1,800円以上の注文で送料無料

不可逆少年 の商品レビュー

3.4

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/03/17

https://www.lib.kyutech.ac.jp/opac/search?q=9784065221730

Posted byブクログ

2021/03/16

03月-16。3.0点。 13歳の少女が、殺人の模様を実況中継。被害者家族達は、ある共通点を持っていた。。。 暗いタッチだが、読ませる筆力はあると思った。 犯人の真の動機が、イマイチ伝わらなかった。 デビュー2作目。次作に期待。

Posted byブクログ

2021/03/05

五十嵐さんの「法定遊戯」がすごく面白かったのでこれも読みたいと思った。 不可逆少年とは、教育で更生できない少年、専門家による治療などでしか治せない少年のこと。 虞犯少年→行動や性格、周囲の環境に問題がありそのまま放置すると罪を犯すおそれがある少年。 びっくりの連続だった。 恐ろし...

五十嵐さんの「法定遊戯」がすごく面白かったのでこれも読みたいと思った。 不可逆少年とは、教育で更生できない少年、専門家による治療などでしか治せない少年のこと。 虞犯少年→行動や性格、周囲の環境に問題がありそのまま放置すると罪を犯すおそれがある少年。 びっくりの連続だった。 恐ろしい事件で、それが繋がっているあたりから一気読み。 少年じゃなく少女なんだけど少年法なんだね。 表紙がかわいい雰囲気なのに内容はグロい。 予測のできないすごい話だった。

Posted byブクログ

2021/03/02

現在と過去、2人の視点から語られる。 一見別物に見える事柄が読み進めるにつれて見事に一致していき徐々に真実が明らかになっていくのが面白かった。特に過去の場面は緊迫感があって手に汗を握って呼んだ。 裁判所や調査室などの詳しい事柄も学ぶことができた。真昼の視点の場面で自分も同じ様に考...

現在と過去、2人の視点から語られる。 一見別物に見える事柄が読み進めるにつれて見事に一致していき徐々に真実が明らかになっていくのが面白かった。特に過去の場面は緊迫感があって手に汗を握って呼んだ。 裁判所や調査室などの詳しい事柄も学ぶことができた。真昼の視点の場面で自分も同じ様に考察するのが楽しかった。 最初の方は、今どこの場面なのか整理するのが難しかった場面も少しあったがよく読めば理解できてテンポが良く読み進められた。 久しぶりの読書で1日でイッキ見するほど面白かった。

Posted byブクログ

2021/02/24

ネット中継された少女による殺人事件。 そこから引き起こされるさらなる悲劇。 信用できない大人たちばかりの世界で生きる子供たち。 動画に殺人の様子が公開され、拡散されるというのはショッキングであり、現実にも自殺他殺問わず凄惨な内容の動画が出回っている事実があるため大変生々しい。 ...

ネット中継された少女による殺人事件。 そこから引き起こされるさらなる悲劇。 信用できない大人たちばかりの世界で生きる子供たち。 動画に殺人の様子が公開され、拡散されるというのはショッキングであり、現実にも自殺他殺問わず凄惨な内容の動画が出回っている事実があるため大変生々しい。 それを若干12歳の少女が引き起こすのだから、世も末と思わざるを得ない。 センセーショナルな内容ながら、法や倫理観、孤独感を抱える子供の心理を丁寧に描き、犯罪少年の更生について手堅く攻めた作品だと感じました。 世間では殺人を引き起こす少年たちに極刑を望むような言論が多く出ています。 また、読み手の多くも、殺人衝動を持つ少年たちを救うことはできないと考えているのではないでしょうか。 私自身、脳になんらかの損傷のある人の衝動を人の手で止めることができるとはなかなか考えられず、どのように決着をつけていくのか気になりました。 全ての非行少年たちを更生させることはできるのか。 主人公の真昼と、もう一人の主人公茉莉の葛藤も描きながら進みます。 悩みながら真昼がたどり着いた答え。 葛藤があるからこそ選ばれた答えに読み手は安心すると思います。 信じることができなければ、可能性すら開けることはできないのだと強く印象づけられました。

Posted byブクログ

2021/02/19

全体的に、ふわっ、ふわっ、としてた。 「事件すっきり解決!」を期待してたからかもしれない。 そんなすっきりとしたミステリーものではなくて、どちらかというと家裁の調査官についてのお仕事小説のように感じた。 小説の主人公にしては珍しい職業。 事件を起こした少年(この言葉には少女も...

全体的に、ふわっ、ふわっ、としてた。 「事件すっきり解決!」を期待してたからかもしれない。 そんなすっきりとしたミステリーものではなくて、どちらかというと家裁の調査官についてのお仕事小説のように感じた。 小説の主人公にしては珍しい職業。 事件を起こした少年(この言葉には少女も含まれる)の過去や家庭環境、友人関係などを調べて、面談を重ねて、 「こうかもしれない」「ああかもしれない」と可能性をいくつか提示して その少年の更生の方法を考える、という仕事。 現実はきっと、ミステリー小説のようにすっきり解決とはいかない事案がたくさん転がってるんだろうな。 少年法や、調査官について詳しくなった。 事件を起こした少年には、必ずなにか背景がある。 そして、周りの大人たちにも少なからず原因がある。 それが更生できない「不可逆」である場合も、私はあると思う。 周りの大人の影響が本当に大きいと思う。 私たちは少年にとって「害のない」大人にならなければならない。そして害を与えうる大人から少年を守らなければいけない。それは簡単なようで実に難しいこと。 更生できないと端から決めつけたくない。諦めたくない。けど現実は。 結局なんで「あの子」は相手にあの人たちを選んだんだろう。 ふわっとしか描かれてなくて、更生できるかもわからないのが、「現実通り」なんだと思う。 「やり直せるから少年なんだよ」。 調査官ってただただ、何もかも不安定な少年と対話を重ねる、大変な職業だなと感じた。

Posted byブクログ

2021/02/09

今回著者が取り上げたのは少年法。「やり直せるから、少年なんだよ」…読み手の心深くに響く言葉は、即、狐面の少女による凄惨な殺人事件により揺さぶられる。被害者遺族の高校生少女と、家庭裁判所調査官・瀬良の二つの視点で物語が進み、時系列が前後していることもあって高校生たちが何を考え、どう...

今回著者が取り上げたのは少年法。「やり直せるから、少年なんだよ」…読み手の心深くに響く言葉は、即、狐面の少女による凄惨な殺人事件により揺さぶられる。被害者遺族の高校生少女と、家庭裁判所調査官・瀬良の二つの視点で物語が進み、時系列が前後していることもあって高校生たちが何を考え、どう行動していたのか、時に眉間に皺をよせ時に痛いほどの悲しみを覚えながら読み進めた。バリバリの社会派ではあるが、途中でミステリの楽しさがきちんと組み込まれていることに気づく。考えさせられる一冊ではあるが読後感が良かったのも嬉しかった。

Posted byブクログ

2021/02/05

動画サイトに投稿された生中継の殺人。死者三人、生存者一人。犯人は13歳の少女というのが世間に衝撃を与えた。被害者は同じ高校に関係のある人たち。 なぜこのような事が起きたのか? この事件を皮切りにまた新たな悲劇が訪れる。 ある犯罪を犯す時、必ず何かしらの動機が発生する。怨恨や復讐...

動画サイトに投稿された生中継の殺人。死者三人、生存者一人。犯人は13歳の少女というのが世間に衝撃を与えた。被害者は同じ高校に関係のある人たち。 なぜこのような事が起きたのか? この事件を皮切りにまた新たな悲劇が訪れる。 ある犯罪を犯す時、必ず何かしらの動機が発生する。怨恨や復讐といったものは罪の重さを理解したり、環境を変えたりすることで、更生の道を辿ろうとします。しかし、なんとなく殺したかった、衝動に駆られたといった教育だけではやり直せない人たち(=不可逆少年)とどう向き合っていけばいいか。家裁調査官が主人公となって、あらゆる若者を救おうと奮闘します。 てっきり、メインとなる生中継の殺人事件について深掘りしていくのかと思いきや、その事件の被害者の関係者を中心とした物語になっていて、ちょっと肩透かし感がありました。 犯人となる13歳の少女や家裁調査官の背景が、あまり詳しく描かれていなかったので、個人的にそちらの方を重視して欲しかったです。 しかし、事件によって狂わされてゆく若者たちの苦悩が、丁寧に描かれていて、辛い気持ちになりました。 主人公は一応、家裁調査官の真昼ですが、他にも別の登場人物の視点となって、ある事件の顛末が描かれています。 作者が弁護士ということもあり、法律や裁判といった言葉や状況が詳細に描かれているので、リアルさが際立っていました。 なぜ、犯行を犯すのか?被害者は許し難い人達ばかり。それに翻弄される若者。狭い空間の中で出した答えが、あまりにも悲しく、誰か救いの手を差し伸べていたらと悔やんでも悔やみきれません。 「今」の若者を形成したのは、周りにいる「大人」です。「大人」たちの身勝手な行動や解釈について読んでいると、ちゃんと若者と向き合わないといけないと思わずにはいられませんでした。 殺人事件が発端となって、発生する新たな事件の数々。若者たちがどう絡んでいくのか。家裁調査官はどう向き合っていくのか。 その先には、殺人事件の新たな真実が待ち受けていました。衝撃度はそんなにありませんでしたが、若者たちの心理描写に圧倒されました。 家裁調査官がいることで、きちんと更生の道を辿らせてくれることに感謝しなければと思いました。今後の真昼に期待したいと思います。

Posted byブクログ

2021/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

13歳。犯罪を犯しても罰せられることがない「刑事未成年者」。 この年齢を題材にした小説はいくつか読んできたけれど、今回の「罪」はその意味と目的と方法の衝撃が大きすぎて、思わず目が泳いでしまいましたよ。 搾取され続ける子どもたちを救ってくれたある意味正義の「罪」。けれど、そこから一見無関係な別の事件が重なって…何が起こっているんだ、どうつながっていくんだ、とどんどん先へと気持ちが突き進む。 狐の面をかぶった少女が、大人の男を殺すところを生配信する。もう、それだけで異常すぎておののくけれど、その「始まり」から始まった事件の深さと「浅さ」に理解とか共感とかが吹き飛んでしまう。 家庭裁判所調査官。彼らの仕事は「罪」を償わせることでもなければ「罪」そのものを明らかにすることでもない。ただ、「なぜ」それが起こったのか、それを起こしてしまった彼ら彼女らのために何が必要か、を探すこと。 目の前にいる彼、彼女たちの過去を共有することはできない。それでも今、目の前にいる彼らが何を考え、何を感じ、何を求めているのか、を手探りで見つけていくこと。多分、本人でもわからない自分の心の裏側を、一緒に覗き込むために。そう、「ともにある」ことが調査官の一番大切な仕事なのだろう。 だれかの心の奥底に共に潜っていく仕事は、自分自身の心が相当しっかりとしていないと共倒れになってしまう。 向かい合っている誰かとの間に、今、ここで起こっている「ナニカ」をきちんと客観視するチカラ。そしていろんな心の動きに共感する繊細さ。調査官の瀬良さんがこれからどんどんキャリアを積んでいってくれたら救われる子どもたちも多いだろう、と思った。 それにしても五十嵐律人さんのリーガルミステリ、とどまることを知らないですね。 まだまだネタはありそう。どんどん読みたい!瀬良さんシリーズも希望!!

Posted byブクログ