多くは、取り組み内容以前として、思考の土台そのものに間違った思い込みがあるのだと言います。 このようなまちづくり幻想を振り払う処方箋が示されます。 地域活性化でもよくいわれる「みんなで頑張ろう」という話。みんなで頑張ろうとは、私は責任とらないよ、という意味です。 会議でも「みんなで頑張りましょうよ」と言うので、「じゃあ、誰がいつまでに何をするのか分担決めましょう」と私が投げかけると、全員が下を向くなんてことに幾度となく出くわしています。みんなという言葉は明確な責任やタスクを雲散霧消にし、失敗した時も「みんなが悪いね」といったとんでもないお話で終わったりするのです。だから「みんな」という単位を壊す人は徹底的に集団から排除することで団結します。なぜならば「誰」という個人に分類していくことは「みんな」という存在しない主体に責任を押し付けることをできなくするからです。だから全会一致で、といって「みんな」で決めたことにしようとする人たちがいるのです。「みんな」なんて抽象的な主語はいりません。まずは「私」が何をするか、なのです。 ー 126ページ
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同調化圧力に与しないことの大切さや、過去の栄光に囚われることなく未来を志向すること、外部に知恵を求めるよりも時間をかけて人を育てること、一緒にリスクを背負い込む覚悟など、まちづくりだけでなく、一般的な組織論にかかわる問題がたくさん提起されていて、とても勉強になりました。補助金を当...
同調化圧力に与しないことの大切さや、過去の栄光に囚われることなく未来を志向すること、外部に知恵を求めるよりも時間をかけて人を育てること、一緒にリスクを背負い込む覚悟など、まちづくりだけでなく、一般的な組織論にかかわる問題がたくさん提起されていて、とても勉強になりました。補助金を当てにしたコンサル頼みのまちづくりが横行しているというのは、びっくりでした。
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面白く読んだが、少し時間がたってしまい忘れてしまった。 要点は、個別の政策や補助金獲得のために時間や力を割くのではなく、人材育成にしっかり取り組むべき、と理解した。
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まちづくりの第一人者である木下氏の著作。 まちづくり幻想とは従来の常識や考え方にとらわれて、集団がそれを共有し、幻想に基づいた政策を実行しても、地域衰退に拍車をかけてしまうこと。 面白かった点。 新型コロナの拡大で地域へのワーケーションなどが注目されているが、東京都内のマンショ...
まちづくりの第一人者である木下氏の著作。 まちづくり幻想とは従来の常識や考え方にとらわれて、集団がそれを共有し、幻想に基づいた政策を実行しても、地域衰退に拍車をかけてしまうこと。 面白かった点。 新型コロナの拡大で地域へのワーケーションなどが注目されているが、東京都内のマンション賃料は上昇傾向で、人口流入が増えたのは千葉県、埼玉県、神奈川県。つまり、コロナの影響で都内から地方への人口移動が起きたのではなく、都内の人が関東圏内の近隣の県へ移動しただけ。だから、ワーケーションやテレワーク需要を期待してまちづくりをしても、機能しない。 また、まちづくりの先進事例が多く掲載されており、個人の熱意と覚悟そして適切な周囲との連携が、まちづくりには欠かせないことが分かる。
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久々に読む木下さんの本。相変わらず、書いてあること全てに腹落ちする。日本全国の議員、公務員、経営者にも読んでほしい。 大事なのは成功事例の模倣ではなく、事例を参考にしながらも何が自分の地域にとって良いのか、とにかく「自分で考える」こと。そして失敗を恐れずに、行動すること。地方の方...
久々に読む木下さんの本。相変わらず、書いてあること全てに腹落ちする。日本全国の議員、公務員、経営者にも読んでほしい。 大事なのは成功事例の模倣ではなく、事例を参考にしながらも何が自分の地域にとって良いのか、とにかく「自分で考える」こと。そして失敗を恐れずに、行動すること。地方の方々と話す機会には、積極的にこの本に書いてあることを伝えていきたい。「大事なことは面倒なこと」……最後に刺さりました。
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すごく正統派で真っ当なことですが、なかなか誰も言わない、言えなかったことをきちんと書いてくれている本です。 公務員と呼ばれる業種の方と個人事業主の方、地域おこし協力隊などで田舎で活動されている方は特にご覧いただくとよいとおもいます。
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