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不可逆少年 の商品レビュー

3.4

59件のお客様レビュー

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2021/05/11

決して軽くない題材を扱っているにもかかわらず、タイトルや帯に興味をそそられて購入。 全くの専門外であっても分かりやすく、一気に読めてしまうのは前作同様。 罪を犯した少年たちと、彼らに真摯に向き合う家裁調査官たち。 爽やかさと重苦しさがバランス良く配合された作品だった。

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2021/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 前作よりもすっきり読めてしまう。  青年誌のコミックのような感じというと、けなしているように聞こえるかもしれないが、どこへ行ってしまうのかなという不安が消えた感じです。  やり直せるから少年というメッセージは、この一作で終わるものでは無いと感じる。

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2021/05/02

過去の行動は、無かったことにはできないし、罪の気持ちは背負ったまま進まなければいけない。それでも、生きていることに意味がある。生きていくことに価値がある。過去の悲しみも悔しさも全部背負って生きていく。それは、一種の償いになるのかもしれないなあ。どんなことがあっても投げ出さず、前へ...

過去の行動は、無かったことにはできないし、罪の気持ちは背負ったまま進まなければいけない。それでも、生きていることに意味がある。生きていくことに価値がある。過去の悲しみも悔しさも全部背負って生きていく。それは、一種の償いになるのかもしれないなあ。どんなことがあっても投げ出さず、前へ、ただひたすら前へ。

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2021/04/29

『法廷遊戯』に続く五十嵐律人さん2作目の青春リーガルミステリー。現役弁護士の五十嵐さんの作品ということで、今作も法(少年法)が絡んだ物語。冒頭でキツネの仮面の少女が凄惨な殺人事件を起こすのだが、被害者が全員同じ高校に関連する人達だったと分かり、そこから新たな事件が発生していく…殺...

『法廷遊戯』に続く五十嵐律人さん2作目の青春リーガルミステリー。現役弁護士の五十嵐さんの作品ということで、今作も法(少年法)が絡んだ物語。冒頭でキツネの仮面の少女が凄惨な殺人事件を起こすのだが、被害者が全員同じ高校に関連する人達だったと分かり、そこから新たな事件が発生していく…殺人現場をネットで生放送するという今風の作品で、作中のキーマンが神経犯罪学(脳科学を使って犯罪を解き明かしていく的な学問)を使いこなしていたのでちょっと勉強したくなった。

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2021/04/29

少年の更生の可能性を論理的に追求する為「なぜ非行に走ったか?」にこだわる調査官という探偵役。 取り扱うテーマも昨今単語ひとつで片付けられてしまいがちな物だけど、しっかり踏み込んでる感じがしてとても良い。 この路線がこの著者の本領という感じがするので次作にも期待大。 安心する為の...

少年の更生の可能性を論理的に追求する為「なぜ非行に走ったか?」にこだわる調査官という探偵役。 取り扱うテーマも昨今単語ひとつで片付けられてしまいがちな物だけど、しっかり踏み込んでる感じがしてとても良い。 この路線がこの著者の本領という感じがするので次作にも期待大。 安心する為の区別とか諦める為の定の良い理由付けとして使えてしまう言葉だけど もしくはミステリ的な関心や奇異の目を向けられる娯楽的なカテゴリーでもあるけど 不可逆少年では学術的な扱いが為されていたように思えるテーマ。 専門的になり過ぎるとエンタメからは外れてしまうけどもう少しだけ続きを知りたい。

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2021/04/05

十三歳の少女が起こしたフォックス事件。その事件の被害者家族の少年たちに起こる、やりきれない悲劇。家庭裁判所調査官が少年たちの心に寄り添い、事件の真相を解き明かすミステリ。 「不幸な生い立ちの少年が少年事件を起こす」などとありきたりなことは言いたくないけれど、それが一因となってしま...

十三歳の少女が起こしたフォックス事件。その事件の被害者家族の少年たちに起こる、やりきれない悲劇。家庭裁判所調査官が少年たちの心に寄り添い、事件の真相を解き明かすミステリ。 「不幸な生い立ちの少年が少年事件を起こす」などとありきたりなことは言いたくないけれど、それが一因となってしまうのも確かなのかもしれません。そしてそれが少年たちだけの責任ではなく、「悪い」大人たちのせいということも大きいのは事実。ここで描かれているのはまさにそういう背景で起こってしまった事件で。そりゃあ大人が助けてくれる、だなんて期待できなくて当然という気がします。実に悲しくて、誰か止めることはできなかったのだろうか、と悔やまれて仕方がありません。だけれどやり直せないなんてことはきっとないはず。悲惨な現実にきちんと目を向けながらも希望を失わない、すがすがしさも感じられました。 ただし、もともとの素質がどうしようもない、ということも確かにあるのかもしれなくって。誰のせいでもないのだろうけれど、これはいったいどうすればいいのか。少年犯罪の課題というのはまだまだ山積みなのでしょうね。

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2021/04/02

家裁調査官の真昼は非行少年の更生を信じる.13歳の少女が犯した殺人の背景に動機と次々起こるその周辺の少年犯罪,そして不可逆性の少年についての考察,小説の面白さとともに少年犯罪について考えさせられた.

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2021/03/22

やり直せるから少年なんだ タイトルの反語としてくり返されるこの言葉を、きちんとつたえられる大人でありたい。その覚悟。

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2021/03/20

初読み作家さん。少年犯罪や家族問題のテーマが重いが読ませる。お仕事小説としてシリーズになるわけではないのかな?

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2021/03/18

うまい。深い。 最初に大きな衝撃で関心をつかみ 物語の森の中へ案内を始める。 そして、気づかれないように少しずつ 目的地からずらすように誘導し ときどき一本道を 二手に分けるように惑わせながら 「やっぱりこの道で間違ってなかった」 と思わせたところで 断崖絶壁から突き落とす…みた...

うまい。深い。 最初に大きな衝撃で関心をつかみ 物語の森の中へ案内を始める。 そして、気づかれないように少しずつ 目的地からずらすように誘導し ときどき一本道を 二手に分けるように惑わせながら 「やっぱりこの道で間違ってなかった」 と思わせたところで 断崖絶壁から突き落とす…みたいな。 なんとなく 悲しくてやりきれない物語だったけど 少年という そのときだけの雰囲気や世界観は良かった。

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