四十歳、未婚出産 の商品レビュー
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婚姻届があるかないかの紙一枚でその後の子供の行く末が変わるってなかなか残酷よね。 未婚の母に同情する気持ちはこの本読むまでなかったけど、主人公の立場に立って考えるとしんどいよな。 妊娠したのは2人の責任なのに、女だけ1人抱えるパターンを見ると、女って損だなと思う。 ただ、実の父親の水野みたいなクズはそこら辺にいるとしても、凡庸みたいに戸籍貸すとかそんな都合のいい話ある???って思った部分はあった。 いろいろ考えさせられたお話でした。 クズな男に捕まらないように頑張って生きる。
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40歳目前に部下とのワンナイトで妊娠してしまう主人公。 結婚、妊娠、出産、仕事、シングルマザーなどをキーワードに、主人公が周囲に翻弄されながらも自分の人生を選び取っていく話。 独身、専業主婦、DINKs、母親...どんな人生を選ぶかで今後の人生が全く違ってくるのに、選択する時は案...
40歳目前に部下とのワンナイトで妊娠してしまう主人公。 結婚、妊娠、出産、仕事、シングルマザーなどをキーワードに、主人公が周囲に翻弄されながらも自分の人生を選び取っていく話。 独身、専業主婦、DINKs、母親...どんな人生を選ぶかで今後の人生が全く違ってくるのに、選択する時は案外紙一重だったりする。 私自身も何年もぐるぐる同じ所で悩み続けた。 だからこそ、このどストレートなタイトルが気になって読んでみた。 一番印象に残っているのは、子持ちの人が独身の人の事を「人生の半分も知らん」と言うシーン。 私は『子どもを育ててこそ一人前』という考え方にずっと縛られていた。 子育て真っ最中の姉を見ていて、子どもを育てるのは本当に大変な事なんだと思う。 わかると言っても、私が見ているのなんてほんの一部だけで、実際はもっともっと大変なんだろう。 子どもを産まないと、あんな大変な思いをしないと、人間って一人前になれないんだろうか。 私が子どもを欲しいと思えないのは、まだ一人前じゃない証拠なんだろうか。 昔から社会が敷いたレールの上を歩くように、普通に、順調に、なんとなく、生きてきた。 大人になったら結婚して、子どもを産んで、「一人前」になれると思っていた。 子どもを産んで初めて、本当の大人の仲間入りができるような、そんな気がしていた。 だけど、子どもを産むのか産まないのか、いざ決める事になった時、私は産まない人生を選んだ。 子どもの頃に思い描いていた一人前の大人にはなれないかもしれない。 だけど、何を大切にして生きたいのか、どういう時に幸せを感じるのか、自分の事を真剣に見つめ直したら、子どもは産みたくない、という答えに至った。 ボーッと生きてんじゃねえよ!と我ながら突っ込みたくなるけど、初めて自分の素直な気持ちにちゃんと向き合った気がした。 そして、やっと敷かれたレールの上ではなくて、自分が歩きたい道をちゃんと選んだという感覚になった。 とはいえ、本当にこれで良いのか?この先後悔しないって言い切れる?と心が揺れる事ももちろんある。 甥っ子がサンタさんからのクリスマスプレゼントに大興奮している時や、「子どもがいないと老後寂しいよ」と他人から呪いをかけられる時や、そしてこの本のように妊娠をテーマにした本を読んだ時なんか。 私が大好きなジェーン・スーさんは、『人生にはどっちの道を選択するか岐路に立たされる事があるけれど、選んでいない方の人生が結局どうなっていたかはいくら考えてもわからないんだから、選んだ方の人生を自分の力で正解にしていくしかない』と言っていた。 私もこの選択を絶対に正解にする。 今の人生を精一杯楽しく、強く、一生懸命生きて、私なりに一人前の人間になってやる。 なんて、ちょっと熱くなっちゃう小説だった。
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会社の後輩男性と一夜の関係で妊娠してしまった優子が、出産するまでのお話。 40代女性の出産のリスク問題など、本当はもっとセンシティブな問題がいろいろあると思いますが、そのへんのことはスルーして、「差別・偏見」といったテーマを軸にして物語は進んでいきます。 母も兄弟もそれぞれの立場で子供の幸せを願い、日本の生きづらい社会と戦う宮村家。色々なことを考えながら読みました。 主人公の優子を含め、登場人物がよかれと思って思いのままに勝手に行動しているのがイライラするし、何なら私は女性なので優子の立場で読みたいのですが、優子の軽はずみな行動に感情移入できませんでした。 ただ、今の日本における「優子の行動の『正解』ってどれなんだろう。」と考えると、これまた色々考えさせられてしまいます。 >「いったいこの国はどこに向かっているのだろう。家庭やこどもを大切にしようとすると、たくさんの壁が立ちはだかるよ」と優子の兄が言っていたとおりなのだと思います。優子も嘘を重ねながら壁をすり抜けようとするけど、また次々に壁が出てきていました。 結局優子は水野に本当のことを打ち明けるべきだったのでしょうか。私ならどうするかな。言わないな。 凡庸が偽装結婚に乗って一応めでたし。みたいになっていたのですが、ちょっとファンタジーじゃない?と思ったので⭐️は4つです。でも色々考えれて面白かったし他の人の感想も気になります。
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出張先で、部下とそういうことになってしまい、思わぬ妊娠をしてしまったアラフォーの宮村優子。 堕ろしてくれって言われるだろうな、と思う反面、これが子供を産める最後のチャンスかもしれない、とも思う。 悠長に迷っている暇がないのが妊娠。 どんどん週が進んで子は育ち、それにつれて違う局...
出張先で、部下とそういうことになってしまい、思わぬ妊娠をしてしまったアラフォーの宮村優子。 堕ろしてくれって言われるだろうな、と思う反面、これが子供を産める最後のチャンスかもしれない、とも思う。 悠長に迷っている暇がないのが妊娠。 どんどん週が進んで子は育ち、それにつれて違う局面に立たされる。 そういうスピードでお話は進む。 小説として読んで面白いのはもちろんだが、日本は本当に子育てのしづらい国なのだとあらためて感じる。少子化が進むのも分かる。 戸籍制度でがんじがらめにしているのは世界で日本くらいらしいとは初めて知った。 それどころか夫婦別姓でさえも頑として認められない。 決まった制度の中でしか子供を産むことが許されない。 「この国は、家庭や子供を大切にしようとするとたくさんの壁が立ちはだかる」とため息をついたお兄さんの言葉が突き刺さる。 育休制度が作られても、現場でそれを取ることがどんなに難しいか。 あれ?制度ができてから何年経つんだっけ? 上司の意識が変わらないと、いまだに子持ち女はすぐ休むから使えないとか、腹ぼて女に用はないなどと針のむしろとなるのだ。 優子にはびっくりするような奥の手が作者からプレゼントされる。 現実ではありえないと思うけど・・・ 誰の子とかどこの子とか関係なく、社会全体で子供を育てられるようにならないとダメだ。 自分は年齢的にもう関係ない、と思ったけれど、読んでよかった。 天上天下唯我独尊 若い住職がとても素晴らしい人でした。 そして、水野みたいな男には、いつか大きなバチが当たって欲しいと思った。
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私はこういう時、自分の力じゃどうにもならない時って逃げたくなるんだけどうっせえわ!と逃げずに向き合いたい
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40手間で未婚のまま出産する女性が主人公の話。日本では関係のない第三者まで出てきて、誰の子なの?なんで結婚しないの?なんて聞かれるんだ。そして好き勝手なアドバイスをして、あなたのために言ってあげてるのよのスタンス。うっせえわ!笑。世間の常識と少し違うとなんで?の嵐。そりゃー産みに...
40手間で未婚のまま出産する女性が主人公の話。日本では関係のない第三者まで出てきて、誰の子なの?なんで結婚しないの?なんて聞かれるんだ。そして好き勝手なアドバイスをして、あなたのために言ってあげてるのよのスタンス。うっせえわ!笑。世間の常識と少し違うとなんで?の嵐。そりゃー産みにくい、育てにくい世の中ですよ。その分優しくされると優しく返してあげたくなるよね。世の中1人では生きていけないから、助けてくれる人にはしっかりありがとうを伝えて助けてもらう。自分に余裕がある時は自分が助けてあげる。そういうふうに出来たらいいな。
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新しい生き方。 子供を産んでひとり育てるのは並大抵ではありません。 保育所問題もあります。子供が熱を出したら…授業参観etc。 優子(主人公)の環境が、子育て出来る様に設定してある様に思うのは自分だけ? リアルな作品です。
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仕事を続けながらの、妊娠、出産、子育ては 想像以上に大変だろう。 そこに、未婚が加わるのだから さもありなんの風が吹く… その上、自己中心的な主人公が 産むと決めても腹を括れず 右往左往する滑稽な日々 著者が問題提起したかったことを とりあえずおいといて 痛快な読み物として楽...
仕事を続けながらの、妊娠、出産、子育ては 想像以上に大変だろう。 そこに、未婚が加わるのだから さもありなんの風が吹く… その上、自己中心的な主人公が 産むと決めても腹を括れず 右往左往する滑稽な日々 著者が問題提起したかったことを とりあえずおいといて 痛快な読み物として楽しむなら くっくっくっ と笑って読める。
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〈あのカンボジアの夜、自分も水野も頭がおかしくなっていたのだ。〉〈負けるな、自分。お腹の子を守るために、うまくこの場を切り抜けろ。〉四十歳目前、思わぬ妊娠に揺れる優子。お腹の子は彼女も居るイケメン部下、同期は不妊治療に悩んでいるのを知っているから相談できない。どんどん成長していくお腹の子と産むと覚悟を決めるまでの、あー、苦しい時間。〈妊娠出産が決してめでたいことではなく、ハンデになってしまう社会生活の中で、正直に打ち明けた途端に一人前とはみなされなくなる。それが恐ろしかった。〉〈いったいこの国はどこへ向かっているんだろうな。家族や子供を大切にしようとするとたくさんの壁が立ちはだかる。〉優子のお兄さんの言葉がとっても沁みる。優子のお腹の子の戸籍上の父親になることになった凡庸、〈『ここに冬鷹がおる。もうそれだけで十分じゃ。戸籍がどうとか誰が父親だとか、そんなことは冬鷹の存在に比べて何と小さなことなんじゃろうのう』〉働きながら妊娠、出産をすることのハードルの高さよ、、、痛いほどにわかる。大きな願いとして早く当たり前に妊娠や出産をしても仕事や職場へ気後れしたり辞めなくてはいけなくなる社会の現状が改善されていくことを願って、読了。
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垣谷さんの小説、久々! やっぱりすごい!うまい! 一気読みでした。 女性が1人で子供を産み生きていく事の大変さがリアルに描かれている。 少子化少子化と言われるけれど、現実はコレだ! 色々政策を立てたところで現実の環境が妊婦や子育てに寄り添ってくれなければ結局女性が1人で全て背負い...
垣谷さんの小説、久々! やっぱりすごい!うまい! 一気読みでした。 女性が1人で子供を産み生きていく事の大変さがリアルに描かれている。 少子化少子化と言われるけれど、現実はコレだ! 色々政策を立てたところで現実の環境が妊婦や子育てに寄り添ってくれなければ結局女性が1人で全て背負い込むことになるのだ。 命が誕生する、この世で1番の喜びのはずが逆に女性を追い詰めてしまう事すらある。 この小説の中ではたまたま瀬島さんの様な上司がいたから救われた(後ろめたさがあったのかもしれないが…^^;) でもそんな救いがない事が多々だろう。 そして育休、時短勤務により他の人にその皺寄せがいき、その人達の苦労もまた現実なのだろうし、育休、時短などの制度を利用している本人さえそれまでの様に仕事と向き合えない事に苦悩している人もいるのだろう。 近くに親や兄弟の手助けが無い場合だってたくさんあるだろうし… 問題が山積みでこのレビューをどう締めくくれば良いのか(..)それすら分かりません。
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