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対米従属の構造 の商品レビュー

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2022/02/06

従属という結論に向けて、サポーティングエビデンスで議論したというよりも、何でもかんでも従属に繋げて牽強付会の議論をしている名著ならぬ、迷著。 最初の方の指揮権密約や再軍備の議論は新しい発見もあって面白かったので星2としました。 後半の乱暴な議論ぶりは枚挙に暇なく、数例挙げると...

従属という結論に向けて、サポーティングエビデンスで議論したというよりも、何でもかんでも従属に繋げて牽強付会の議論をしている名著ならぬ、迷著。 最初の方の指揮権密約や再軍備の議論は新しい発見もあって面白かったので星2としました。 後半の乱暴な議論ぶりは枚挙に暇なく、数例挙げると以下のとおり。右翼も左翼もそうだと思いますが、特定のレンズで見ると、何でもかんでもそのように見えるという好例です。 ◯1980年の総合安全保障研究グループ報告書の、「自衛隊は三軍を総合的に指揮・統制するシステムを持っていない」自衛隊の総合指揮の弱さを指摘したものを、米軍指揮下にあることへの不満としている。149頁 →単に三自衛隊がバラバラで統合運用が弱いということでは。 ◯平成は新自由主義と安保法制で経済力が低下 188頁 → ここまで来ると理解不能 ◯ミサイル防衛は専守防衛に反する 200頁 → 最も専守防衛的任務ではないか。 ◯新ガイドラインの日米司令部間の要員交換や、陸上総隊に日米共同部を設置したことは、対米従属の証 201頁、208頁 → 訓練・災害から有事まで日米連携の必要が高まったからではないでしょうか。 ◯外務省北米局に日米安全保障条約課や日米地位協定室があるが、他の地域局にはない従属の例である 223頁 → 単に仕事があるから課が置かれているだけではないか。 ◯戦前の統帥権と今の指揮権は同じ。天皇から大統領に変わっただけ。アメリカンコントロール 299-300頁 → とても興味深い指摘だが、日米はそもそも指揮関係に無いのではないか。 ◯NSCは閣議より上位 325頁 → 閣議より上位の閣僚会議がある筈は無く、閣議こそが内閣の意思決定機関。(内閣法)

Posted byブクログ