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日本沈没(下) の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2024/03/16

日本が沈没する過程を描いたシミュレーション力がすごいです。そして、日本を離れる人々、そこに残った人々の心情もとてもリアルに描かれており、心に響きました。大きな地震が増えている、今の日本を見ると、これが単なるフィクションとは感じられません。

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2023/03/31

読んだ本 日本沈没(下)小松左京 20230331  まずは、50年前に書かれた本だとは信じられないですね。地球物理学による日本沈没のシュミレーションと、それによって人が、社会がどう行動するかというシュミレーションが折り重なって、全てがリアルでした。  自分の生きている日本が愛...

読んだ本 日本沈没(下)小松左京 20230331  まずは、50年前に書かれた本だとは信じられないですね。地球物理学による日本沈没のシュミレーションと、それによって人が、社会がどう行動するかというシュミレーションが折り重なって、全てがリアルでした。  自分の生きている日本が愛おしくなってくるほど、その滅びは真に迫り、理論にすがり行動する人々が、理屈からではない行動に駆り立てられていく姿に息を飲んじゃいますね。  昔映画で観たエレベーターの宙吊りなんかは出てこなかったな。小説は全然別物ですね。  第二部が出てるってことなんで、楽しみです。  私の小説「海竜」も、少しだけテーストが合っているので、よかったら読んでみてください。

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2022/07/30

富士火山帯が火を噴きまくり、中央構造線(九州東部から関東へ横断する断層)に沿って大地震が頻発、日本の国土は崩壊の一途をたどります。諸外国への避難民受け入れ交渉に各国の思惑が入り乱れ、東西世界の緊張が高まっていきます

Posted byブクログ

2022/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

リアリティがあり、ただ被災するだけではなく、全日本人が難民になるというスケール感のあるストーリーだった。 ただ、男尊女卑な箇所も見受けられ、時代の流れもあるがやや違和感が残った。

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2021/01/30

日本を代表するSF作家・小松左京(1931~2011年)氏の最大のベストセラー。1973年に光文社カッパノベルズから刊行され、同年末までに上下累計で300万部以上が売れ、社会現象とまでなったことは周知の通りである。 本作品は、太平洋戦争中の「一億総玉砕」という空気に違和感を持って...

日本を代表するSF作家・小松左京(1931~2011年)氏の最大のベストセラー。1973年に光文社カッパノベルズから刊行され、同年末までに上下累計で300万部以上が売れ、社会現象とまでなったことは周知の通りである。 本作品は、太平洋戦争中の「一億総玉砕」という空気に違和感を持っていた著者が、「では、日本という国がなくなったら、日本人はどうするのか? また、国を無くすことによって、日本人とはなにか、日本文化とはなにか、そもそも民族とは何か、国家とは何かということを考えることができるのではないか?」というテーマを考えついたことがきっかけで、「日本列島の沈没」というのは、1960年代後半に広く認知され始めたプレートテクトニクス理論を使って、日本の消滅をよりリアルに描くための舞台設定であったという。そのため、著者には、難民となって世界中に散っていった日本人の行く末を描く第二部の構想があり、本作品の最後には「第一部 完」と記されている。(尚、第二部は、2006年のリメイク版映画に合わせて、谷甲州氏との共著という形で出版された) ベストセラーとなった背景には、衝撃的な舞台設定に加えて、1970年の大阪万博に象徴される、高度経済成長期に日本を覆っていた「バラ色の未来」という風潮に対するアンチテーゼであったこともあるという。 出版後半世紀の間に、国内外の状況は大きく変化し、国内では不幸にも数百年に一度という大きな震災を被り、また、公式に「相模トラフ沿いで、マグニチュード7程度の地震が、今後30年以内に起こる確率は70%程度」と推定されている今、年代・立場によって様々な読み方ができる作品なのだと思う。 尚、全体の構成は以下の通りである。<上巻>第1章:日本海溝、第2章:東京、第3章:政府、第4章:日本列島、<下巻>第5章:沈み行く国、第6章:日本沈没、エピローグ・竜の死。 【以下、下巻について】 日本各地の大規模な地殻変動と部分的な沈没のはじまり、世界各国の日本沈没に対する反応と対応、日本政府による国民の海外への避難の実行、日本消滅の意味と日本人の将来への希望などについて描かれる。 最新の地球物理学では、日本列島が日本海溝側に沈むことは理論的にあり得ないとされている(著者は、プレートテクトニクス理論と、量子力学のトンネル理論を組み合わせて、日本を沈没させた)が、東日本大震災を経験した世代にとっては(部分的には)全くの空想の世界とは思えず、そのインパクトは強烈である。 そして、最も印象に残ったのは、エピローグにある、沈み行く日本に残った田所博士(日本沈没を予見した科学者)と渡老人(首相を動かした政財界の黒幕)の次のような会話であった。 田所「日本人は、人間だけが日本人というわけではありません。日本人というものは、この四つの島、この自然、この山や川、この森や草や生き物、町や村や、先人の住みのこした遺跡と一体なんです。・・・このデリケートな自然が、島が、破壊され、消え失せてしまえば、もう、日本人というものはなくなるのです」 渡「日本人はな、これから苦労するよ。この四つの島があるかぎり、帰る“家”があり、ふるさとがあり、・・・おふくろがいたのじゃからな。だが、世界の中には、こんな幸福な、あたたかい家を持ちつづけた国民は、そう多くない。・・・これからはな、帰る家を失った日本民族が、世界の中で、ほかの長年苦労した、海千山千の、あるいは蒙昧でなにもわからん民族と立ちあって、外の世界に呑みこまれてしまい、日本民族というものは、実質的になくなってしまうか、・・・それとも、未来へかけて、本当に、新しい意味での、明日の世界の“おとな民族”に大きく育っていけるか、・・・辛酸にうちのめされて、過去の栄光にしがみついたり、失われたものに対する郷愁におぼれたり、わが身の不運を嘆いたり、世界の“冷たさ”に対する愚痴や呪詛ばかり次の世代にのこす、つまらん民族になりさがるか、これからが賭けじゃな。」 様々なことを考えさせてくれる、壮大な物語である。 (2021年1月了)

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