蒼き山嶺 の商品レビュー
中盤で「えっ、そういうこと!」となりました。 白馬岳は行ったことがありますが、栂海新道はまだ歩いていないのでいつか歩きます。
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馳さんの①暗黒系×③山系で、相乗効果で壮絶な物語になっています。がっつり、馳さんワールドを楽しまれたい方には、特にお勧めします。
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新宿と犬と山の作家、馳星周。 後立山連峰は、北アルプス北部に連なる長大な山域で、麓は安曇野高原などの避暑地や数多くのスキー場を有する場所。 もちろん、山を歩く連中で夏は稜線もにぎわっている。が、冬山はとても厳しい。日本海からの寒気が湿気を帯びて雷とともにやってくる。 そんな冬...
新宿と犬と山の作家、馳星周。 後立山連峰は、北アルプス北部に連なる長大な山域で、麓は安曇野高原などの避暑地や数多くのスキー場を有する場所。 もちろん、山を歩く連中で夏は稜線もにぎわっている。が、冬山はとても厳しい。日本海からの寒気が湿気を帯びて雷とともにやってくる。 そんな冬景色の稜線を主人公達は北へ歩く。 この手のストーリーとしては目新しいものではないが、やっぱり“水戸黄門”的に見入ってしまった。 井上靖『氷雪の門』や漫画『岳』が読みたくなった。 夏に白馬岳へ登る最も一般的なルート“白馬大雪渓”……2年続けてクレバスの巨大化で立ち入り禁止となった(2023・24)。 温暖化の影響からか、年々雪渓も痩せ細って危険度が高くなっている。 また、どの山も一般登山道は踏み跡が抉れ、場所によって崩落が発生している一方で、人気の無くなった道は荒れて歩けなくなっている。 永遠と思っていた山は、現実に変わり始めている。
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やっぱり山岳小説は面白い。自分がそこにいるような気になって、次々とページをめくりたくなる。 それに、外が猛暑の日に冷房の効いた室内で雪山登山の本を読む贅沢! 池谷に山があってよかったと思いました。
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山岳小説が好きだ。 どうしてそんな辛い思いまでして 山へと向かってしまうんだろう、と 毎回思うのだけれど 登場人物と共に汗をかいて息を切らしながら 読んでしまう。 この作品は山から離れてしまった男、 現在も山と離れられずに居る男、 山と共になってしまった男、 3人の山屋の物語。...
山岳小説が好きだ。 どうしてそんな辛い思いまでして 山へと向かってしまうんだろう、と 毎回思うのだけれど 登場人物と共に汗をかいて息を切らしながら 読んでしまう。 この作品は山から離れてしまった男、 現在も山と離れられずに居る男、 山と共になってしまった男、 3人の山屋の物語。 山とは何とも不思議だ。
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冬山縦走がこれほどリアルに、臨場感溢れる描写に圧倒されてしまう。圧倒的な自然の中で晒す人間の悲哀の対比が物語の明瞭なコントラストを生み出す。限界を何度も超えて、理性も吹きとび、人の素直な感情だけが残ったラスト、シンプルだけど色んな意味を考えさせてくれて涙。。
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久々に面白い山岳小説を読んだ。 物語は序盤で本題に入りスリリングな展開をしていくが、その中で過去の記憶、出会い、思惑、矜持。。。そんなものが混ざりあって読んでいて全く飽きなかったし、山や自然が見せる様々な表情の描写がとても綺麗で、まるでそこに自分がいるかのような気分だ。 その後を...
久々に面白い山岳小説を読んだ。 物語は序盤で本題に入りスリリングな展開をしていくが、その中で過去の記憶、出会い、思惑、矜持。。。そんなものが混ざりあって読んでいて全く飽きなかったし、山や自然が見せる様々な表情の描写がとても綺麗で、まるでそこに自分がいるかのような気分だ。 その後を書いた続編を読みたいので、作者さんぜひ!
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元山岳遭難救助隊員の得丸は、大学時代山岳部で一緒だった公安刑事の池谷と、山中で偶然にも再会する。 そして池谷から残雪期の白馬岳のガイドを頼まれるが、池谷は警察から追われ、刺客に命を狙われている事態を、徳丸は徐々に知ることとなる。 そこにもう一人の仲間であった若林の妹も偶然加わるこ...
元山岳遭難救助隊員の得丸は、大学時代山岳部で一緒だった公安刑事の池谷と、山中で偶然にも再会する。 そして池谷から残雪期の白馬岳のガイドを頼まれるが、池谷は警察から追われ、刺客に命を狙われている事態を、徳丸は徐々に知ることとなる。 そこにもう一人の仲間であった若林の妹も偶然加わることになり、友情溢れる楽しい筈の登山から一変し、スリル溢れる逃避行のサスペンス劇へと進んで行く。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ちょっと都合良すぎ。 面白かったようなそうでもないような。主人公が池谷に会った偶然も若林の妹に会った偶然も、偶然が出来すぎていて興ざめ。だけど、小説なんてそんなもんだと思えばそんなもんだしなぁ。
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馳さんの作品は「少年と犬」を読み、これで2作品目です。 山岳ガイドの得丸が白馬岳で大学山岳部の同期の池谷と再会。 卒業後警視庁公安刑事になっていた池谷が山頂まで一緒に登ることに なったが突如得丸に拳銃を突き付ける事態になる。 果たして二人は白馬岳を越えることができるだろうかと...
馳さんの作品は「少年と犬」を読み、これで2作品目です。 山岳ガイドの得丸が白馬岳で大学山岳部の同期の池谷と再会。 卒業後警視庁公安刑事になっていた池谷が山頂まで一緒に登ることに なったが突如得丸に拳銃を突き付ける事態になる。 果たして二人は白馬岳を越えることができるだろうかという山岳冒険小説。 山岳小説というと以前湊かなえさんの「山女日記」を 思い起されましたが、それとはまた違った作風です。 湊さんの作品では山登りは大自然の美しさを満喫させて 山の良さを楽しむという印象ですが、 こちらの作品では自然の美しさはそのままですが、 それプラス自然の厳しさを十分に伝え、 自然の恐ろしさ、そして山岳救助隊の過酷な任務状況、 登山での男の熱き友情がとても表現されていると思いました。 厳しい冬山での登山の様子がとても細かく描かれていて、 その中で得丸と池谷の攻防戦や池谷が何故、何があっても日本海に行かなければならないのかという理由。 何とかして答えが欲しい得丸との言葉のやり取りも 読んでいてとてもドキドキしました。 そして池谷の真実が徐々に分かってから池谷の 身体の具合の悪さと雪山の悪天候中での生死を 分けるほどの緊迫感のある状況下の描写がとても緊張感のある様子でページを捲る手が止まらず一気に読んでしまいました。 現在の登山の様子も緊迫感があって読み応えがありますが、その合間に出てくる山岳部時代での登山光景も青春の一ページを熱く切り取っているかのように 迫真に迫る描写で心を掴まれました。 徐々に弱っていく池谷に対して得丸が言っていた 「もし無事に故郷に変えれたら・・・」(中略) 「そこの山に登ってくれ。山頂から見える景色を 写真に撮って送ってくれ」 という言葉に胸を打たれて感涙しそうになりました。 もう後半は二人の生命が気になってしまい、 特に池谷の最後はどうなってしまったのかと思うばかりで読了後も暫く余韻に浸ってしまいました。 得丸とゆかりが一緒にK2へ行くという約束が果たせたのだろうか、 そして池谷は故郷へ無事に戻ることが出来たのだろうか。 などとこの続きが読みたいと思うので 続編を切望したいと思います。 久しぶりに心揺さぶれる作品に出会えて 本当にこの作品を読んで良かったです。 自然の美しさと厳しさ、そして熱き友情を楽しみたい方はお勧めな一冊だと思います。
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