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修羅の都 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2021/02/07

一言で本作を形容すれば「鎌倉時代の政治ドラマ」ということになる。鎌倉時代辺りの“大鎧”というような華麗な装備に身を包んだ武将が勇躍するような場面が多々在るような物語ではない。源頼朝と妻の北条政子との物語ということになる。 鎌倉幕府が成立して、安定して行くという過程の中、源頼朝は「...

一言で本作を形容すれば「鎌倉時代の政治ドラマ」ということになる。鎌倉時代辺りの“大鎧”というような華麗な装備に身を包んだ武将が勇躍するような場面が多々在るような物語ではない。源頼朝と妻の北条政子との物語ということになる。 鎌倉幕府が成立して、安定して行くという過程の中、源頼朝は「敵対的勢力が擁立し得る“旗頭”になりそうな人物」ということになる、兄弟や縁続きの源氏系の武将を排するような政治闘争を随分と行っている。本作の物語の基礎となっているのはそういう経過である。 鎌倉幕府が成立して、安定して行くということは、「そこまでの時代の社会の在り方」を「抜本的に変えて行く」という大事業であった。源頼朝はそれに邁進した。が、「敵対的勢力が擁立し得る“旗頭”になりそうな人物」を排することを繰り返す中、「自身の血脈を護る」ということが様々な活動の目的であるかのように、何やら“質的変化”をしてしまう… そんな源頼朝を支える妻の北条政子である。4人の子達の人生を見守って行くというような「母親の歓び」というような事とは、何時の間にか距離を置くような羽目に陥って行った。結局、彼女は4人の子達の全てに先立たれているのだ… 源頼朝の生涯の最後の方、脳卒中か何かと想像される症状によって公衆の面前で落馬してしまい、そこから運ばれて、やがて落命してしまったという挿話が伝わるのだが、史料の散逸というようなことも在って「晩年の様子」には不明点も多い。本作はそういう「不明…」な部分に関して大胆に想像の翼を羽ばたかせている一面も在る。 或いは「難解?」な面も在るかもしれない諸情勢を、「理想に向かって邁進するが故に、個人的な人生という意味での“不幸”に絡め捕られてしまった?」という感の「頼朝・政子夫妻の物語」として、見事に語り切ったという感の作品だ。 なかなかに愉しむことが出来た!!

Posted byブクログ

2020/12/11

【NHK大河「鎌倉殿の13人」をもっと面白く!】「武士の世をつくる」。頼朝の悲願を背負い、妻として母として時代の要となった政子。頼朝晩年の謎をも大胆に描く傑作時代長編。

Posted byブクログ