小説 イタリア・ルネサンス(4) の商品レビュー
マルコ・ダンドロが主人公となるベネチアを舞台にした小説の最終シリーズ。前3作は青年期の主人公が、ベネチア、フィレンツェ、ローマを舞台に恋も仕事も精力的に活動していたのでに対して、今回はベネチアの国力の停滞を主人公の衰えに投影しているようだった。前3作はワクワクして読んだが、今回は...
マルコ・ダンドロが主人公となるベネチアを舞台にした小説の最終シリーズ。前3作は青年期の主人公が、ベネチア、フィレンツェ、ローマを舞台に恋も仕事も精力的に活動していたのでに対して、今回はベネチアの国力の停滞を主人公の衰えに投影しているようだった。前3作はワクワクして読んだが、今回はワクワク感は物足りないと感じた。
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帰国後のマルコの活躍。小説形式だが実態は歴史エッセイ。トルコ・スペイン・フランス、領土型国家と肩を並べて強国といわれた都市国家ヴェネツィア。マルタでの騎士団の勝利、その煽りを受け占領されたキプロス。国家の危機の中、レパントの海戦へ持ち込む。キリスト教国連合の中ヴェネツィアの果たし...
帰国後のマルコの活躍。小説形式だが実態は歴史エッセイ。トルコ・スペイン・フランス、領土型国家と肩を並べて強国といわれた都市国家ヴェネツィア。マルタでの騎士団の勝利、その煽りを受け占領されたキプロス。国家の危機の中、レパントの海戦へ持ち込む。キリスト教国連合の中ヴェネツィアの果たした勝利への役割は大きい。海軍力と交易、そして共和国という特性。人材登用と外交。自国の個性を踏まえた上での戦略。損して得とれ。名を捨てて実を。・・オリンピック開催にメダルの数。名誉ばかり追い求める今の日本が見習うべきはここだ。
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2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス ①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア 1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史 サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた 東にトルコと争いつつ、長く「地中...
2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス ①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア 1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史 サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた 東にトルコと争いつつ、長く「地中海の覇権」を保持した「国家経営の秘訣」が 塩野七生氏の造詣を踏まえつつ、司馬遼太郎的歴史小説として書き下ろされた 「国家リーダー」候補を見いだし、育成する ヴェネツィアはそこに国家の命運の鍵を見出し、莫大なエネルギーを投入した そのかいがあって、ヴェネツィアは長期の命を保持することが出来た 作者塩野七生氏はその歴史の教えを、現代の日本に伝えたいとの使命感を感じる本書 国家・国民に殉じる覚悟のエリート・リーダーなき組織は滅ぶしかない
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マルコがまたベネティアへ戻り10人委員会の 委員となり、政策決定をしていくところから最後引退してベネティアのその後までを描く。 途中では 大国トルコ、スペイン、ドイツ、法王庁との間での交渉の過程と最後のレパントの海戦が描かれるが、やはりベネティアの衰退は止まらない。海戦には勝つも...
マルコがまたベネティアへ戻り10人委員会の 委員となり、政策決定をしていくところから最後引退してベネティアのその後までを描く。 途中では 大国トルコ、スペイン、ドイツ、法王庁との間での交渉の過程と最後のレパントの海戦が描かれるが、やはりベネティアの衰退は止まらない。海戦には勝つものの、キプロスはトルコに奪われたまま。とりあえずの平和を取り繕った所でマルコは引退で終わる。 マルコ・ダンドロの生涯を描いるが、実ははベネティアのピークから少しずつの衰退を描いた物語であった。
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