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不可逆少年 の商品レビュー

3.4

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

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2023/05/10

デビュー作「法廷遊戯」の続編でしたか。先に読んでしまいました。 家庭裁判所調査員達が、少年少女が引き起こす猟奇的犯罪とそれらに付随するトラブルに対峙していく。 少年達の未来を守るため、彼らの過去とも向き合っていく。 テーマは、少年犯罪。犯罪者となってしまった未成年者達にも「やり...

デビュー作「法廷遊戯」の続編でしたか。先に読んでしまいました。 家庭裁判所調査員達が、少年少女が引き起こす猟奇的犯罪とそれらに付随するトラブルに対峙していく。 少年達の未来を守るため、彼らの過去とも向き合っていく。 テーマは、少年犯罪。犯罪者となってしまった未成年者達にも「やり直せるから少年なんだ。」と。 不可逆な少年少女は居ないんですという希望。 参考文献にも医療的なものや、生活環境を扱ったものも挙げられる。少年の病んだ部分への柔軟な対応の必要性を唱えているかと思う。 ミステリとしては、冒頭からなかなかショッキングな殺人現場の描写に戸惑うけれど、その殺人との関係性がも少しわかりやすいとうれしい。 清水玲子のコミック「秘密 シーズン0」が特殊な環境下で育った少年犯罪を扱っていたと思うけど、 それも良いです。

Posted byブクログ

2023/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 『不可逆少年』。それは生物学的要因から非行に走る少年・少女のこと。生物学的要因とは、脳機能が正常に働いていないことを示す。  とある動画投稿サイトにアップロードされた、刑事未成年による殺人。これにより、主人公である家庭裁判調査官の瀬良真昼は初めて『不可逆少年』と呼ばれる少年との問題に直面する。途中、遭遇する様々な事件を通しながら、『不可逆少年』との向き合い方を探っていく。  私は読んでいて苦しくなった。非行する少年・少女の哀しき想いがみえた気がした。苦しくて耐えられない、地獄から抜けだしたい、彼らの心の叫びが聞こえた気がした。勿論、全ての少年・少女がそうだとは言わない。ただ、この本に書かれている少年・少女がそう思える苦痛を背負っていた。  印象的な言葉として強く刻み込まれているのは、『不可逆少年』に対して真昼が言った言葉。 「やり直したいと強く望む。そこから〇〇の更生は始まるんだ」 私の人生にも助けたいと思う人は沢山いた。けれども、ここまで真摯に覚悟を持って手を差し伸べることが出来ていたか?と問われると違うなとはっきり言える。立場が違うというのも勿論あるが、真昼にあって私にはないもの。それは、真昼という名前のとおりに全ての非行少年・少女達の道標となって明るく照らすこと。この全てには、『不可逆少年』も入る。私には出来ない。情けないがそう思った。  ただ、真昼のような覚悟ある人間とはいかなくとも、少年・少女の心が軽くなれるそんな話が出来る 信頼できる大人でありたい。  私も真昼のような大人に出会いたかったな、と思う小説だった。

Posted byブクログ

2023/01/24

まあ面白かったが、少年犯罪の可塑・不可塑を描くのに、ここまでのミステリーは必要なのかとも思った。砂・漠・茉莉・奏乃の関係性と描写は上手い。哀しい犯罪に手を染めてしまう少年の心理もよく描かれている。

Posted byブクログ

2022/10/10

2022/10/10読了 #五十嵐律人作品 刑事未成年による残虐な犯罪。 家裁調査官の主人公は 更生不可能な「不可逆少年」の 概念を突きつけられ葛藤する。 法廷遊戯めちゃ面白かったけど 今回のはやや後半ボヤけて失速したかな。 でもこういう作品は好き。

Posted byブクログ

2022/09/10

狐面の少女による殺人事件。その事件の関係者を調べていく家庭裁判所調査官の真昼。 結末が切ない…。「やり直せるから少年」だけど、本当にやり直せるのか心配…

Posted byブクログ

2022/08/15

家庭裁判所調査官というお仕事については勉強になりました。あたしなんざ、ま、この年になったらそれなりの距離感を保ち、仕事と割り切って一人二人とならば向き合えるかもしれない。でもかつて若いころ、ようは青い正義感があったころには絶対に務まりませんでした。そもそも自分自身が虞犯少年と言え...

家庭裁判所調査官というお仕事については勉強になりました。あたしなんざ、ま、この年になったらそれなりの距離感を保ち、仕事と割り切って一人二人とならば向き合えるかもしれない。でもかつて若いころ、ようは青い正義感があったころには絶対に務まりませんでした。そもそも自分自身が虞犯少年と言えなくもなかったし、調査官としての適正があるとは思えん。ところで被害者少年たちの込み入った友情物語部分は流すとして、肝要のフォックス姉妹だけど、ヘモファピアって病気(痔の一種かと思ったけど違った)ならば説教より治療あるのみでしょう。

Posted byブクログ

2022/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家栽調査官の真昼はどんな子でもやり直せるという理念で働いていたが、赴任先の主任調査官の早霧から教育的手段による更生が不可能である「不可逆少年」の存在を示唆される。例として挙げられた法で裁かれない事を認識していた13歳の少女、神永詩緒による凄惨な殺人事件の調査詳細を聞くうちに理念がぐらつく中、詩緒の被害者の高校生の息子、佐原漠がある事件の犯人として自首。真昼が彼の担当となるが…。この流れと同級生である被害者の娘、雨田茉莉視点からの殺人事件後の過酷な環境や加害者の姉、神永奏乃も加わった特殊な友情風景、さらに全ての事件の真相が過不足なくきちんと収まって少年法の限界の問題定義もされて読み応えあったけどとっちらかった印象が拭えなかった。何故だ。最終の茉莉視点の話からの真昼視点の話への間にすこんと抜けている箇所があったからか。

Posted byブクログ

2022/04/21

★5 少年犯罪をテーマに読み手の良心にグサリと切り込む!社会派&リーガルミステリーの傑作 #不可逆少年 家庭裁判所の調査官として公務にあたる主人公は、毎日犯罪を犯してしまった少年たちと向き合っていた。とてつもなく悲惨な事件について、被害者家族と加害者が同じ学校の関係者であること...

★5 少年犯罪をテーマに読み手の良心にグサリと切り込む!社会派&リーガルミステリーの傑作 #不可逆少年 家庭裁判所の調査官として公務にあたる主人公は、毎日犯罪を犯してしまった少年たちと向き合っていた。とてつもなく悲惨な事件について、被害者家族と加害者が同じ学校の関係者であることが分かり、少年犯罪に対する信条が揺らぐことになっていく。果たして主人公は事件解決と、少年たちへ更生の手を差し伸べることができるのか。 圧倒的に面白い!★5 若年層の犯罪をテーマにした作品は数あれど、ここまで心理描写や社会問題性を真正面にとらえ、深ぼって解決策を書ききっている作品を知りません! 私たちはなんとなく少年犯罪や彼らの家庭や経済環境に憂慮しつつも、正面だって解決へ一歩踏み出すことはなかなかできません。そんな見て見ぬふりをしている大人たちに、ズバっと問題を突き付けてきます。 小説の内容についても、法廷遊戯の時よりもかなり構成や文章が整っており、バランスがバッチシとれています。そのため物語としても起承転結がとても綺麗で読みやすかったです。素晴らしい! また登場人物ひとりひとりの心情描写も豊かに表現されており、また信念と信念のぶつかり合いがお見事!ほんと目の前に存在するかのように伝わってきました。 未熟な高校生たちが謎解きに挑むミステリーも大好きですが、そういった淡い青春ミステリーとは画する、思いっきり骨太な社会派ミステリーでした。 社会に出て、人の親になったら読んでおくべき作品ですね、おすすめです!

Posted byブクログ

2022/02/10

『法定遊戯』から比べると物語全体の熱量が薄まった気がする。フォックス事件の真相もそれほど意外性がなく、すっきりしない箇所もところどころ。 事件そのものより、スナ、バク、茉莉3人の生き方が主軸なんだろうな。 こういう子たちより、考えられる原因がないのに他害が抑えられない子たちとの向...

『法定遊戯』から比べると物語全体の熱量が薄まった気がする。フォックス事件の真相もそれほど意外性がなく、すっきりしない箇所もところどころ。 事件そのものより、スナ、バク、茉莉3人の生き方が主軸なんだろうな。 こういう子たちより、考えられる原因がないのに他害が抑えられない子たちとの向き合い方のほうが格段に難しそう。家裁調査官って余程の精神力の持ち主じゃないと耐えられない気がする。

Posted byブクログ

2022/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やり直せるか、やり直せないか。 絶対やり直せない、矯正は無理という 生まれながらのサイコパスは存在する。 最後は綺麗事だなぁ〜なんて ちょっと冷めてしまったけど でも物語自体は楽しめました。

Posted byブクログ